第2話 2回目
あれ、死んだはずなのに
また生まれてきている。
前世の記憶も明確に残っている。
これは生まれ変わりなのか?
転生なのか。
しかし、
明らかに親も違うし、時代も違う。
学生になった自分は
前世との大きな違いに気づいた。
それは、
テストで満点しか取れなくなった事だ。
全て簡単に記憶してしまうし、
理解出来てしまう。
前世であれば、
何度復習しても記憶出来なかったのに、
今は、何でもすぐに理解出来る。
まだ教わっていない数学も自分で回答出来てしまう。
前世と比較し、
頭の回転速度が2倍以上にはなっている。
順調に歩みを進めた僕は
天才数学者と呼ばれる立場となった。
テレビや雑誌の取材もたくさん来た。
天才、天才、天才と言われ、
最初はとても嬉しかった。
前世では経験出来なかったことだったからだ。
でも、
満たされることは無かった。
何故なら、
自分自身が生み出した公式を発表しても、
周囲は理解をしてくれなかったからだ。
宇宙の解明をしても
誰もそれを分かってくれない。
これでは、頭が良くても意味無いじゃないか。
天才になっても意味ないじゃないか。
分かち合う事が出来ないのなら。
頭良くなりたかったけど、
頭が良くなったらなったで
苦しみも同じだけあるじゃないかよ。
その状況に耐えきれなくなった僕は
生きる希望を感じることが出来ず
うつ病になり、自殺した。
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