第8話 隣人2

キー・・・バタン!

音をたてて閉まるドア

その向こうに藤井さんはすでに休憩のため

防護服を半分脱ぎ

顔の装備も外していた

そしてお隣さんのドアを見ていた

「あの?」

そういうと振り向き

「おう!」

と軽快に返事を返してきた

そして

「どうしました?」

何となく俺もお隣さんのドアのほうをみて話す

「あ、いや、そのお隣さん?ドアの隙間から覗いてるみたいだったから・・・」

「そうなんですか?」

お互いに目線をドアに向けて話す

すると

キー

と小さく音をたてて

ドアが薄く開く

そして人の顔がそれを追いかけてついてくる

「「・・・」」

お互いに黙ったまま見ていると

「「「!!」」」

目線があった

すると同時に

キーーーー

とドアは全開し

「あ~昨日のおにさん!よかった・・・」

そういうとほっとしたように顔を出す

「どうも」

と会釈をする

藤井さんも

「お騒がせしています」

と同時に会釈した

「気にしないで、お疲れ様だね~」

さっきとは打って変わった雰囲気でこちらに歩み寄る

その姿に多少の困惑をいだいたのか

「あの?うるさかったですかね?」

と藤井さんが気を使ってたずねた

「いやいや、そんなことはないよ!昨日のおにいさんじゃなかったから誰だろうってね」

「そうでしたか・・・」

そういって言葉を少し濁す

藤井さんはたぶん昨日の俺と同じ

あまり個人情報をださないように話題を切ろうとしたのだろ

しかし

「今日は二人なんだね~」

と話を続ける

その様子に

藤井さんはこちらをむき

なにか話したのか?

というような顔をする

それに対して

「あの、こちらの方が今回この部屋の事態に気づいた方で・・・」

というと

「そうそう、私が通報したの!それにおおかたのことは知ってるから大丈夫だよ!」

とおばちゃんはつづく

「なるほど、そうでしたか」

藤井さんはそう相槌をうちながらも

自分からは話題はふらない

その中

「いやね、ここの人ね・・・」

と昨日俺に話したようなことを話始めた

その話に藤井さんは「へぇー」とか「そうですか」など

短く話をきろうとそこまで話題についていかない

それにおばさんも気づいたのか

「悪いね仕事の時に」

と話を終わらせようとしていた

昨日のように声がするなどという怪談のような話はせずに

「いえいえ、こちらこそお騒がせすると思いますが」

と藤井さんは頭を下げる

「お仕事頑張ってね」

おばさんもそういって話を切り上げて部屋に戻ろうとする

すると

「あ!」

といいながらこちらを向く

「そっちの昨日のおにいさん!昨日夜、この部屋に戻ってなんか作業でもしてたかい?」

「え?」

突然の質問に驚きながらも

「いいえ、夜は近所の迷惑になるので作業はしなんですよ」

と丁寧に答えた

すると

「そうかい・・・」

と怪訝な表情を浮かべながら沈黙する

「あの?なにかありましたか?」

「いや、私の勘違いだね!うん。」

そういってドアに向かった

そしてキーっと鳴るドアを開き中へと帰っていた

そのあと

「すこし離れるか?」

と場所を変えて休憩することに

そして

「いや~やっぱり興味あるのかね?ご近所さんは」

少しあきれたようにいう

「あはは・・・」

その言葉に苦笑いで返す

「特におばちゃんは結構話すし聞きたがるからな~。個人情報ってものがあるんだけど」

すこし疲れた様子で話した

「そうですね」

「あ!君話してないよね?ここのこと?」

「はい、自分から話してないです」

「そうか・・・ならいいけど、ずいぶん詳しかったからあの人・・・」

なんとなく疑われたことに内心怒りを覚えながら

「なんか、大家さんから聞いたみたいですよ?」

「あ~なんか言ってたな~」

「あと、以前からここのかたは面識というかなんというか・・・」

「ああ、なんか気味が悪いとか言ってたな。」

「はい、なんで、ここの方が生きているときからいろいろ知ってたんじゃないんですかね?」

「なるほどね~」

と納得したのか持ってた飲み物に口を付けた

それからは今日の昼の相談をし

「よし!じゃ、あと少し!頑張るか!」

と気合を入れる藤井さんに

「はい」

と返事をかえしまた準備をする

そして部屋に入るとまだまとまってないゴミや

タンスの中身、そういった細かいの作業を行っていく

すると時間はあっという間に過ぎ昼になった

二人は手早くコンビニに入り

食事を選びでていく

正直、この匂いで店内はうろつけない

そして選んだものを手に休憩へと入っていった

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