④ー③ お母さんのやりたいこと

「ひろ、それに日奈先輩、今から何をやるのか、私から説明しますね。」


……優奈さん優奈さん。『広葵先輩』って言ってほしいんですけど。

……いや、確かに前に、『ひろ』って呼んでほしいって言ったかもしれないよ?でも、何て言うか、やっぱり、『日奈先輩』って、日奈が呼ばれているのに、俺が『ひろ』だと。……ねえ。


「今から、私たち三人で、勝負をします。……誰が、一番面白い、ひろとの思い出を語れるか。」


……それって、この場に俺がいる必要ある?これ、確実に俺だけが恥ずかしい奴じゃん。俺以外三人は、すっごく楽しいけれど、俺だけめっちゃ恥ずかしい奴じゃん‼


「……う~ん。でも、私、ひ~くんとの思い出で、面白い話ってあるかな~。……あまり思いつかないんだよね。」


よし、いいぞ日奈、その調子だ‼


「……そうですか。日奈先輩は、ひろとあまり関係が深くないってことですね。……ひろとの思い出なんて、話したくないんだ~。私、別に面白い話限定とは言ってないんだよな~。」


……さすが優奈。こういう時の切り返し方をよくわかっていらっしゃる。


「ううん‼別にそんなことないもん‼私、ひ~くんとの素敵な思い出、皆に話したい。……面白い話ではないけど、すっごく話したい‼」


……ああ、日奈さん乗っちゃったよ。

はぁ。俺、この場にいなきゃいけない⁉

……眠いんですけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る