第32話草霊の六千草と四千草




あのキザンキは、大岩の上で胡坐あぐらをかいて瞑想にふけっている。

もう既に武闘家の様に、気でも錬っているのだろうか?うっすらとオーラをまとっている。

そして大地と大気からエネルギーを吸い寄せている。そんな光景がさまになっているのに驚いた。

好き勝手にやっていた従魔が、大人しくなるなんて何故か寂しい。


そうだ俺は、あの五千草を探すべく、気配探知にあの気配と同じ五千草を探す。

感じてきた。ここから20キロ先の絶壁の崖の中間点に、同じような草がひっそりと生えていた。


早速、結界を展開して20キロ先の崖を目指して飛行。

目的の草が見えた。草の種類は違うが鑑定では六千草と表示。

結界内から念じて六千草を結界内に取り込んだ。

手で受止めて見ると、体に染み込むこのエネルギーの緩やかな暖かさなんだろう。

崖の上に下り立つと、結界を解除。

静かな所に座ると、六千草を見詰める。


意を決して口の中に入れる。

食べると味は甘酸っぱく、体の中心にエネルギーが流れ込んでくる。

それは感覚的な物だが、額・のど・胸・へそ・あそこと順に何かが開く感覚が広がる。

そして体の末端まで行き渡ると、最初に戻り額・のど・胸・へそ・あそこへと繰り返す。

それはどれだけ時間が流れたか、分からなかったが感覚的には、1年間も座り続けた気分だった。


そして何かを悟った。

その悟った物は口で言い表せない物であった。

スマホを取り出し時間を確認。時間はさほど経過していな。

あの感覚はなんだったのだろう。時間の旅をした気分であった。



紅 一:従魔師(従魔に全ステータス+10・INT+5)


Lv1


HP220

MP250


STR22+8 VIT12+7

DEF16+7 INT20+12

DEX16+7 AGI20+12


SP1402


植物魔法・土魔法・風魔法(初級)・雷魔法(初級)・従魔回復魔法

結界魔法


鑑定・従魔強化・防御強化・気配探知・魔法強化・MP回復・素早さ強化・暗視

アイテムボックス・肉体疲労耐性・精神疲労耐性・探索者・気功


キザンキよりステータスの上がりが良かった。

それと気功なる物も理解して、1段階上がった感覚がする。

俺は再度、気配探知であの植物の気配を探す。

丹波市の山奥に気配を感じ、結界を自身に張って目標に向かって飛び立つ。

自衛隊による道路上にある車の撤去を見ながら、飛んでいるとようやくお目当ての場所に到着。

下りて結界を解除。それも品種的に違う植物であったが四千草と表示。

俺は念じて包むように浮かせ根に付いた土を綺麗にしてゆく。

そして大事に一口二口と食べてしまう。味は前より薄く感じるがそれでも美味しかった。


そして前回より強烈で無かったが、体中に気が巡って塞がったヶ所が次々と開いてゆく感じがする。


紅 一:従魔師(従魔に全ステータス+10・INT+5)


Lv1


HP220

MP250


STR26+8 VIT14+7

DEF20+7 INT23+12

DEX20+7 AGI25+12


SP1402


植物魔法・土魔法・風魔法(初級)・雷魔法(初級)・従魔回復魔法

結界魔法


鑑定・従魔強化・防御強化・気配探知・魔法強化・MP回復・素早さ強化・暗視

アイテムボックス・肉体疲労耐性・精神疲労耐性・探索者・気功Ⅱ


又もステータスが上がり、気功が2段階にあがった。

これ以上霊草による気の吸収はヤバイと感じ、ゲートを開き我が家へ帰った。


そのまま部屋に戻り、安心すると倒れこむように寝てしまう。




顔をペシペシと叩かれ目覚めてしまう。

スマホが鳴り出し母からで、大事ない事を伝えた。

下から苗木が見上げている。小さな葉をチョンと触ると逃げて行ってしまう。


なんとなく気功の習得を急ぎ過ぎた。

あのまま続ければ体の内なるバランスが崩れ、修復不可能な体になっていたかも知れない。

たしかに急ぐと、ろくなことにならないのも事実だ。


俺は胡坐をかき精神を集中して気の巡りをたどって、気の流れを掴みつつ鍛錬をしてゆく。

内功(自然エネルギーを取り入れて、内部で煉りつつ鍛錬された精神)を感じる。

それはあの女性のトラウマだが、奥深く精神へ入った事で徐々に癒されてゆく。

それは、精神耐性を取得した頃からも感じる癒しだったが、今回の鍛錬で殻を打ち破った気がする。



どうやら昼を過ぎてしまっていた。集中すると時間を忘れてしまう。

昼食を食べながら、ゴーレムの戦いの訓練を見ていて、ゴーレムの次の動きの予測が嘘のように当たる。

これは気が見えるからなのか、達人はこうして攻防をしているのか・・・。

戦いの極意を得た気分である。


丁度いい時にライがやって来た。


「ライ、戦いの訓練相手になってくれないか」


俺はそう言いながら、長い木の棒を投げ渡した。

俺は木の棒を取り出し上段に構える。


「棒が当たる瞬間に寸止めをしろよ。本気で当たれば木っ端みじんになるから気をつけろ」


ライが最初に動いた。素早い突きだが俺は最小限にかわし、ライの頭に寸止めをする。

驚き後方へ3メートルも一気に下がった。


だが既に俺はライの後方で、ライの肩に棒を軽く叩いた。

ライはそれが相当ショックだったのか、座り込みうな垂れていた。



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