「いい子」になろうと演じていた私。


そんな小学校生活も無事に終わり、私は中学校に進学しました。

地元の中学には進学しなかったため、厳しかった習い事に時間を割くことが難しくなり、段々と厳しい家庭での生活は柔らかくなっていきました。


当時の私は、「ラッキー!」と思っていました。それと同時に、地元から離れた学校に進学したことで、「自分で色々なことを選択することが多くなるのかもしれない。」とも思いました。

幸い、友人はすぐにできました。遠方から通っていたこともあり、遊ぶ機会は少なかったですが、それでも部活動や生徒会活動で多くの人と関わりを持ったり、ピアノも適度な距離感を保ちながら楽しんだりすることができました。



そんな中、私は「人と接する時、凄く疲れてしまっている自分がいる」ということに気づきました。そして、また小さい頃と同じように「いい子でいよう」と思い行動している自分がいることにも気づきました。

気づいても、自分ではあまり変えることはできませんでした。生徒会では「先輩に対して忠実にしなければ。」という思考は変えることができず、「先生にも最大限の尊敬を持たなければ。」という思考も存在し続けました。それは、私が小さい頃、「親には逆らえない」または「先生の言うこともよく聞かなければ」という思いをずっと持っていたからでした。


自分の言いたいことを我慢し、そのまま「いい子」を演じて生活していた私は、いつしか自分を失って日々を過ごしていました。

そして、「素直に自分を出して生活する方法」も、分からないままでした。



そんな中学校・高校生活を過ごした私は、いよいよ大学生になります。

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