転職士様、会社員から作家への転職をお願いします。あ、無理ですか……。

　主人公の職能は『転職士』。世間からはハズレと思われている職能ですが、よく調べるとすごい力があって……と、展開としては王道です。王道故に、安定した面白さがありますね。
　読者からしても、『転職士』って何ができるの？　と疑問に思いながら読み進められて、実はこんなすごい力があって、と判明するとき、ある種の爽快感が得られます。
　なるほど面白い職能を考えたものだなと尊敬しつつ、楽しみながら読み進めることができました。
　
　また、単純に主人公の戦闘能力が最強というのではなく、知恵を使って皆と協力して戦う姿も、私は魅力的に感じました。
　主人公が最強すぎる物語は、周りのキャラがただの引き立て役にしか見えなくなってしまうこともあり、個人的にはちょっと残念に思うことがあります。
　本作では、強大な力を持つものばかりが活躍するのではなく、それぞれが力を発揮してたくましく生きていく姿が良かったです。

　まだまだ『転職士』が秘めた力はたくさんありそうで、期待して更新を待っております。

　読みやすい作品にもなっておりますので、是非ご一読を。