山上三津留登場

ピピピ ピピピ アラームか鳴った。

「早く起きなさい三津留。会社遅れるわよ」

母の声だ。

「わかったよ、今起きます」

僕ーー山上三津留は、三十一歳である。まだ親元を離れることができない一人の会社員である。親にはまだ嫁がいないと言われ、心配されている。今僕を起こした人は、僕の母ーー山上美津子である。母は、僕の面倒をよく見てくれる。母は今、六十五歳である。しかし僕がいつも迷惑をかけていることに情けなく思う。いつも「独立しなきゃ」と思っているが、後一歩のところで逃してしまう。周りからはよく鷹と言われる。なぜかというといつも肝心なところで逃してしまうからである。僕はベットから降りて、リビングへ二階から階段を降りて向かった。

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