11. 相談

「美蘭、起きて」


「ん。おはよう」


「おはよ。よく寝れた?」


「う、うん。」


ほくに起こされ、話しているとだんだん昨日のことを思い出してくる。ほくに告白されたんだ。


「みぃどうしたの?」


「べ、べつに。」


「もしかして、もう俺のこと好きになっちゃった?笑」


「ち、ちがうから!」


完全にほくにからかわれてる…。ほくは全く気にしてないみたい。なんで、今日学校休みなの…。


「みぃ、かわいい。」


「もう、わかったから。」


ほくにどう接したらいいか分からない…。でも、少しいつもの調子を取り戻せた気がする。


「2人ともご飯よー!」


麻美ちゃんに呼ばれてご飯を食べに一階へいく。


「美蘭、どうしたの?なんか元気ない?」


「そ、そうかな?」


「みぃ、熱ある?」


「ちょ、ちょっと。」


ほくがおでこに手を当ててくる。今まではこんなことなんとも思ってなかったのに意識してしまう。


「ごちそうさまでした。」


「あ、美蘭と北斗、あとで買い物行ってきてくれない?」


「うん!いいよー!」


麻美ちゃんに頼まれて、ほくと買い物に行くことに。


「みぃ、かわいい」


「もう、わかったって。」


「みぃは、いつも通りでいいんだよ。何も考えなくていいから。」


「う、うん。ほく、ありがとうね言ってくれて。多分、ほくにとっては勇気が必要だったよね。今までと関係が変わっちゃうかもしれないし。だから、すぐ言わなかったんだよね。」


「うん。」


「ありがとう。嬉しいよ。」


告白するのは相当勇気のいることだったんだろうな。ずっと、恋愛感情はなかった訳だし。


「あーーー!メイクしてもらうの忘れた…。」


「忘れてたね。」


「もう、すっぴんでは外出たくなかったのに。ねぇ、今日もメイクしてほしい。」


「うん、いいよ。なんか化粧品買ってく?」


「え!買う!」


化粧品を買うことに。メイクにあまり詳しくなくて何を買えばいいのか分からないけど…。


「ほく、何買えばいい?」


「んー。アイシャドウは?みぃ、ピンク系似合うと思う。こういうのはどう?」


「可愛い。これにしようかな。」


ピンク系のアイシャドウを買った。また、ほくにメイクしてもらおう。


「麻美ちゃん、買ってきたよー!」


「ありがとうー!」


麻美ちゃんに頼まれたものを渡し、ほくの部屋に行く。


「はぁー!疲れた。あ、そうだ!ほくメイクして!アイシャドウ使ってー!」


「はいはい」


今日もメイクしてもらう。今日はもう動画を見ないで自己流でやってる。すごいなぁ。


「できた。」


「わぁ。ありがとう!!昨日と雰囲気違う。ピンクかわいい。」


「うん。やっぱりピンク似合ってる。」


昨日とは、少し違う雰囲気のメイクをしてくれた。ほく上手。


「みぃ、写真撮らせて。」


「うん。」


カシャッ。


「撮れた。投稿しよっと。」


「投稿しすぎじゃない?笑」


「いいのー。」


また、投稿してる。SNSかなり楽しんでるみたい。


「みぃ、こっちきて。」


「うん。」


ソファに座っていると、ベッドに寝転がっているほくに呼ばれる。


「みぃ、好きだよ。」


「う、うん。」


ほくに抱きしめられて、好きと言われる。もう、どうしたらいいかわからない。


「みぃ、俺がみいのこと好きなのやだ?」


「嫌じゃないよ。」


「よかった。」


嫌じゃないと言うと、満面の笑みが現れる。可愛い。


ピコンッ。


ベッドで携帯をいじっていると結衣からメッセージが。「今何してるのー?」と。結衣から連絡が来てほくのことを相談したいと思い、「暇してる。ちょっと相談したいことがあって、今日会えたりする?」と聞くと、「会えるよ!」と返事が。結衣に会うことになった。


「ほく、みぃちょっと結衣と会ってくる。」


「え、そうなの。…分かった。」


明らかに寂しそう。可哀想だけど、結衣に会って相談したい。


「行ってくるねー!」


「うん。気をつけてね。早く帰ってきてね。」


「はーい。」


ほくに見送られ、待ち合わせ場所のカフェに向かう。


十分くらい歩いてカフェに着く。


「あ!美蘭!こっちこっち。」


「結衣、急にごめんね。ありがとう。」


「全然いいよ!暇してたからさ。え!美蘭メイクしてる?」


「うん!ほくにしてもらったんだ。」


「めっちゃかわいいんだけど。北斗メイク上手すぎない?」


「ありがとう。ほくめちゃくちゃメイク上手だった。」


急に言ったのにすぐに駆けつけてくれて感謝しかない。ありがとう。


「で、相談ってなに?」


「実は、昨日ほくに告白されたの。美蘭のことが好きって。」


「え!?!?!?まってまって。ホントに?」


「うん…。」


「まってびっくりなんだけど。北斗って恋愛感情とかあったの?」


「美蘭もすごい驚いた…。」


すごく驚いてる。当たり前だよね。今までずっと恋愛感情なんてなかったから。


「まじで驚きを隠せない…。え、美蘭は北斗のことどう思ってるの?」


「ほくのことは好きだけど、これは恋愛感情じゃないと思う。」


「そうだよね。美蘭のは恋愛感情じゃないと思う。」


やっぱり、私の好きは恋愛感情ではないみたい。


「告白されてから、ほくにどうやって接したらいいかわかんなくなっちゃって…。」


「北斗はなんて言ってるの?」


「みぃは何も考えなくていいよって。今まで通りでいいって言ってくれてる。」


「それなら、今まで通りでいいんじゃない?北斗はただ美蘭に好きって言う気持ちを伝えたかったんだよ。美蘭にも北斗のこと好きになって欲しいだろうけど、北斗は美蘭の気持ちを最優先にしてくれると思うよ。だから、気負わずにいつも通りに接してあげな。」


「分かった。結衣ありがとう。」


結衣に相談してよかった。すごく頼りになるし、ほくのことも理解した上でアドバイスをくれる。私も結衣をもっと助けられるようになりたいな。


「北斗が美蘭のこと好きになったのかぁ。北斗、美蘭のこと大好きだから、もし付き合っても絶対幸せになれると思うよ。」


「もう早とちりしすぎだよ。笑 美蘭に恋愛感情はないんだってー。笑」


「でも、美蘭も好きになるかもよ?実際、北斗はずっと恋愛的に好きじゃなかったけど、好きになった訳だし。」


「そうなのかなぁ。」


恋愛感情を今までに持ったことがないから、好きってどう言う感じなのかわからない。それが、ほくに感じるようになるのかな…?


「結衣は、好きな人いないの?」


「うーん。気になる人はいるかも。」


「え!だれ??」


「…寛太。」


「ええええええええ!?!!?」


「ちょっと美蘭、静かに。」


驚きすぎてめちゃくちゃ大きい声を出してしまった…。結衣、寛太のことを好きだったの?


「え?いつから好きだったの?」


「いや、好きじゃないよ。気になってるかもしれないって感じ。この前夢の国の服買う時、2人で服を買ったでしょ?その時、荷物持ってくれたり、疲れてない?って聞いてくれたりして、不覚にもときめいてしまった…。」


「不覚にも。笑」


「絶対に秘密にしてね。北斗にも!」


「うん、分かった。でも、結衣達お似合いだと思うな。」


「そうかな。」


「うん!夢の国でアピールしよう!」


「そうしようかな。美蘭も北斗にアピールされるかもよ?」


「もう、からかわないでよ。笑」


恋してる結衣かわいい。結衣と寛太はよく喧嘩してるけど、ずっとお似合いだと思ってたし、中学からずっと仲良くしてくれる2人だからもし付き合ったら嬉しいな。


「そろそろ帰ろっか!」


「うん!月曜日ね!」


「うん!ばいばーい!」


結衣と解散して家に帰る。色んな話ができてよかった。


「ただいまー!」


「美蘭、おかえり。北斗一人で退屈そうよ。笑」


ほくが退屈してるみたい。ほくの部屋に行く。


「ほく、ただいま。」


「おかえり。」


ほくが机で本を読んでるから、ほくの肩に顎を乗せて覗き見する。


「何読んでるの?」


「推理小説」


ほくは本を読むのが好き。私は全然読まないから、すごいなって思う。


「みぃ、服着替えな。」


「うん。」


ほくに言われて服を着替える。今日もほくが服を選んでくれた。可愛い。


「2人ともご飯よー!」


『はーい』


麻美ちゃんに呼ばれて、夜ご飯を食べに行く。


「2人ともゴールデンウィークは何かするの?」


「結衣と寛太と夢の国いくよ!」


「え!そうなのか!2人ともずるいぞ。俺もママと行きたいな。」


「行きなよ!笑 美蘭たちについてくる?笑」


「じゃあ、私だけついていこうかしら。」


「えぇ。俺も連れてってよ…!」


相変わらず、麻美ちゃんと北斗パパは仲がいい。北斗パパが麻美ちゃんにデレデレ。


「ほく、お風呂入ろ!」


「うん。」


ほくとお風呂に入る。


「ほく、夢の国でいっぱい乗り物乗ろうね。あと、カチューシャもつけよ。」


「うん。」


「楽しみだね。」


「うん。」


夢の国楽しみだな。久しぶりだからテンション上がる。


「みぃはぐれないか心配だな。笑」


「はぐれないもん!!」


お風呂から上がりいつも通り髪の毛を拭いていると…


「みぃ、俺の髪も乾かしてよ。」


「えっ、いいけど、できるかな…。」


ほくに言われて髪を乾かす。ほくの髪は初めて乾かすから、上手くできるかな。

乾かされてるほくは、ずっとニコニコしてる。可愛い。


「ほく…。できたけど、ボサボサになっちゃった。明日、セットしてから学校行って…。」


「ありがとう。笑 分かった。」


やっぱり、うまくいかなくてほくの髪がボサボサに。もう、明日はセットして学校行ってもらおう。


お風呂を出て、ほくの部屋で映像を見る。


「みぃ、落ち着いた?どうだった?」


「う、うん。大丈夫だった。」


ほくが死んじゃう映像は映らなかった。だけど、私が2年生か、3年生かわからないけれど、先輩3人組にほくのことで責められている映像が見えた。なんとなくほくには隠してしまった。


「みぃ、どうした?」


「ううん。なんでもないよ。もう眠いから寝るね!」


「ん。おやすみ。」


「おやすみ。」


明日、学校に行くのが怖いけど、ほくに怪しまれないように、寝てるふりをした。

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