1年目 4月12日 ー崖っぷちなんっちゃ! 本-3

《ここにあった!》

私の名前は栢菜(かやな)。苗字はまだ公開しない。

私は今とあるイベント的なものに参加しており、スタンプを集めている。

周りの班の人はどこだって?そう、いない!

聞いていないって?いや、知らん!

《うーんと、そこにあるんだけど...》

ただ今、残り2個の内、この1つを取ろうとしているところです。

ちなみに、開催者(この学校にいるピー委員)はバカなので、まわりにわかりやすいよう矢印を置いている。

の割に、こういうのに関してはいらつく。なんで、身長高い人しか取れないとこにスタンプ置くん...

《155cmの私に明らかに喧嘩売ってるんだって💢...》

《届いてっちゃ!》

エイっとジャンプしてもその手がスタンプに届くことはなかった。

ついにはかたっとふれた指先によってスタンプがコロコロと奥に転がっていったのだった。

《しぇんしぇぇ(泣)スタンプどっかいきまししゃぁ...(泣)》

ぼろぼろと涙を流す女子生徒に、もちろんこの学校の先生は反応した。

(ふぉおおお!?どうした栢菜!? 委員会!どれいどm...皆を集めよお!)

すぐさま委員会が集まりじっちゃんにも聞こえるほどの大声で皆を呼び出した。

(みんな集まってー!)

(集まりやがれどれ...生徒どもー!)








(みんな集まったかー。)

(先生、一班足りません!)

夕暮れまであと10分。終了まであと15分。

その中で栢菜の声はかすかに響いた。

《そら君の班がいない...?》

その声はとても震えていた。










『いてて』

「どしたそら」

『蜘蛛にやられた。』

「奇遇だね、自分は毛虫にやられた。」

でも、あそこにあるんだよなー。

残りの1スタンプ。 


   崖に手を引っ掛けても、二人での会話はまだ成立していた。   本ー4へ

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