第2話 晴れない心
翌日タクトは、子猫が気になりミルクを持って公園まできたが、そこには子猫の姿はなかった。
誰かが拾ってくれたのだろうと思い、ホッと安心させながら学校へと向かった。
学校に行くと友達が片瀬さんの話をしてきたので会話をするものの、タクトの心の中は穏やかではなかった。
それもそのはず、たった一日で悲しみが消えることはないのだから。
それから一ヶ月が経ち、周りの人達は片瀬さんのことを話すことはなくなったが、タクトの心の中はポッカリと穴が空いたままだった。
今までは活発的だったタクトだが、それ以降は何をするにもやる気がおきず、家に引き籠ることが多くなった。
学校でも一人で過ごすことが多くなる。もちろんそんなタクトを心配して話してくれる友達はいるが、その度に片瀬さんのことを思い出す。
そんなことからタクトは、友達には悪いが、あまり同級生がいなさそうな遠い場所に志望校を決めた。
タクトの家から電車で1時間程の場所にある青蘭高校。
多少勉強すれば大丈夫だと考え、勉強に励んだ。
そして、タクトは無事に青蘭高校に合格し、春からは高校生となる。
もちろん高校に受かったことは嬉しいのだが、タクトは夜空を眺めながら彼女のことを今でも思い出していた。
そしてついに物語はタクトが青蘭高校に入学してから始まることとなるのであった。
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