第15話風雲急を告げるの巻

 ―権俵家領地―


 権俵兵右衛門は領地の視察に出ていた。

 ここ数年は特に隣国との争いもなく土地の発展具合も気になった為の視察であった。

 農作物を見ながら、爺こと酒井主水と領地の発展について話す。


「爺、今年はこのままいけば豊作になりそうじゃの」

「えぇ今年の作物の育ち方を見るに近年稀に見る豊作でしょう」


 農作地から城下町へと視察先が変わり、城下町の様子を探る…城下町の人々も笑顔で活気が溢れている。この活気は、産業の発展させた兵右衛門の内政的手腕によるものだった。


「我が領地も随分発展した物じゃな…」

「そうでございますな…これもひとえに戦がなかったおかげですな…」


 兵右衛門と主水がしみじみと平和を噛みしめていると…兵右衛門の背後から気配がした。


「…む! 五郎丸か…如何いたした?」

「御館様! 東の山上主膳が我が国に向かって進軍中! その数およそ五千! 現在敵の軍の所在は山上領の山道! 後三日後には権俵領の森林地帯へと到達いたします」


「な、なんじゃと…五千じゃと…我が国も五千はおるがそれは守るべき場所も含めた上での数…これは不味いですぞ!殿…」


「…五郎丸! お前は山上の動向を探り、逐一知らせを寄越せ!」

「御意!」


 命を受け瞬く間に姿を消す五郎丸

 そして続けざまに主水にも命を出す


「爺! 城に急ぎ戻り人員を配し、城下町の民へ避難せよと触れを出せ!それと兵を纏めて戦支度をさせよ!わしもすぐ城に向かう!」





 こうして平和だった日常に暗雲が立ち込めるのだった…

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