08:Again

山下さんに着いて行くと

「着いたよ」

え、ここって

「ラーメン屋さん。今話題で行ってみたくて」

この前、優依と来たラーメン屋だった。

「へ、へえ……」

女子達の話題って共通なのか

「じゃあ入ろっか」

「う、うん」


扉を開け店に入る

「いらっしゃいませー!お、兄ちゃんまた来てくれたのかい?」

「え、ええ。まあ」

このテンションに合わせるのは疲れる

「何食べよっかな〜」

山下さんは、かなりノリノリなテンションでメニューを眺めている。ラーメンの量の多さはこの前思い知ったし、今日は餃子くらいにしておくか。さすがに餃子ともなれば普通の量で出てくるだろう。

「わたしはとんこつラーメンにするね、志崎くんは?」

「俺は餃子だけにしておく」

「え?それだけでいいの?」

「うん。お腹空いてないし」

このラーメンめっちゃ量多いいよとか言おうと思ったが、かなり食べるのを楽しそうにしていたので、やめておいた。


「お待ちどおさま!」

餃子とは。と言いたくなるほどデカい餃子がでてきた。大食い番組並みのデカさだ。まあラーメン程ではなさそうだしいけるな。

そして一方のとんこつの方は相変わらずのボリュームだった。が、普通にパクパク食べている。まあいい。俺も食べよう。


なんとか食い切れた。餃子のくせに満腹感がすごい。山下さんはどうなったかというと

「ふう〜、お腹いっぱい」

優依と同じく普通に食い切ってた。女子の胃袋は一体どうなってるんだろうか。

「じゃ、帰ろっか」

「そうだな」

会計を済ませ店を出る。


六時か、少し暗くなってきたし送って行くか

「家どっち?」

「あっち」

「同じ方向なんだな、途中まで送って行こうか?」

「う、うん。お願いします……」

と、少し恥ずかしそうに呟く

トコトコ歩いてると

「ここだから、もういいよ」

「え、ここ?」

なんと俺と同じマンションだった。

「え?うん、ここだけど」

「俺もここなんだよね」

「そうなの!?」

「うん」

「いや〜、全然知らなかったよ」

「ね〜」

そんな会話をしながらエレベーターに乗りこみ

「何階?」

と聞きながら自宅がある九階を押すと

「え、九階なの!?」

「うん、そうだけど。山下さんも?」

「うん」

偶然と言うよりここまでくると、奇跡だな。


そしてさらに部屋も隣だった。こんな事があるもんなのか。まあいいか。


山下さんもだいぶ打ち解けできたみたいだしよかった。一緒に生徒会の活動をする相手と、まともに話もできないような関係性なのはゴメンだ。

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