転生したらサブキャラに恋をした

冬生佑花

第1話

ここは緑豊かな大地が広がる国、シュンカ。



四方を綺麗な海で囲われ、人々の絶え間ない活気と笑顔が馬車の中からでも見て取れる。



そしてその国を収めているのは人望厚く、若かりし頃は数々の歴戦の伝説を残した国王陛下。



そして4人の王子たち。


四男、シュウ・サーヴィン(14歳)

性格は泣き虫甘えん坊、実の顔は計算高く2重人格者。



三男、ユイ・サーヴィン(17歳)

物腰が柔らかいといえば聞こえは良いがNOと言えないお人好し。



次男、レイシ・サーヴィン(19歳)

国一番の秀才と謳われ国王の右腕として既に国政を担っているとか。



そして長男……




「お嬢様、お嬢様」



「なに?」



「エルシャーナお嬢様。もうすぐサーヴィン邸に到着されます。今一度、資料に目を通してくださいね」



そう言われて手元の資料にそっと目をやる。



屋敷を出る前に執事から渡されたサーヴィン家の子息の情報が描かれている資料。



こんな資料がなくともわたしはこの王子たちのことは誰よりも詳しいと断言できる。



それはなぜか……。



この世界は前世で私が寝る間も惜しんでプレイした「プリンスラビリンス」の世界だから!!!

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