第3話『ファーストキス』って、そのロマンチックな響きとは裏腹に、期待外れな事が多い。
「狭間さん……今言ったのって、その眼鏡で……それとその目で観た事……なの?」
「……」狭間さんは、無言で頷いた。
「それって、テレビや映画じゃ無いよね? 現実に『
「……言ったよね? 私の任務は、あなたの『監視』と『報告』……
呆れた……。
『狭間さんって、クールな人だと思ってはいたけど、こんなに冷酷な人だとは思わなかったよ! ……ナメくん!」
「にゅ?」
「臨戦態勢! 『コンペイト』発動!」
『にゅうっ!』
『コンペイト』とは、僕が考えたナメくんとの合体技……『
「……何する気?」
「決まってるでしょ! 皆を助けに行くんだよ」
「バカな事言わないで! 守護対象のあなたが、何でわざわざ危険な所に行くの?」
あー、もう、話にならない!
「僕や白樺さんの仲間たちが今も殺されてるんでしょ? ……僕は狭間さんと違って仲間たちが
「白樺さん! クラート・ラフト!」と、狭間さんが叫んだ。 それと同時に、何故か足が床に貼り付いたように進めなくなった。
「ナメくん!」
「キューン?」
「前進!」
「キューーン!」
僕の足元から『バキバキバキッ』という音がして、足が自由になった。
……僕は狭間さんに対して、
「……なめるなよ」
……と言ってやった。 ……今日の僕は、
……狭間さんは瞬きひとつせずに僕を睨みつけながら……
「……白樺さん……クラート“エシャール”ラフト……。 エンマ! リフテ! リフテ! エンマ! サーディ・エンマ! ロフテ! ラジェースト・ロフテ!」
……と、例の『指示』を白樺さんに送っている。
挾間さんが、指示を発する度に、僕の体に何かが
「ナメくん」……と、僕がナメくんに指示を出そうとした瞬間、狭間さんが僕の前に立ち塞がり、僕の顔に手を当てて……
「白樺さん……クロウ・エンデ、ザルティー『マキシマム』」……と呟いた。
……! な! なんて事だ!?
……狭間さんの手から何かが
狭間さんは今迄見せたことのない重苦しい表情で、僕に顔を近付け……
「……白樺さん……コール……トゥルク……ム」と言いながら、自らの唇を僕の唇に重ねた!
……狭間さんの唇は、柔らかいけど、冷たかった。
その感触に驚く間もなく、何かを口移しされた!
……く、苦し……い……
僕はそのまま、意識を失っていた。
……僕が完全に意識を失う前に、狭間さんは、上目遣いで言った……
「……なめないで」
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