04.覚醒_09
「さ、千歳様、こちらへ」
アタシはサティさんに連れられて仕切りの向かいのキートリーのベッドに着いた。キートリーのベッドはキャンプに持ってくるにしては作りがしっかりとしており、まるで現地で新しく作ったかのような出来だ。そして近くには大きな姿見がある。着替えるにはベストな場所だろう。
「千歳様、お嬢様のネグリジェがありますが、どれに致しますか?」
そう言ってサティさんが棚からフリルでフリフリないろんな色のネグリジェを見せてくる。
(だからアタシにはフリルは似合わなないってぇ)
「これもキートリーのですよね?勝手に着ちゃっていいのかなぁ」
「これはお嬢様のご指示です」
「あ、そう言えばそんなこと言ってような」
(最初と対応が真逆だ、アタシを気に入ってもらえたのは嬉しいけど、落差でびっくりしちゃうな)
アタシはパジャマ派なのでネグリジェは来たことが無いのだが、このまま上半分ボタンが弾け飛んだブラウスで寝るのも何か落ち着かない。なのでネグリジェを幾つか見せてもらう事にする。
「サティさん、少し見てみてもいいですか?」
「はい、どれでもご自由にどうぞ」
サティさんがベッドの上にズラリとネグリジェを並べて行く。
(凄い量だな、伯爵令嬢ってこんな何枚も服を持ってるものなの?)
ゴブリン討伐にこんないっぱい服を持ってくる必要性が分からなかったが、これがキートリーの趣味というか主義なのだろう、と勝手に納得してネグリジェを選ばせてもらう。
「これは、可愛すぎるな……こっちは、片丸出しじゃん……、それじゃこれは、スケスケだ……」
などとアタシがネグリジェ選びで悩んでいる間も、サティさんは黙ってじーっとアタシを見ていた。その視線に気づいていたアタシは、
(ま、待たせちゃ悪いよね)
と少し焦り気味にネグリジェを選ぶ。ついに少し透けているけど割と大人しめなものを見つけたアタシは、
「これにしますっ」
と言って決めたネグリジェを持ってサティさんに見せる。サティさんは微笑みながらアタシの顔を見ている。
「うふふっ」
「サティさん?どうしました?」
サティさんがアタシを見て小さな笑い声を漏らした。
「あ、つい、申し訳ありません。千歳様は本当に、奥様とお声が似ていらっしゃいますね」
そう言ってサティさんもアタシの声について言及してくる。
(実子のキートリーだけでなくて、従者のサティさんまで言うなんて、そんなに似てるんだ?)
「サティさんも、キートリーとマースのお母さんの事、ご存じなんですか?」
「ええ、私は奥様、ヌールエル様がご存命の頃からお嬢様の従者をやっていますので、よく知っています。お嬢様が生まれる前は、ヌールエル様直属の従者をやっていたんですよ?」
(ヌールエル様?キートリーのお母さんの名前か。サティさん、キートリーの生まれる前からって、若そうに見えるけどいったい何歳なんだろう。ってアタシがいうのも変だけど)
サティさんはアタシが選んだネグリジェの裾辺りを優しく持ち上げ、語る。
「このネグリジェは、もともとは生前ヌールエル様が来ていたものです。それをお嬢様が形見の品としてここへ持ってきていたものを千歳様がお選びになった、これもなにかの巡り合わせなのかもしれませんね」
「ええっ、ちょっと待って、流石にそんな大事なモノ着れないよ!?」
(形見のネグリジェをアタシが着て、このブラウス見たいに破いちゃったら責任取れないよ)
いくら何でもこの薄い布に込められた思いが重すぎる。アタシはこのネグリジェを丁重にお断りしてサティさんに返そうとした。
「これっお返ししますっ!って」
返そうと手を伸ばしたその拍子に、サティさんの首筋に手がすっと触れてしまう。
「あっ、サティさんっ、手当たっちゃったっ!ごめんなさいっ!」
アタシは手が当たってしまったことをサティさんに謝り、ついいつも通り頭を下げてしまう。
(頭下げても意味無いんだってアタシ。あれ、謝る時の仕草ってどうやるんだろ)
などと考えていたアタシだが、ふとサティさんの顔を見た。何か雰囲気が変わった気がする。
「あれ?サティさん?サティさん?」
「はい、千歳様、如何致しました?」
(あれぇ?気のせいかな?)
今話しかけた時、サティさんは特におかしいところはなかった。サティさんはアタシが返したネグリジェを受け取り、棚に閉まっている。アタシの気のせいなのかもしれない。なのでアタシは後ろを向いた。ブラウスを脱ごうと付いてるボタンを外していく。
「千歳様……」
「はい?」
サティさんの両腕がすーっとアタシの腰に回され、アタシはサティさんに抱き着かれる。
「サティさん?どうしたの?」
サティさんがボタンを外したブラウスの隙間に手を突っ込み、アタシのお腹を触ってくる。
「千歳様……吸い付いてくるような肌……とても素敵です」
そう言って抱き着いたままアタシの腹筋を手で摩るサティさん。
「あっ、ちょっとくすぐったいっ、どうしたの?ねえ?何?何なんですサティさん?」
サティさんがアタシの腹を摩るのを止めないので、アタシは止む無くサティさんの手を掴み、自分の身体から離す。
「サティさん、いきなりこんなことされたらびっくりしちゃいますよ?どうしたんです?」
アタシはサティさん不可思議な行動に疑問を浮かべつつ、彼女の手を掴んだまま、彼女に向き直る。するとサティさんは、アタシの手を愛おしそうに握りしめ、自分の顔に引き寄せた。
「この手、この手です、この手なんです。何もかも吸い尽くしてしまいそうな、この手」
アタシの手に頬ずりするサティさん。
(まさかだけど、手も似てるとか、言うのでは)
「あはは、もしかして手まで、その、ヌールエルさんに似てたり、します?」
アタシは苦笑しながら、冗談半分でサティさんに聞いてみる。アタシは自分の手が普通の女性よりずっと大きいのを自覚している。なのでアタシの手とキートリーのお母さん、ヌールエルさんとの手が似ている訳は無いと思っているのだが。
「少し大きいですが、とてもよく、似ています。この肌触りが、とてもよく、ああ……」
そのまさかだったようで、サティさんはうっとりとした顔でアタシの手への頬ずりをやめない。
(ていうか、自分の主人の手の感触を覚えているとかどういう関係なの)
アタシはサティさんの様子から、ヌールエルさんとサティさんの関係に疑いを持ち始める。どうもただの主人と従者の関係ではなかったんじゃないかと。
(伯爵夫人と女従者のイケナイ関係、無い話じゃないけど、じゃないけどっ)
そう思っていると、サティさんがアタシの手を口元に運び出す。
「えっ?サティさん?」
「あむっ……うん、ちゅっ、ちゅうぅっ」
サティさんがアタシの指を吸い始めた。アタシの指にサティさんの舌が絡まり、ちゅうちゅうと指を舐めしゃぶる。
「サティさん、これは何かのイタズラ、ですよね?」
いよいよサティさんの行動の意味が分からなくなってきた。いい大人の女性が今日会ったばかりの他人なアタシの指をしゃぶっているのである。なんてことの無いイタズラであってほしい。もしくはこの世界にはこういう文化があるのか?
「サティさーん?サティさーん?しゃぶるのやめて答えてー?サティー?」
しゃぶったまま答えてくれないので、ついつい呼び捨てにして呼んでしまう。その瞬間、指をじっと見つめていたサティさんがアタシの方を見る。口から指を離し、地面にネトリとよだれが滴り落ちる。
「ヌールエル様……」
サティさんがアタシを見てぽつりとヌールエルさんの名前を呼ぶ。その目はとろんとしてアタシを見ているようでアタシに焦点が合っていない。
「ヌールエル様……やっぱりヌールエル様だ、ヌールエル様、サティはずっと、ずっとお帰りをお待ちしておりました、ヌールエル様……」
そう言ってアタシに再び抱き着いてくる。今度は正面からだ。いい勢いで抱き着かれたため、アタシはそのままベッドにぽふっと座らされる格好になる。
「サティさん!?ちょっと待って!アタシはヌールエルさんじゃないよ!?」
「いいえっ!貴女はヌールエル様ですっ!この肌触り、指の吸い付きっ!サティは覚えていますっ!忘れるハズもありませんっ!」
強く断言するサティさん。だがアタシは現にヌールエルさんではないのだ。だがサティさんは全くこちらの事を聞いてくれない。あろうことかまたアタシの指を舐めしゃぶる。
「あむっ、ちゅっ、れろっ、ヌールエル様ぁ……」
酷く艶やかな表情で必死にアタシの指を舐めしゃぶるサティさん。そんな彼女を見ていると、
(おかしいな、アタシおかしいな?サティさん見てるとゾクゾクする。この人なら苛めていいような、苛めたくなるような、そんな変な気分になる……。いや、ダメだって!)
思わず理性を飛ばしそうになったが、なんとか踏み留まった。それでいよいよサティさんを払いのけてでも離れようかと思っていたその時、
「ああっ!やっぱり!ほらっ!やっぱりヌールエル様だ!いつものヌールエル様の手!サティを愛してくれる、ヌールエル様の素敵な手っ!」
サティさんが両手でアタシの手を掲げ、感嘆の声を上げる。
「だから違いますって!」
否定するアタシ、掲げられるアタシの右手。
「……え?」
いつものアタシの手、何かが違う。
(なんで?なんで青いの?)
アタシの手は、手首から先が青く変色している。
(なんで?爪が紫色なの?)
アタシの爪の色は、紫色に変色している。
(なんで?爪がこんな長い?)
アタシの指の爪は、5センチ以上も長く伸びている。
(えっ?何?どうして?)
アタシは混乱していた。自分の手の色が突然青く変わっていたのである。混乱するなと言う方が無理だ。サティさんはアタシの青く変色した手を見て子供のようにキャッキャと喜んでいる。アタシは変わってしまった自分の手の色が信じられず、真横の姿見で自分の姿を見る。本当に色が変わってしまっていたのか、自分の目が信じられなくなったからだ。だから姿見を見た。アタシの目で。自分の目で見たんだ。アタシの顔を。
(なん……で?アタシの……目……?)
アタシの目は、白目と黒い瞳だったはずだ。だが今、姿見に写るアタシの目は、
(黒い白目に……紫色の瞳?)
黒白目に、瞳の周りの虹彩は紫色、そして瞳の中心である瞳孔が山羊のように不気味に横に黒く長く伸びている。おおよそ人の目ではなかった。カラコンなんて入れた覚えもない。
(そうだ、こんな目、どこかで見た事あるような気がする)
自分の目に既視感があった、実際に見た事があるわけじゃないのに。でもアニメだったかゲームだったかでなら見た事がある。そのキャラクターはこう呼ばれていた。人外、悪堕ち、"
(悪魔の、目?)
-ドクンッ-
-ドクンッドクンッドクンッドクンッ-
心臓の鼓動が乱れる。
「はっ、はっ、はっ、はーっ、はーっ、はーっ」
呼吸が乱れて行く。
(何が、何がどうなって)
何が起きているのかがわからない。心臓が、息が苦しい。意識がぼんやりしてくる。自分の手を見つめる。青く、爪がギラギラと紫色に光る。
「あっ、あっ!ヌ、ヌールエルさまっっ、ああっっ!」
「えっ?」
アタシの上で突然声を荒げるサティさん。胸が苦しいのか、両手で胸を抑えている。
「もっと、もっと見てくださいっ!その目で、その目でサティをっ!ああっっ!」
サティさんは悶えながらも恍惚の表情でアタシに見てほしいと告げてくる。
(何が起きてるの?アタシはどうなってるの?サティさんはどうしちゃったの?わからないよ)
「はーっ、はーっ、はーっ、愛していますっ、ヌールエル様っ、今度こそ、サティの全てを、ヌールエル様へっ!」
サティさんは紅潮した顔で、全身汗だくのまま荒い息をしながら口からよだれをだらだらと垂らしている。彼女のよだれがアタシにも降りかかり、アタシの着ているブラウスを濡らしていく。彼女はメイド服の前掛けをよだれでびしゃびしゃに濡らしながら、蕩けた顔でアタシをヌールエル様と呼び続ける。
「おかしいよ!どうしちゃったのサティさん!?なんでっ!?」
(ダメだ、アタシもサティさんも何かおかしい、離れないと、サティさんから離れないと)
そう思ってサティさんを押しのけ、ベッドを離れてサティさんと距離を取る。だが、サティさんは蕩けた表情でアタシに懇願してくる。
「はーっ、はーっ、ヌールエル様……どうかサティを、あの頃のように、サティを食べてください……」
(何を言っている?この人は何を言っている?)
ゆっくりとベッドを下りたサティさんが、ロングスカートをたくし上げ始める。白いガーターベルト、白い下着と共に、彼女の腹部が見えてくる。
(なんで?えっ?あれは、何?何の傷跡??)
たくし上げたスカートの中、サティさんの腹部には、何かを無理やり突っ込まれ穴を開けられたような傷跡がいくつもあった。
-ドクンッドクンッドクンッドクンッ-
また心臓の鼓動が乱れる。
「うっ、うぐぅぅっっ!ガアアアッッ!!」
気づけばアタシは、サティさんをベッドに押し倒していた。脱ぎ掛けだったブラウスを乱暴に脱ぎ捨てて肌着一枚で、たくし上げられ見えたサティさんの傷跡の残る腹部、そこに紫色の長く伸びた爪を立てて、今にも突き入れようとしている。
(えっ?なんで?アタシは、何をしているの?)
「ヌールエル様ぁ、サティに早くご褒美をぉ」
何かを待ち望むように蕩けた声でアタシに甘えるサティさん。
-ブズゥッ-
アタシの爪がゆっくりとサティのお腹にめり込んでいく。
(止めないと、こんなこと止めないとっ!)
-ニチニチッ-
「あっ、あああっ?」
どんどんとサティの腹にめり込んていくアタシの爪。サティの腹は、ついに赤い血が流れだし、血でサティの下着とガーターベルトが赤く滲んで行く。
(だめ、だめ!だめぇ!なんで!?なんで止められないの!?)
-グチュゥッ-
「あ゛っ!?あ゛っあ゛っあ゛っあ゛あ゛あ゛ーーーっっっ!!??」
テント中にサティの悲鳴とも艶声ともつかない叫びが響き渡る。完全にサティのお腹に突き刺さったアタシの手。手を動かすとサティの腸の感触がある。とても暖かい。ドクンドクンと波打つサティの腸。サティの腸はとても暖かく、そして、
(えっ?美味しい?)
腹からドクドクと流れるサティの血。それに混じって、サティの腸からアタシの手を伝ってアタシの身体に流れてくる何かがあった。
(美味しい?なんで?美味しい!?こレ、モット、モット!モット食イタイ!)
(違うっ!止めなきゃっ!こんなこと止めなきゃっ!サティさんが死んじゃうっ!)
アタシは頭の中で互いに矛盾する事を思い葛藤する。だが、アタシの身体は構わず更にサティの腹の中に手を突き入れていく。
「あ゛っ♥あ゛っ♥あ゛っ♥ヌールエルざま゛あ゛っ♥この瞬間をぉっ♥ずっど、お゛ま゛ぢじでお゛り゛ま゛じぁっだぁっっっ♥♥♥」
ぽたぽたと血が滴り落ちてベッドを赤く滲ませていく。アタシの手で腸を突き刺され血を流すサティ。だがその声には恐怖も忌避も苦痛すらも無く、彼女は両手でシーツを破れんばかりに握りしめながら、ただただ悦びの声を上げている。
「ゲヒャ!ゲヒャハハハ!!オンナァ!美味ェゾ!?オ前ノ腹!スゲェ!ナンダコレェッ!?」
(何?これはアタシが喋っているの?これがアタシの声!?)
自分の口からとてつもなく不気味な声が出ている。下品で、攻撃的で、乱暴な、どこかで聞き覚えのあるような、アタシが忌み嫌う声だ。それが信じられない事に自分の口から発せられている。
そして、アタシがそんな自分の声に困惑している間も、アタシの身体はひたすらに彼女の腸から流れてくる何かを欲望のまま啜っている。
(モットヨコセ、モットダ)
(違うっ!やめてっ!サティさんが!このままじゃサティさんが!)
そう思っていると、アタシの頭蓋骨がメキメキと音を立て始める。
(痛いっ!?頭が痛いよぉっ!?)
だがアタシの身体は止まらない。アタシの身体は、そのまま彼女の腹の中の手を捻る。
-ぐぢゅり-
「あ゛っあ゛っーーっっ!?ずごいぃぃっっ♥も゛っどだべでぇっっ♥ザディを゛だべでぐだざいぃぃっっ♥♥」
アタシに腸を抉られつつも恍惚の表情でもっと深くへと懇願してくるサティ。
「ゲヒヒィィィッッ!!イッパイ!イッパイ美味ェノガ!オンナァ!オ前ノ命ガ流レテクルゥゥ!!」
(これは……これはこのサティさんの命?アタシはサティさんの
本能的に理解した。アタシはサティの命を吸っていると。
「美味ェ!溜ラナク美味ェッ!!モット吸ワセロッ!オ前ノ命ヲ!モット吸ワセロヨォォッッ!!」
どうしてかは分からないけれど、空腹が満たされるような、そんな気分がした。
(美味イ、モット食ワセロ、モットコノ女ヲ食ワセロッ!)
(やめてよっ!止まってっ!止まってよぉっ!!)
アタシは自分の中のもう一つの意識に必死に抵抗する。だが止まらない。
「ヌールエルざまぁぁ♥♥ずでぎですぅぅっっ♥♥あ゛あ゛あ゛っっ♥い゛い゛の゛ぉぉっっ♥♥ザディのい゛の゛ぢぜんぶずっでくだざいぃぃっっ♥♥お゛え゛っ!?ごぶっ!?」
-ビチャッ-
ビグンビクンと痙攣するサティの身体。喉に血が入ったのか、ついには口から赤い血を吐き出す。その間もドクドクと手を伝わってアタシに流れてくるサティの命。
「ゲヒャ!ゲヒャハハハハ!吸ッテヤル!全部吸ッテヤルゼェ!オンナァ!!オレガオ前ヲ全部吸ッテヤル!!ゲヒャハハハハハハ!!!」
(なんで止められないのっ!?なんでっ、こんなに、美味しい……もっと……違うっ!やめっ……)
アタシの身体中にじゅわぁっと広がっていくサティの命、甘く、蕩けるような味だった。アタシは辛うじて頭の中で自分の身体へ抵抗していたが、
(やめ……美味し……い……止めて……よ……)
(美味ェ!モットダ!モットヨコセヨォ!!)
唯一抵抗している頭の中でさえ、その甘さで浸食されていく。
(嫌……誰か……助け……)
(邪魔ダァ!テメエハスッコンデロヨナァ!)
次第にアタシの意識は何かに押しのけられて、頭の奥に押し込められて行く。自分の身体が、自分のモノじゃなくなっていく。周りの事なんて構っている余裕は無かった。だから気が付いていない。
「何を……何を……して……いますの……?」
キートリーが、戻ってきていた事を。
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