おや、誰か来たようだ……

001 魔法の薬売り

「飲めばたちまち若く美しくなれる魔法の薬じゃよ」


 気泡ガラスの小瓶を見せて、訪問販売の魔女らしきババアが戸口で言った。


 シワシワのババアだ。濃い紫のローブもぼろぼろ。


「その薬、ほんまに効くんか。ババアが自分で飲んでみ?」


 ドアチェーンごしに言うと、ババアはきょとんとした。


「アッハイ……」


 そう言うてババアはごくごくとひと瓶飲んだ。


 数日後。また戸を叩く音がした。


「あの時、助けていただいた者です」


 戸を開けると美魔女が立っていた。


 それ以来、美魔女が私の家に住んでいる。


――完――

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