第2話
その日は雨だった。
しとしとと、降り出す雨の中でのドライブ。
お父さんとお母さんと家族一団となって話すのも何だか久しぶりだ。
後部座席に座っている私に、お父さんは「今日は川を見よう。あるいは海かな? 釣りができるところをお父さんはたくさん知っているんだよ」お母さんは「何が食べたい。馬刺しや猪鍋なんていいわよね。食べたときが一度もないけど」二人から一度に言われて、 私は「じゃあ、全部!」と言った。
両親は笑い出した。
今日は旅館へ泊る予定だけど、その道中。いろいろなところを見て回りたかった。
でも、気掛かりなのは、私たちの後ろにはいつもおしゃべりな髑髏がいることだ。
旅行の時だけに決まってどこかから現れるのだ。半透明で、古ぼけていて、色々と物知りな髑髏。
最初は生まれて初めての旅行の時は、その髑髏が現れたので、きっと旅行先で私は死んでしまうのだと思ってしまい。旅が終わるまで終始。おかしなくらいに震えに震えていた。
その髑髏はちょうど人間の大人の頭部の大きさで、お父さんとお母さんには見えていないみたいだ。
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