告白の延長戦上
勉強を教えてと友達に頼まれたので、好きな人を紹介することにした。
彼とは週に一度、図書室で勉強会をしていた。
といっても、成績の悪い私に彼が勉強を教えてくれる形だけど。
「今日は友達をお願いしたいの」
一方的に告げて、逃げるように図書室を後にする。
振り返った時に見えた、彼の睨むような視線が怖かった。
*
あいつ教えるのへたすぎ、と友達から夜に連絡が来て。
翌日、早めに登校すると既に彼が自席に座っていた。
「なんだよ、昨日の」という説教から始まった彼の話は、チャイムが鳴る寸前まで続いた。
「つーか俺、人に勉強教えるの嫌いだから」
「え? でも私は」
「好きじゃなきゃ教えてねーよ」
「……え?」
「は? あ、違っ……違わないです」
しまったぁ、と顔を赤く染めた彼が項垂れた。
困惑で呆然としていたが彼の赤い耳を見て、慌てて口を開く。
「私も」
好きと言おうとして、チャイムが鳴った。
告白の延長戦は、放課後。
今日、臨時勉強会でもしない?
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