【味覚創造】は万能です~神様から貰ったチートスキルで異世界一の料理人を目指します~

秋ぶどう

第4章 ポーション監修編

第112話 順調な営業

皆様お待たせいたしました…!

前回の投稿から二カ月以上が経ってしまいすみません!

私事で何かと立て込んでおり、執筆に時間がかかっておりました。

本日より開始する第4章ですが、更新頻度は不定期となる予定です。

無理のないペースで更新するため、皆様にはご不便をおかけすることになりますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします…!

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「「いらっしゃいませ!」」


 カフェラテ姉弟の挨拶と共に、今日もグルメの家は開店する。


 店を現在の場所に移転してから、気付けばもう二カ月。


 ホール担当の姉弟&ツキネ、カクテル担当のビア、装飾担当のフルール、テイクアウト担当のクービス――皆それぞれ懸命に働いてくれて、店の営業は順調だった。


 店内飲食の繁盛はもちろんのこと、テイクアウトも広く認知され、連日の大行列が絶えない。


 また、新商品を希望する声も絶えないため、先日新メニューの『照り焼きバーガー』を追加した。


 以前、ハンバーガー祭りを開いた際に出したメニューを改良したもので、お客さん達の反応も上々だ。


 それ以外のメニューも相変わらず好評なので、折を見てさらなる新メニューを追加しようと思っている。


「んー、次は何がいいかな……」


 注文がない空白の時間に、次なるメニューを考えてみることに。


「バーガー系は偏りが出るし、パン系の何かかな。甘いタイプのパンとか?」


 現状、スイーツ系のテイクアウトメニューはバタークッキーだけだし、菓子パン等はどうだろうか?


 そう考えてぶつぶつ言っていると、カクテルを作り終えたビアが俺のほうを見る。


「ねえねえ。それなら、パン・オ・ショコラとかどう?」

「たしかに。いいアイディアだな」


 パン・オ・ショコラ。クロワッサン生地とチョコの相性がたまらない、フランス生まれの菓子パンだ。


 料理コンテストの転写練習で振舞って以来、時折おやつとして出しており、従業員の皆にも人気の一品だった。


「パン・オ・ショコラなら魔力もそんなに使わないし、今度調整してみよう」

「やった! 味見役は任せて!」

「ん。いくらでも味見する」

「はは、その時は声をかけるよ」


 張り切るビアとすかさず反応したフルールに笑いつつ、俺は食器棚を整理する。


「――キュキュ!」

「お、ツキネ。ありがとな」

「キュウ♪」


 注文票を咥えてやってきたツキネを撫で、軽く手を洗った後、注文にあった胡麻ドレサラダと味噌スープを作成する。


「フルール」

「ん」

「ビア、カクテルも注文にあるから準備頼む」

「オーケー!」


 フルールに作った料理を渡し、ビアに注文票を見せる俺。


 最近は以前にも増して厨房内の連携が高まり、心身共に余裕を持った作業ができていると感じる。


 カフェラテ姉弟とツキネのトリオも上手く機能していて、それぞれが厨房にやってくる頻度もバランスが良くなった。


 唯一、クービスだけがワンオペの形となっているが、ピークの時間帯はカフィかラテの片方がサポートに回ってくれるため、負担なく働けているらしい。


 料理人なのにテイクアウト業務で大丈夫なのかという思いはあるが、クービス的には学ぶことも多いようで、むしろ楽しそうにさえ見える。


 また、彼は一応俺の弟子でもあるわけなので、テイクアウトは営業時間の8割ほどをマックスとし、残り時間は厨房に入ってもらっていた。


 弟子として作成中のレムル――異世界風オムレツもいい感じに仕上がってきており、来週あたりから試作品としてお客さんにも出す予定だ。


 先日そう伝えたところ、大いに喜んで一層仕事に熱が入ったようだった。


「俺もまた何か試作してみようかな」


 テイクアウト窓口で忙しなく働くクービスの姿を思い描きながら、俺はポツリと呟く。


 パン・オ・ショコラの調整はもちろん行うが、店内飲食用のメニューもそろそろ新作が欲しいところだ。


 この頃は魔力量にもますます余裕ができ、店の運営も理想的な安定状態に入っている。


 俺も現状に満足せず、積極的に試作していくべきなのかもしれない。


「そうだな……」


 パエリアの人気で新たな魚介メニューを望む声が上がっているし、既存メニューの魚介アレンジなんかはどうだろう?


 もしくは、豚の角煮やチキン南蛮等に並ぶ日本食メニューの追加とか?


 いろいろとできることはありそうなので、週末にでも皆と相談して検討したい。


「あ、でもそうか。今週末は……」


 俺はふと、今週末に入れていた予定を思い出す。


 テイクアウトメニューに追加するドリンクメニューの関係で、魔道具職人の店を訪れることになっているのだ。


 まずはそちらの問題を片付けたいので、新メニューの考案はその後になる。


「よし、そろそろ作るか」


 俺は笑って呟きながら、メイン料理の作成に取りかかるのだった。

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