天井の星
@kyamchan
プロローグ
忘れられない夜があって、とても眠れない夜があって、孤独からひどい不安感に襲われる。彼の匂い、彼の手、彼の照れた顔を思い出す。それは私を眠れなくさせるには十分な記憶だ。
戻りたい。
そんな願いはもう星に祈ろうとも叶わないことを私は知っている。
私は彼のことを何も知らなかったのだ。知っていることは彼の下の名前と、彼の住む街と、彼の仕事と、彼の身体と体温しか知らない。彼は私のことを私が彼のことを知っている以上に知っているだろう。
私達がともに過ごした期間はとても短く、それでも私にとっては未来への希望だったのだ。
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