第6話 武装攻撃ヘリとの闘い
俺は再び異世界に飛び込んだ
HOSTILES INBOUND!
(敵勢力侵入)
FOCUS ALL YOUR FIRE ON THAT ENEMY CHOPPER!!
(全火力を敵のヘリに向けろ!)
バラバラバラァ!!
突然、空からヘリのローターブレードの音がした
俺は咄嗟に浮かんだ言葉を叫んだ
「Attack from the Upward! Watch out~」
(上からくるぞぉ! 気をつけろ~)
続けてロケット弾が発射される大気を
つんざく轟音が響いたんだ!
ギュ~ン チュド~ン!!
放たれたロケット弾は少し離れたところにあった
インドのストゥーパのようなドームのある遺跡に
命中すると、建物は木っ端微塵に吹っ飛ばされた
爆発が起きた時は、鼓膜を守る為に地面に伏せて
少しでも衝撃波の影響を避けるために口を開く
なんて知識も咄嗟のことでまったくわすれてた
ともかく大慌てで、茂みの中に逃げ込むのが
精一杯だった。
「はぁはぁ いきなりあんなバケモノかよ・・」
俺は肩で息をしながらべったりと地面に
伏して木々の間から空の方を見つめたんだ
上空を真っ黒い巨大な武装攻撃ヘリが
我がもの顔で飛び回っている
それにしても凄い速度 ちょっと速すぎるぞ・・
たまに見る陸自や米軍のUH-60ブラックホーク
なんかよりもずっと速く機敏に飛んでいる
身を潜めながら 観察してみたがそのヘリは
俺がみたことも無い型をしていた
だけど なぜあんなに速く飛べるのかは
理由はちょっと分かったよ
ローターが二重についていて機体の後ろにも
プロペラがついている それで普通のヘリよりも
ずっと速く飛ぶことができるんだ。
「エラいとこに来ちまったぁ・・どうしよう
このまま暗くなるのを待って逃げるかぁ・・?」
ダメだ いま時の攻撃ヘリはガナー(射撃手)が
赤外線暗視装置を使っているから昼夜は関係なかったっけ
おまけにあんな新型の攻撃ヘリならもっとすごい
センサーがついてるかもしれない。
「こんな銃一丁でどうしろってんだよぉ・・」
胃が引きつけを起こして、吐き気を伴った恐怖が湧いてきた。
「落ち着け 落ち着くんだ 俺!!
どうしたら生き残れるのか? そのことだけに集中しろ!」
そう念じて必死にパニックになりそうな気持を押さえつけた
その時、上空のヘリが茂みに向けて射撃を始めた
どうやら俺の他にも隠れている者がいるみたいだ。
「よし! ともかく撃ってみよう」
俺は身を起すと、しゃがみ位置姿勢でヘリに銃を向けた
すると前回のように頭の中に目標である攻撃ヘリの姿が
浮かび上がってきた
下からは見えにくい複座コクピットのアップが見える
俺は最も装甲の弱いキャノピー(ガラス部分)に
向かって二回、引き金を引いて発砲した
ビシッ ピシィ!と確かに弾は命中した
「あ~ ダメだぁ・・」
さすがの自動追尾弾も7.62mmではあの攻撃ヘリの
キャノピーの防弾ガラスは打ち抜けなかった
「ちっくしぉ~ 上等だぜ~っ!」」
続いて俺は引き金を少し長く引いて、バースト射撃を
してみた。
ズバババッ!
魔銃は威勢よく咆哮して、発射した弾は全弾が
吸い込まれるように機首下部に命中した
だけど、やっぱり装甲にはじかれてしまっている
そうしているうちにヘリが旋回してこっちに向かってきた
見つかった! 発砲からこちらの位置に気づかれてしまったんだ
そして、俺に向けて機体横の小型の翼下に搭載されて
いるポッドからロケット弾が発射される光と轟音がした。
「うわ~ やられる 死ぬ!!」
俄(にわか)戦士の俺は完全に固まってしまって
逃げることすらできなかった
ポ~~オゥ!!
その時だった 引き金も引いてないのに魔銃の
グレネードランチャーが勝手に発射されてしまったんだ。
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