「夜に吠える」
暗い天空に
日付が変わろうとする時分。
レマレダールの街に群がる
そんな中、九階相当の高さの
どういう原理でそうなっているのかニコルは理解していなかったが、深夜にも
長い大鉄橋に沿って点々と灯されたランプ以外は、月明かり以外の光源を持たない世界が、ニコルの目でもモノの
「――――――――」
夜の
「便所に行っている時に相手が
動かなくていい姿勢だが、反対に動いてはならない姿勢でもあり、
この夜に来るだろうという
連中がこの数日でどこかを
ゴーダム公の言が正しければ、数日間は『幻の盗賊団』による
「
早く食い付いてこい、今夜にお前たちが現れなければ、仕切り直しになってしまう。
こんな
「来い……今夜のうちに……できれば、今すぐ…………」
敵の姿が見えたら花火に点火し、この
そしてこの塔を一気に
「…………!」
橋の上を笛が鳴るような音を発して
この数時間、
「て…………」
声を発した時には、ニコルの尻が敷いていた毛布から離れている。階段の
「敵だ!!」
ニコルの
ニコルの
◇ ◇ ◇
真っ青に
数秒あって大きな花火が
「――とうとう
街道からやや離れた
「『幻』の正体を暴いてやろう。『幻』が『幻』でなくなればただの盗賊団だ。
足元に置いてあった
「では、『
兜の
◇ ◇ ◇
深夜のレマレダールの街は
ゴーダム公爵領の全土で『敵見ユ』の合図とされている紅い
街の防衛部隊が叩き
「敵だ! 橋に盗賊団がいる! 街の
鎧を着る時間もなく、
「あんたは!?」
橋を
「ゴーダム騎士団の者です!」
小屋のような建物に
「
「橋の半ばで立ち止まっている!」
前哨施設から真昼以上の明るさをもたらす
「なんて騎馬の数だ。一気に
「
そこまで言ってみて、ニコルははっと思い返した。
ゴーダム公は言っていた。公爵自ら指揮する
『そこは
ゴーダム公はそう言って笑っていた。百騎の賊を
「あるのであれば、
橋の半ばから視線を遠くに向けたニコルの予想は、当たった。
盗賊たちの退路を
『お前があっと驚く部隊が用意されている』
その言葉の本当の意味を知って、ニコルは思わず絶句することとなった。
「――盗賊団の諸君!」
三百メルト以上、千歩以上の
もちろん、ニコルたちよりもよほど近い盗賊たちははっきりとその声を聞いただろう。
音に
「私の名は、エヴァンス・ヴィン・ゴーダム公爵。言うまでもなく、ゴーダム公爵家の当主である! そなたたちの姿を追い求めて
橋のたもとに立っている
その姿と声に、ニコルは本当に
盗賊団に対し橋のたもとで
「ここから先は通さん――通りたければこの首
鉄の装甲の塊を
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