14話 開始一分で折れるイベントフラグ

…俺は我慢したはずだった。

はずだったのに、俺のベットには玲が横にいる。

正確には俺に何も言わせずにベットに潜り込んできた。


「あのー玲さん?」

『なぁに?』

「これはいいということですか?」

『なにが?』

「何がって…そりゃ…全部言わせんなよ…」

『しーくんはきっとうーちゃんとおじさんが来て疲れているはずなのでもう寝てるはず』

「そんな…」

突然起きたイベントに、開始一分ほどで終了の鐘がなった。

『けど、私は物足りないから寝ているしーくんの横で充電するの…もしかしたら我慢出来なくてチューしちゃうかも…』

そう言って彼女は神仁の耳を食む。

「おい!玲!」

『寝言かわいい…はむ…』

玲は俺を寝ている風にしか扱わなかった。

普段見ない玲の一面で新鮮さはあったが、何もできないむず痒さと溜まり続ける欲求とで寝かせてはくれなかった。

「もう耳ふやけるんだが?」

耳舐めASMRを生ですると中々にむず痒い。

『しーくんは私のどこが好き?』

「どこって…寝言だし言わなくてもいっか」

『え?しーくん⁈』

それから俺は狸寝入りを決め込んだ。

小一時間すると玲は寝てしまったので、仕返しとして首筋にキスマークを付けてやった。

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