27. 文化祭準備
「美蘭ちゃん、衣装届いたよー!!」
「ほんと!着てみよー!」
中間テストが終わってから1週間が経ち、文化祭の準備で段々と忙しくなってきた。
「接客忙しそうだよねー。」
「そうだよね…。頑張ろ!」
接客係は、私たち4人の他にも、理沙ちゃん、美香ちゃん、亮太くん、駿くんがなった。美香ちゃんはあまり話したことないから、文化祭で仲良くなれるといいな。
「美香ちゃん、接客頑張ろうね!」
「うん!美蘭ちゃん話すのほぼ初めてだよね。よろしくね!」
「うん!よろしくね!そういえば、衣装って何着るの?」
「分かんない。衣装係の人がそれぞれ合う衣装を選んでくれたみたい。」
「そうなんだ!楽しみ。」
「だね!」
美香ちゃん初めて話したけど、すごく話しやすかった。仲良くなれそう。
「接客係集まってー!」
『はーい』
「えっと、まず、美蘭ちゃんがこれとこれ。」
「ありがとう!」
「で、北斗くんがこれとこれ。」
「はい。」
みんな順番に衣装が配られていく。文化祭は2日間あるから、衣装は1人2種類ずつあるみたい。
「じゃあ、とりあえず1日目の衣装から着替えて教室来てください。」
『はーい』
「美蘭、更衣室行こー!」
「うん!行くー!」
結衣と一緒に更衣室に行こうとすると…
「美蘭、」
ほくに話しかけられた。
「どうした??」
「何着るの?」
「なんだろう?よく見てないから分からない。」
「俺が1番に見たい。一緒に着替えよ。」
「北斗だめでーす!私が一番に見まーす!」
「まじで無理。教室から更衣室まで距離あるじゃん。他の男が絶対見る。美蘭、一緒に着替えよ?」
「無理。笑 」
「えぇ。じゃあ俺、着替えたら更衣室の前まで迎え行くから待ってて。」
「分かった分かった。笑」
「じゃあ、北斗、寛太ばいばーい!笑」
「じゃあなー!北斗は俺が見張っとくわー!笑」
学校で一緒に着替えるのは流石に無理。笑 でも、ほくの衣装も楽しみだな。
「北斗、美蘭のこと好きすぎでしょ。笑」
「一緒に着替えるのはやばいよね。笑」
「やばすぎ。笑」
結衣も流石にほくの行動に驚いてた。笑
「美蘭、1日目の衣装何だった?」
「えーっと、メイドさんかな?」
「えっ!絶対似合う!」
「結衣は?」
「私は、セーラー服かな…。」
「結衣も絶対似合う!!」
「恥ずかしすぎる。」
「美蘭も…。」
「とりあえず、着てみよ。」
「うん。」
私はメイドさんの服装を着ることに。コスプレってすごく恥ずかしい…。
「うわぁ。美蘭の衣装セクシーすぎない?」
「恥ずかしい…。」
「胸元めっちゃあいてるし、谷間見えてる。てか、美蘭、胸大きい。」
「結衣、衣装交換しようよ…。美蘭もセーラー服がいい。」
「やだよ。 美蘭のエロすぎる。笑」
着てみると胸元が大きくあいててすごく恥ずかしい。こんなので接客できないよ…。
「とりあえず、寛太と北斗待ってると思うから、行こっか。」
「うん…。」
ほくどんな反応するかな…。恥ずかしすぎる。
「2人ともお待たせ!」
「お!おかえり!」
「美蘭…」
「…ほく、おまたせ。」
「待って。寛太見るなよ?」
「み、みてないよ。」
ほくは、ヴァンパイアの衣装を着てた。林間学校の時もヴァンパイアだったな。カッコいい。
「…ほく?」
ヴァンパイアのマントを掛けられた。衣装が全部隠れた。
「え、まってエロすぎ。」
「美蘭の衣装めっちゃ攻めてるよね。」
「結衣、美蘭と衣装交換して。」
「嫌だね。」
「ねぇ。無理無理無理。まじでこれで接客するの?」
「…うん。」
「胸あきすぎ。もっと服を上にあげて。」
ほくに衣装を直される。
「まって、これ上にあげると下の丈短くなんじゃん。美蘭の太ももが…。」
「当たり前でしょ。上にあげてるんだから。笑 北斗バカなの?笑」
「もう、ほく行くよ。みんな待たせちゃう。」
「…うん。」
「衣装やばいな。北斗が文化祭でめちゃくちゃ機嫌悪かったらどうすんだよ…。」
テンパってるほく面白い。
「あ、4人とも来たね。早くー!」
「お待たせ!」
「はい、見せてください。」
「わあー!みんな似合ってる!」
「まって、美蘭ちゃんエロ…」
「それな。結衣ちゃんも可愛い。」
「北斗くんかっこよすぎ…。」
みんなの反応は良さげだった。
「じゃあ、髪型とメイクもして写真撮ろ!メイク係お願いしまーす!」
『はーい』
メイク係さんに髪型のセットとメイクをしてもらうことになった。
「美蘭ちゃん、ここに座って順番まで待っててもらっていい?」
「うん!」
メイク係さんは、まず理沙ちゃんと美香ちゃんの髪型をセットし始めた。
「みぃ、これ着て。」
「ありがとう。」
ほくがパーカーを貸してくれた。椅子に座っている私の横でほくは床に座り、少し拗ねている。可愛い。
「みんなみぃのこと見てる。」
「そんなことないよ。」
「文化祭休も?」
「無理。」
「あーー、もう。」
ヴァンパイアなのに全然怖くなくて可愛い。笑
「みぃ、俺みぃの髪型やる。」
「えっ。できるの?」
「やりたい。多分できる。ちょっとメイクさんに聞いてくる!」
そういって、メイク係の女の子のところへ行ってしまった。私も嫉妬するのになぁ。
…
(北斗side)
「メイクさん、」
「あ、北斗くん。どうしたの?」
「美蘭って髪型どんな感じにしますか?」
「巻いて、ツインテールにするつもりだよ!」
「そうなんですね。俺、やってもいいですか??」
「え!できるの??」
「多分できると思います。」
「北斗くんすごいね!助かる!!やってほしい!」
「分かりました。」
俺がセットしても大丈夫っぽかった。
「あの、メイクもしちゃっていいですか?」
「え、北斗くんすごい!!ありがとう!!」
「はい。」
セットもメイクも俺がやることになった。
…
メイク係は、美咲ちゃんと莉奈ちゃんがやってくれるみたい。ほくは、美咲ちゃんに話しかけに行ったみたいだけど、美咲ちゃんの距離感めっちゃ近い…。ほくと何話してるんだろう…。
「みぃ、俺みぃのメイクとヘアセットやることになった!」
「やったー!お願いします!」
「はーい。じゃあ、メイクからやろうかな。」
よくメイクしてもらうから、ほくはメイクめちゃくちゃ上手。別人になれる。
「美咲ちゃん許してくれてよかったね。」
「メイクさん?」
「うん。」
「よかった。みぃが俺のものってアピールできる!!」
「だから、メイクとヘアセットしたいって言ってたの?笑」
「うん。」
「馬鹿なの?」
ほくが文化祭に積極的!って思ったらそういうことだったのね。近くに他の子がいないからいつものふざけてるほくが出てる。笑
「できた。」
「ほく、ありがとう!」
あっという間にメイクとヘアセットが完成した。
「え!北斗くんすごく上手!」
「こんな感じでいいですか?」
「うん!めちゃくちゃ良い!!ありがとう!」
「はい。」
メイク係の美咲ちゃんがほくのところに来て話している。ほくのメイクとヘアセットで大丈夫みたい。
「北斗くん早くて上手だから他の子もお願いしようかな。」
「俺自分の髪、セットしていいですか?」
「あ、そっか、そうだよね。ごめんね!いいよ!」
「はい。」
話が終わったみたいで戻ってきた。
「みぃ、席変わって。俺もセットする。」
「はーい。」
ほくは、朝時間あったら自分で髪の毛をセットしている。でも、最近私が早く起きれなくてセットできてなかったから、セットしてるほくをみるの久しぶりだな。
「みぃ、ワックス付けて。」
「うん。」
ほくの髪にワックスを付けて整える。セットしてると一段とカッコいいなぁ。
「できたよ。」
「ありがとう。」
ほくが立ち上がり、頭を撫でてくれる。
「ワックス、メイクさんに返してくるね。」
「…ほく、みぃが返してくる。」
「そう?ありがとう。」
美咲ちゃんにワックスを返しに行く。ほくとの距離感が近いから心配になってしまった。
「はい。じゃあ、接客係の皆さん写真とりましょー!」
『はーい』
接客係全員のメイクヘアセットが終わって写真を撮る。みんなすごく可愛い。
「美蘭、めっっちゃかわいい。」
「ありがとう!結衣もすごく可愛い。」
結衣セーラー服すごく似合ってる。
「美蘭ちゃん!」
「亮太くん?」
「美蘭ちゃん、可愛い。メイドさん似合ってる!笑」
「ありがとう!亮太くんも似合ってる!」
「そうかな?ありがとう!」
亮太くんは、警察官の制服を着ている。すごく似合ってる。
「では、接客係さん、2日目の衣装に着替えてきてください。」
『はーい』
「美蘭、いくよー!」
「はーい!」
再び結衣と更衣室へ行こうとすると、
「美蘭、これ着て。」
「ほく、ありがとう。」
「男と喋る時はこれ着ないとダメでしょ。」
「はぁーい。笑」
「もう、笑い事じゃないから。」
「はーい。笑」
嫉妬してるほくが可愛くて思わず笑ってしまう。笑っているとほっぺをつままれる。
「もーみぃ、俺が女の子と話してもいいの?」
「いいよ。」
「じゃあ、みぃみたいに上半身裸で話しかけてもいいの?」
「みぃ上半身裸じゃないから。」
「いいの?」
「それは、女の子がびっくりしちゃうからやめて。」
ほく、最強に意味がわからない。
「じゃあ、女の子にベタベタしてもいいの?」
「それはやだ。」
「でしょ。」
「みぃベタベタしてないもん。」
「向こうがベタベタしてきてる。」
「それはほくも一緒じゃん。」
「え?俺?」
「メイクさんほくと距離近い。」
「そう?気をつけるわ。」
「うん。」
「俺が言いたいのは、男は性欲の塊なの!まじで気を付けて。」
「北斗、遅い。まだ?」
ほくの話が長いから、結衣に怒られてる。笑
「まだ言いたいこといっぱいあるんだけど。俺美蘭と一緒に着替えていい?責任持って着替えさせるから。」
「無理。もう、美蘭行こ。」
「うん。笑」
「えぇ。」
「北斗諦めろ。行くぞー。」
言いたいことが色々ありそうだけど、更衣室に行って着替えを始める。
「美蘭、2日目の衣装なんだった?」
「チャイナドレスかな?」
「おお。いいね。」
「結衣は?」
「ナース。」
「セーラー服もいいけどナース服も似合いそうだね。」
「恥ずかしすぎ。」
早速着替え始める。
「美蘭、またセクシーな、衣装だったね…笑」
「もう、恥ずかしいし、ほくが怒りそう。」
「だね。笑」
チャイナドレスは、首元は締まっているのに、メイド服みたいに胸元がガラ空き…。しかも、すごくミニスカートだし、横にスリットが入ってて脚が余計に見えてしまう。
「お客さんはいっぱい呼べそうだけど、美蘭大変だね。笑」
「本当だよ。ナース服、結衣のも結構短いね。」
「だよね。セーラー服はここまで短くなかったのに。」
「頑張ろう…。」
着替え終わり、更衣室をでる。
「美蘭…」
「お待たせ。」
また、ほくと寛太が更衣室の前で待っていてくれた。ほくは、浴衣を着ていた。
「美蘭、文化祭お休みしよっか。」
「美蘭もお休みしたい。」
「エロすぎ。男に襲われる。」
「怖いこと言わないでよ。」
ほくにハグされる。そのまま持ち上げられ…
「ほく?」
「寛太、美蘭体調悪いから保健室行ったって言っといて。」
「は?」
「えっ!ほく!」
そのままほくが教室とは別方向に走り出してしまった。
「ねぇ、なにしてるの?」
「んー、脱走。」
「バカなの?」
「うん。」
ほくに抱えられたままどこかの空き教室に着いた。
「ばか。」
「うん。」
教室の中に入ったところでやっと降ろしてもらえた。
「なにしてんの。」
「他の人に見せたくなかった。」
「どうせ文化祭で見せることになるんだから。」
「そうだけど。今日だけいいでしょ?」
「もう、分かったよ。」
そんな顔で見られたら許すしかないじゃん…。
「みぃ、胸大きい…。」
「そうかな。」
「うん。みんな見てた。」
「ほくのこともみんな見てたよ。カッコいいって色んな子が言ってた。」
文化祭、心配だな。
「あー。もう、文化祭休みたい。」
「ほく、頑張ろ?」
「うーん。」
向かい合って話していると、私の肩にほくが寄りかかってくる。文化祭、相当嫌なんだろうな。
「ほく、着替えに行こっか。」
「うん。」
「浴衣似合ってるね。カッコいい。」
「そうかな?ありがとう。」
チャイムが鳴り、更衣室に制服が置いてあるので、取りに行く。
「みぃ、一緒に着替えたい。」
「だめ。着替え終わったらさっきみたいに更衣室の前で待ってて。すぐ着替えるから。」
「分かった。」
「うん。後でね。」
ほくの頭を撫でる。しゅんとしてて、子犬みたい。
「美蘭ちゃん!体調大丈夫?」
「理沙ちゃん、美香ちゃん!も、もう大丈夫だよ!ごめんね、教室行けなくて。」
「よかった。全然だよ!!ゆっくり休んでね!」
「ありがとう!」
着替えていると、理沙ちゃんと美香ちゃんが更衣室に入ってきた。本当は体調悪くないのに嘘ついてしまった。
「美蘭!大丈夫だった?笑」
「結衣、ごめんね笑。衣装係さんなんか言ってた?」
「心配だったよ。北斗何かしでかしてないか。笑 えっとね、2日目の衣装の方を着た写真を撮って送って欲しいって。」
「なんとか。笑 分かった!ありがとう。」
「北斗更衣室の前で待ってたよ。早く行ってあげな!」
「はい!笑 じゃあ、結衣また明日ね!」
「うん、ばいばーい!」
更衣室を出ると結衣が言っていた通りほくがいた。
「ほく、帰ろっか。」
「うん。」
ほくは家に帰ってから寝るまでずーっと抱きついてきて大変だった。麻美ちゃんは呆れてた。笑
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