第6話
「では、行きましょうか」
にっこり笑い、心の中では今すぐ会いたくてたまらないあなたのことを想う。
ゆっくりと立ち上がると亮介さんが扉をそっとエスコートしてくれる。
「……本当にいいんですか?みちるさん」
「何が、ですか?」
亮介さんは真剣な眼差しでわたしをただただ見つめる。
「この結婚です。よく考えてください!みちるさんみたいな素敵な方があんな我儘でオレ様で自己中心的な男と結婚するなんて僕は反対でっ!……痛っ」
亮介さんが言いかけた途中で扉が勢いよく開いて亮介さんの頭に思いっきり衝撃が走る。
「亮介。誰が我儘で俺様で自己中心的な男だ、素敵なお兄様の言い間違いだろ、あぁん?」
扉を開けて入ってきたのは、わたしと同じ純白のタキシードを着たあなた。
「ほら!みちるさん!こんな凶暴な男と結婚なんて、考え直すなら今ですよ!」
「うるせぇな。だいたいてめぇなんでみちるの控え室にいんだよ?」
あぁ、また始まった…宮坂兄弟恒例のの兄弟ケンカ。
顔を合わせるといつもこう。
こんな日まで兄弟ケンカしなくていいのに。
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