第4話後悔

「俺には武器を作る才能しかなかった。所詮はサポート役、そんな奴が戦場に出たところで何の役にも立たない。だから俺は、こんな風に田舎でひっそり暮らしているんだ。」

冒険者は、誰もが憧れる職業だ。しかし、多くの人は挫折することになる。アーティファクトが戦闘に向いていない人たちだ。父さんもそのうちの一人だ。

「まあ、今日はゆっくり寝て、明日に備えてくれ。」

「わかりました。」

席を立つ。

「ちょっと待て。」

「なんですか。」

急に呼び止めてどうしたんだろう。

「もしおまえの能力が戦闘型では無かったとしても、おまえのせいではない。それだけはわすれないでくれ。」

「わかりました。」

こんどこそ席を立ち、部屋を出る。今日はその後、夕食を食べてすぐ寝た。



当日の会場には、多くの子供達が集まっていた。

神父が何かを持ってきた。

「これはアーティファクトブロックといって、まだアーティファクトを授かっていない人がこのブロックに触ると、その人に合ったアーティファクトになる。使い方は目の前に現れる光の板に書かれている。」

「まずは、その子、やってみようか。」

指名された子が頷き、前に出てブロックを掴む。すると、ブロックが光輝き、剣の形をとった。

後から知ったことだが、その子はかなり裕福な家系らしく、家族が全員冒険者であることで有名らしい。

その子の家族と思わしき人物が近付いて、その子を抱きしめた。どうやら褒め称えている様子だった。

その後は次々と順番が回っていき、だんだんと子を褒め称える親と慰める親に別れてきた。

僕にはどんな能力が宿るのだろうか。心配とワクワクが入り混じった気持ちで待つ。そして順番が回ってきた。

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