(二)-6

 それを聞いて、長田も発言した。

「大阪の事件の若い男女二人組っていう犯人像ですが、実はうちの犯人像とも被るんですよ」

「どういう事件なんですか」

「いわゆる『オヤジ狩り』っていうやつです。最初は無差別に被害者が出ていたんですが、あるときから特定の会社の社員のみが狙われるようになりました。その会社というのが、『いなほ銀行』です。どうも、その犯人、強盗をするときに人を探していたようなんです。その人物の名が「イガヤ」っていいまして。それで一度、いなほ銀の本社に行って事情を聞いてきたんです。すると、大阪に転勤になったと話がありました。実はその直後に、念のため大阪府警捜査二課の飯田さんにお話はしていたんですよ。『いなほ銀のイガヤという男が狙われているらしい』と」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る