第12話蹂躙

とりあえず一発撃とうと、トリガーを引いた。

カスッ

虚しい音が鳴った。

「えっ、なんで!?」

よく思い出してみると、ヒントはあった。


『さあ、叫べ、怒れ、自分の無力さを呪え!』『その叫びが武器になる。』


つまり、怒りの感情が銃の弾丸となるということだ。

僕はさっき腕が切られた時のことを思い出した。

「さっきはよくも……!」

なんだか急に怒りが湧いて来た。今度は銃に怒りを流し込むイメージをしながらトリガーを引いた。


パァン


銃声が轟いた。

すると、オオカミが倒れた。体には直径2センチほどの風穴が空いている。

一発打っただけで息絶えたのだ。

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