第17話 悲劇のtrace

第17話 悲劇のtraceトレース


5月21日、時間は午前9時。ノーザンベースに向かって歩き出し4時間が経った。道中海があるためリュール達は船に乗る為船着場で待っていた。待っている間、ノーザンベースについて話していた。


「今回、調査に行くのは一番被害の大きかったとこだよな?何か情報はないのか?」


「あるけど・・・なんでも森を抜け出し町を襲ったらしいし、亡くなった人の数もダントツで多かったそうだよ。」


「そうなんだ・・・なんか怖くなってきた。」


「そこに現れた極魔獣についての情報は、余り多くなくて、鉤爪で色んな物や人、動物達を切り裂いたってのと、物凄く素速いって事だけらしいよ。」


「じゃあ、能力とかは分かってないのか・・・高速移動が能力なのか・・・」


「でも、もう捕らえられてるから危険はないぞ。」


「そうだよ!だから頑張ろう!お兄ちゃん、ザザ。」


「俺は元からやる気あるよ!」


「フフフ。あ、ごめん。僕も頑張るよ。」


「おい、船が来たぞ。早く乗るぞ。」


「う、うん!」


そして、3人は船に乗り込みノーザンベースに向かって行った。

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リュール達が船に乗った同時刻、霊光れいこうの間で


「クロノス様。よかったのですか?彼らをノーザンベースに向かわせて。」


「ん?大丈夫だ。今、あの場にはNo.4はいない。その代わり少し強力な魔獣をからな。」


「・・・なるほど。そうでしたか。」


「ああ、カリバーよパラドクスにノーザンベースに奴を向かうよう伝えてくれ。後、使い捨てても構わないと伝えてくれ。」


承知しょうち。直ちに伝えて参ります。」

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 リュール達がノーザンベースの港に着いたのは午後2時頃。街は静まりかえって人の気配は全く無かった。街並みもまだ復興ができてないのか、家の残骸や崩れたレンガ壁、道に付いた血の跡が残ったままだった。


「ウソ・・でしょ・・・こんなに被害が大きかったなんて。」


「・・・これをやったの?」


「・・そうみたいだな。こんなにとは想像できなかったが・・・恐ろしいな。」


「・・・ねえ、あれがあいつの残した痕跡なのかな?」


「これは・・・爪痕?10本あるけど・・」


「・・・ん?これなんか焼き切るっていう感じの能力なんじゃないか?ほら、ここのとこが焦げてる。」


3人が道に残された爪痕を見て能力について推測していると、後ろから


「旅の者ですか?」


「うわぁ!」「きゃあぁ!」「え!うわぁ!」


3人が驚きながら後ろを見ると、立っていたのは髪の長い一人の女性だった。

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