二話 「……見せてくれてありがとう! ありがとう‼︎」
お昼はうどん屋を見つけて食事を済ませて、スーパーに立ち寄った。
桜が必要だという調味料を次々と買い物カゴに入れていった。
「それで仁。今日の夕飯は何がいい?」
「えっなんでもいいの?」
「うん。頑張るよ!」
「……ハンバーグが食べたい」
「ハンバーグか……」
桜が手をクネクネと動かしていた。
「……」
「なにその手つき?」
「え? ……イメージかな」
「あぁ、こねるのね」
家庭科でやったがあんまり覚えてないけど確か肉をこねるて焼くとかは覚えている。多分作り方のイメージかな。
「あんまり覚えてないから料理が出来る桜は凄いと思うよ」
「……いや」
なぜか桜が顔を赤くなっていた。
「ハンバーグの作り方でお肉をこねこねしてたら仁のお尻が思いついた」
「……」
なんで料理から尻になったのかな?
「すいません。夕飯、美味しいの作るのでなの触らせてください」
「……まあ、うん。素直だな」
謝っていたはずなのに、後半からは桜の欲望なものが聞こえた。
「うん。仁と恋人になれたと実感してから言葉が出ちゃう……」
「……」
俺も桜とこうして恋人になれたから想像してしまうし。それを言ってしまうかもしれない。……うん。言うかもしれない。
「それなら、しかたがないか」
「……うん」
そのまま買い物カートを押しながらハンバーグの材料を買った。
◇
「……あぁ!!」
調味料なとが入ったビニール袋をそれぞれ両手でアパートまで持っていて腕が悲鳴を上げていて、桜がドアを開けて中に入った。
「あぁ!」
玄関に着き一時的に荷物をフローリングのところに置いた。
「あぁ……」
腕がつる。
「お疲れ様。ありがとう。じゃあ仁のためにハンバーグ作るね!」
「あぁ、ありがとう」
再度荷物を持ち上げて部屋に入っていく。
まだダンボールが山だらけで何もないのは今現在生活出来そうになかった。
「……ダンボール片付ける?」
「そうだね。夕飯の準備するには時間があるから中身を片付けちゃお。二人の方が早めに終わっちゃうしその分生活するのが楽になるよ」
「そうだな」
ダンボールの中身を開封して服とか食器を棚の中に収納し。
まだまだ残っているがあらかた片付けられて空箱が沢山、出来ていく。
「えっと次のは……」
次に取り出したのは衣類+、桜の字で書かられたダンボールだった。
あぁ服か。
さっきダンボールで開けたのも服だったしまあ、問題ないだろう。
俺は躊躇なくダンボールの中身をカッターで空けて開封した。
「よっと」
開けた瞬間。服と端っこの方に小さく丸まっているのがあった。
「なにこれ」
触ると手触りサラサラとしている。
ハンカチかな? けどこんなに必要か? 丸まってるなんて使いづらいだろうになんで丸めて……。
「……っ!」
手に持って見てみるとキャラクターが描かれていた。
「これって絶対にあれだよな……」
これは見覚えがある。
前に桜の家で遊びに来た時のことだ。
一応は声はかけて中に入ったのだが着替え中の桜がいてそこに描かれていたのはこのパンツだ。
「……これら桜のパンツだ」
やばいどうしよう。彼女の下着なんか見れるのは嬉しい。嬉しいが流石に怒られるのじゃなかろうか?
よく漫画とかラノベではそこでビンタされているシーンがあるが……。
「ビンタで済むなら仕方がない」
これは不慮な事故だから仕方がない……。
ずっと眺め……眺めてたい! 気持ちはあるのだけれど桜の元に届けに向かった。
「桜、この服ー」
桜の方に向かうと、一枚の布を取り出しずっと眺めていた。
「……あぁ! 仁の下着だ、どうしよう最高に嬉しいどうしよう!」
あれって俺の下着だよな……。
物凄い凝視で見ていた。
「仁の下着なんて堂々と見れる機会ないから嬉しい!」
「それは嬉しいんだけど……」
「んなななぁ! 違うの! ……見せてくれてありがとう! ありがとう‼︎」
なぜかお礼を言われた。
「仁は何しに……あっ」
俺の手元にあったのを確認し納得していた。
「あぁー。仁は私の下着で興奮した?」
「……した。めちゃくちゃ嬉しかった。です」
「そっか……見せてくれてありがとう」
「いや、まあ。こちらこそ嬉しかったです……」
お互いのダンボールを取り替えて作業をした。
……桜の下着ピンクが多かったな。
その後は整頓が速くなっていたのと途中から作業が止まってしまいまた作業が速くなってまた、桜のパンツを考えて止まってしまう繰り返しだったのは言うまででもなかった。
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