第117話 女子高生(おっさん)の修学旅行①日目~『女子部屋』


〈PM20:30 女子部屋〉


 存分に女子高生達の裸を堪能したあと、夕食に舌鼓をうったのち──遂にメインイベントの一つ……同部屋女子との百合時間へと時は刻まれた。


「ヤバいマジ広くね!? これ修学旅行で泊まる部屋じゃないっしょ!?」

「……な、なんで私達だけこんな豪華なお部屋なの……?」

「……本当よ、修学旅行でデラックススイートなんてありえないでしょ……」


 一日目同室の三名……ミク、エナ、ヤソラちゃんは驚嘆する。かくいうおっさんも事前に話を聞かされいても尚……驚く他なかった。

 教師たちによると……資金が潤沢になったのは俺(アシュナ)のおかげであり、還元して良い部屋に泊まってもらうのは当然であるということ。

 生徒達から反感を招かないかという心配も……『生徒達も当たり前のように同調してくれた』らしく何も心配いらないらしい。


(訓練されすぎでしょみんな……おっさんは別に雑魚寝部屋でも構わないんだけど……まぁ、ミク達も喜んでくれてるみたいだしいいか)


 修学旅行ではあり得ない……全チャンネル視聴可能の薄型テレビでえっちな番組も見れるかと色々試してヤソラちゃんに怒られたり、ネスプレッソマシンで優雅にコーヒーを堪能してたりしてはしゃいでいると、あっという間に消灯時間を迎える。


「──じゃあー……アシュナっちの『お楽しみ』の時間だね……電気消すよ……?」

「……お楽しみ……?」


 一人、事情を知らないヤソラちゃんを余所に、待ってました!と声に出して俺はベッドインする。プレゼン時にミクが提案した『裸マッサージ』の時間である。


「もう、そんなに喜んでたらブッチできないじゃんかー……あはは、アタシも本当は恥ずかしいんだかんねー」


 灯りの消えた暗がり──月夜が照らす僅かな光のみが瞳の光源……しかし、そこには確かに着ていたガウンをゆっくりと布団へと下ろし、艶(なまめ)かしい半熟の肢体を晒すミクの姿が存在するのをはっきりと捉えた。


「ちょっ……なにやってんの三久さん!?」

「ヤソっちゃんは寝てていーよ……これはアシュナっちとの約束だかんさー」


 その言葉に続くように、いつもは直接的なえっちに否定的な堅物少女のエナもジャージを脱ぎ捨てた。


「ああアシュナちゃんとの初めてのお泊まり初めてのマッサージ初めてなんで優しくしてくださいお願いします」


 若干(相当)、緊張して混乱しているエナは下着姿でおっさんの横に寝そべった。未成熟な身体は、まだ中学生なのではないかと疑わせるが……敢えて言おう。それがいいんです、と。


「ほら……アシュナっちも脱がなきゃ……」


 多人数プレイ──それは男であれば誰もが夢見る魅惑の遊戯。中年と……僅か16,7歳の女の子達との交わりの刻。

 しかもおっさんの身体は女の子のため、BPOに対する『この作品の登場人物はみんな成人です』と無理矢理な注釈も必要ない。


 嗚呼、素晴らしき哉……TSタイムリープ。百合の楽園。


「ちょっと! なにみんなで当たり前のように……えっと……みんなそっちの気があるってこと……?」


 その光景を見ていたヤソラちゃんが耐えきれなくなったのか口を挟んだ。


「ウチはそんな事ないけどー……なんかアシュナっちだけは特別っつーか、だってこんな綺麗なの目にして我慢できるわけないじゃん」

「わ……私もっ! 別に女の子誰でもいいってわけじゃなくてアシュナちゃんだからっ……!」

「そーそー、それにアシュナっちってなんかたまに男なんじゃないかって錯覚する時あんだよねー挙動おっさんくさいし……あはは、こんな美少女掴まえて失礼だけどさー。ヤソっちゃんもすぐわかるよ」

「………お生憎様、興味ないわ……っひぃっ!?」


 突如、話をしていたヤソラちゃんが幽霊でも見たかのような悲鳴を挙げた。布団を頭から被り、震えながら出した指先は天井──そこから女の子が逆さに頭を出していた。


「ぅおわぁっ!!!??」

「「きゃぁぁぁっ!!!」」


 一人だけもろにおっさんみたいな悲鳴を出してしまうと同時に、ミク達も連(つら)れて驚愕する。


「失態、見られた。アシュナ嬢、失敬」


 どこかで聞いた声かと思い、よく見たらSPのカザカちゃんだった。

 唯一、解答を得たおっさんだけが、それ故に恐怖から逃れられたが……事情を知らぬ皆の衝撃は収まらず──おっさんに皆がくっついて眠るという大ハーレムを巻き起こして……思わずカザカちゃんにグッジョブをした。




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