73話 キャラクター紹介
最終章を目前に今さらですが主要キャラクター紹介をしてみたいと思います。
◎松島寛太/小田嶋麻衣
元の人格である松島寛太は30歳のしがないサラリーマン。
不慮の事故で失意のうちに一生を終えようとしていたところ、天使から「本気の願い事があるならば転生させてあげてもいい」と告げられる。思い付いた願いを述べるもことごとく認められず、唯一認められた願いはさして詳しくもない国民的アイドル「『WISH』のために一生を捧げる」というもの。
気付くと寛太は小田嶋麻衣(17歳・激美少女)として転生していた。当然恵まれたルックスを生かしWISHのメンバーとなろうと意気込んでいたものの、男性恐怖症が発覚し断念。マネージャーとして「WISHのために人生を捧げる」という約束を果たすことを選ぶ。
エース黒木希、次期エース候補の桜木舞奈のマネージャーを経て、24歳にしてメンバーに転向。遅咲きながら美貌と努力でセンターに上り詰めるかと思われたが、生来の性格なのか自分が前に出ることよりも誰かのサポートに回ることを選ぶ。
だがそこに一人の少女が表れた。小平藍。
彼女の登場により麻衣の運命は大きく展開する。
◎小平藍/小田嶋麻衣
元の小田嶋麻衣とは彼女のこと。
元々アイドルを密かに志していたが、その想いをクラスメイトたちに馬鹿にされて病んでいた。その時期に転生してきた寛太の魂が麻衣の身体に入り込んでしまい、元の麻衣の魂は弾き出される。宙ぶらりん状態となり天界に召された麻衣の魂だったが、一連の転生が問題だらけであることが発覚。元の麻衣の魂を現世に戻す際に作られたのが小平藍という人間だった。
小田嶋麻衣(odajima mai)o a i a a i/小平藍(kodaira ai)o a i a a i……2人の名前が固い韻を踏んでいることは賢明な読者はとっくにお気付きだよね。
ややエキセントリックだった性格は人間社会に馴染むに際してのご愛敬。麻衣とキスして自分が麻衣だった頃の記憶を思い出す。
◎神崎優里奈
ちょっとぶっきらぼうだけど優しい麻衣の親友。転生直後の不慣れなJK生活を送る麻衣を最大限サポートしてくれた、心優しく有能な才女。
……だと思っていたら人間じゃなかったんかい!
下級の天使?天界も結局は階級社会なのね。上級天使ちゃんの致命的ミスのケツ持ちを現地に来てやらされるブラック天界の悲しき労働者。
そういったストレスもあるので、麻衣に対してやや当たりが強いのも大目に見てやってください。
◎社長(高木真由子)
WISHの事務所の社長。国民的アイドルを抱えている事務所のボスなのだから相当な大物とも言えそうだが、イキの良い現場指揮官という感じは抜けない。作中で社長の本名が記載されているのもほんの数度しかない。
策略家のやり手でもあるが情にも厚い……という性格は矛盾しているようにも思われるかもしれないが、人を扱う仕事である以上、相手の心を掴まなければならないわけで、そう考えるとそれはどちらも必要な資質なのでしょう。
◎黒木希
WISHを国民的アイドルへと導いた功労者。初期の絶対的エース。
どんな時も完璧なアイドルをやってみせていたが、家族に本当に認められているのかという不安を抱えてもいた。しかし麻衣の機知によりその不安が解消してからは、より完璧なアイドルになった。
WISHを卒業し、現在はモデル・女優として活動の場をさらに広げている。
……希と麻衣がイチャイチャしていたのが筆者には遠い昔のように感じられます。
◎桜木舞奈
理想的アイドルの素直な良い子ちゃんだと当初は思われていたが、被っていた猫が剝がれてからは、いちいち麻衣に突っかかてくる生意気な後輩キャラに変貌。しかしそれも全ては麻衣に対する愛情と、自分こそがWISHを背負うのだという意気込みの表れ。
永遠の次期エースが本当にエースの座に就くことは割と稀なことです。彼女の真っ直ぐで努力家でファン想いな所をもっと描いてあげたかったと筆者は思っています。
◎天使ちゃん
いい加減な仕事しかしない無能が権力を握ることほどの悲劇は無い……という象徴的事例。全ての元凶。人の命を何だと思っているんだコイツは!何が天使だ!
……とは言っても権力を握っているヤツには逆らわない方が良いでしょう。生きてゆくためには真実を口に出してはならないのです。これを教訓としてください。
以上です。
次話から最終章です。ぜひ最後まで物語を見届けてあげて下さい。
(つづく)
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