第51話 合流

 シロの言った通り、直ぐにマース達と合流した。


 俺達が襲撃を受けていたと伝えたが、マースは、

「クーンさん、こちらは大丈夫でしたよ。それと、モフを含め五体のテイムを終わらせていますが、そちらのお二人に従魔契約の変更を実行しましょうか。そうしないと残りの従魔契約が出来ません。」


 まだ数体が倒れたままだ。

 マースの話によれば、危ない個体からテイムをした様だ。

 危ないというのは、死にかけている、という意味でだ。


 5体のわんこがこちらを見ている。

 そしてフロリーナとヤーナも、5体のわんこをそれぞれ見ている。


 うーん、見た所どのわんこもモフモフだし、差が無いように感じる。

 だがまだ怪我が酷いな。

 フロリーナに回復してもらった方がいい?

「なあマース、わんこの怪我、フロリーナに治療してもらった方がいいのじゃないか?」


 俺はその方が早いと思ったから提案したんだが、ここで意外な事にマースから強く反対された。

「絶対に駄目です!」

 何で?

「どうしてだ?」

「既にテイムした個体は問題ありませんが、まだの個体はいけません。場合よっては治療した瞬間襲われます。そして同士討ちが始まります。」


 今は怪我が酷くて行動不能。

 しかしそれが治れば・・・・らしい。

 じゃあテイムを終えたわんこにだけ。

『主よ、それよりも主からテイマー経由で魔力を供給すればあっという間に我等自身の能力で怪我は治るぞ。』


 因みにモフの時は一体だけだったので、マースの魔力で直接回復したようだ。

 マースはシロをテイムした時、急激なレベルアップがあったおかげで魔力が大幅に増え、モフ一体程度であれば問題なかったようだ。

 だが4体では勝手が違う。

 そして俺の魔力総量は膨大で、マースの数十倍あるらしい。


 これって俺の魔力が多いのか?

 それともマースの魔力が少ないのか?

 まあそんな事はどうでもいい。


 俺はシロに促されるがまままず2体のわんこに触れた。

 すると魔力が吸われ、わんこたちはあっという間に回復した。

 同じようにもう2体に対しても同じように手で触れ、わんこ達に魔力を吸われ、あっという間に回復。


 俺は少しふらついたが、何故かヤーナが支えてくれた。

「だ、大丈夫か?」

「ああ、ありがとうヤーナ。で、どのわんこを選ぶんだ?」

 ヤーナは何故か複雑そうな顔をしていた。

「わんこって・・・・本気で言っているのか?だが・・・・どの子でもいいのか?」

「ああ、だが一体だけだぞ。」

「では・・・・この子がいい。」

 どうやら相性があるようで、ヤーナもフロリーナもそれぞれ既に意中のわんこを決めていたようだ。


「クーンさま、私はこの子でお願いしますわ。」

 主従契約でいいのかな?変更時にわんこの名前の変更が可能だったようで、2人はそれぞれ命名しなおしていたようだ。


 次はニールスにい達だ。

 そろそろ平原に戻ろう。

 きっと待たせてしまっているな。

 2体のテイムが出来る様になったので、マースは早速新たなわんこをテイムしていた。


 その間に、テイムした全てのわんこと共に戻る事になった。


 ニールスにい達をここに連れてこなくてはいけないので、シロにまた犬車?台車を曳かせ、ニールスにい達全員台車に乗せられたらいいけれど、恐らく無理。

 なのでモフを含め5体のわんこにそれぞれ分乗してもらい、戻ってくる計画だ。


 ティーデとヒセラ、セバスチャン、ニールスにいとそのパーティーメンバー。

 全部で9人。

 雲外蒼天はニールスにいを含め、6名パーティー。


 そして俺にフロリーナ、そしてヤーナ。あ、マースもいるぞ。

 おお!13人。

 いいかん!一人あぶれるじゃないか。

 わんこは12体なんだよ。12匹?

 これで一人だけ駄目ってなると問題があるからな、どうするか。

 そうだ、セバスチャンに馬を預けている!

 セバスチャンには馬で我慢してもらおう。

 その後別の魔物・魔獣をテイムし渡せばいいだろう。何でこうなるんだ?

 馬があるだけでも贅沢なんだからな。


 で、俺を含め10名をここに連れてくる必要は・・・・あれ?ないな。


 だが折角だから全員連れてこよう。


 こうしてやフロリーナとヤーナの従魔となったわんこも動員し、再び平原に戻る事になったが、今度は襲撃ってないよな?



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