第24話遠征戦



戦いは激しさを増していた。


ギーギンの食べぷりは凄かった。

もう既に50体は食べている。

12本のツタを自由に操り、ブラットを捕まえてはそのまま口に放り込む。

盾でブラットを叩き失神したブラットを別のツタが持ち上げ食べる。

飲み込む姿を見てどう考えてもギーギンの体積と比べて食べた物の体積が多すぎる。

これも従魔の不思議として受止めるしかないようだ。



チューゴの食べ方も酷かった。

魔物の魔石がある位置に高速攻撃で貫通。

魔物は魔石を失いその場で倒れてしまう。

黒い体が赤く染まるも直であった。魔物が沢山いれば火球で焼き尽くしている。

丸焦げの腹を手の爪で開き、魔石を取り出し喰らうと次の丸焦げへ駆け寄る。

そんな食い意地の凄さにも、俺はもう慣れてしまった。



ゴーレムの戦いも凄かった。

剣を巧みに操り次々と斬って行くと、うしろには死体の山が出来ていた。

槍を使うゴーレムも槍を振り回して手傷を負わせて、突き刺してはギーギンの方へ投げている。

ギーギンもツタで受け取り口の中に入れる。

2本の手斧を持つゴーレムも凄い、頭をカチ割り首を斬り飛ばして、交互に振られる度に仕留めている。

それで特に注意を引いたのが、7体がチームとし戦っている場面だった。

7体が円形を保ちつつ回転しながら魔物を倒していた。

魔物は一撃をどうにか凌いでも、次の攻撃で仕留められている。

それはあたかも上杉謙信の得意な車懸くるまかかりの陣に似ていて、車の車輪が回転するように攻撃する陣形。

そんな戦いをどこで覚えたのだろう。

そう言えば、たまにタブレットを見ている。そこから得た知識かも知れない。



ライの戦いは武人の戦いの如く凄まじい者であった。

矛が振られる度に、8メートル先の魔物まで切断されていた。

それほど斬撃の威力は群を抜いていた。

飛び跳ねて空中からの斬撃は、15メートル先に居た魔物の首をね飛ばしていた。

そして流れる様に振られる矛先には、淡い光りが輝き流れる線になっている。



そんな中で怪しい気配が消えて、また現れ消える。

そしてその気配は俺の方へ徐々に近づいていた。

その気配が現れた瞬間その方向を見ても、既に消えた跡であった。


俺はその気配に集中する。

俺のうしろに現れると予測して、俺は振向きながら刀を斬り上げた。

白い大狼が噛み付こうとしていた。俺の刀が速く胸から首筋に、一筋の線が入り俺の顔に大量の血を浴びることになった。

大狼が地面に倒れ込んだ時にはこと切れていた。

鑑定をする。


ブロル


そのまま【拘束】で地中に埋め込み土魔法を流した。

地面がせり出して奴が現れた。


フロル


Lv1


HP100

MP80


STR7+5 VIT3+5

DEF3+5 INT6+5

DEX8+5 AGI11+5


風魔法・影魔法(影の中を移動、目で確認しないと移動できない。影拘束・影分身などを使う)


人型でスラッとした身長で2メートルはあるだろう。

中々いいステータスだと俺は感心する。


そして戦いの最中に進化した従魔が現れた。


シルバーゴーレム・チューゴ(元アイアンゴーレム・チューゴ)全長2メートルで全身シルバー色


Lv1


HP250

MP150


STR19+5 VIT12+5

DEF12+5 INT12+5

DEX20+5 AGI25+5


高速攻撃Ⅱ・高速移動Ⅱ・火魔法・土魔法


シルバーゴーレム・カース(元アイアン・カース)翼を広げると6メートルで全身シルバー色


Lv1


HP200

MP300


STR25+5 VIT14+5

DEF14+5 INT30+5

DEX20+5 AGI20+5


風魔法・雷魔法・水魔法


そしてようやく戦いは終わろうとしている中、バワンが獲物を掴んだままやってきた。

地面にその獲物を置くとまた飛び立ってしまった。

その獲物は全長が5メートルもある白いキツネで尻尾が4つもあった。

鑑定を掛ける。


シビ


尾が4つでシビか・・・

土魔法で【拘束】そして土魔法を流し込んだ。

土がせり出し現れたのは、尻尾が3つの黒いキツネで全長3メートルもあった。


サンビ


Lv1


HP100

MP150


STR8+5 VIT8+5

DEF6+5 INT20+5

DEX6+5 AGI10+5


炎魔法(火魔法より威力が高い)・幻魔法(相手を惑わす)


そしてようやく戦いは終わった。

倒した数は6万は超えていただろう。

1時間程、休憩を取る事にする。

チューゴとギーギンが食べ終わるのは、多分それぐらいかかるだろうと予測したからだ。

その間、気配探知に集中すると、ここから西へ45キロ先に3万以上の魔物の集団を探知。


チューゴとギーギンも食べ終わったようで、腹を膨らませたチューゴがやってきた。

俺はゲートを開くポイントにスプレー缶で×印を書いた。

念話で今後の作戦を伝える。


ロープを結んで毛皮に座ると念話で飛べと念じる。

バワンがロープを掴んだ状態で羽ばたき空中へ飛び出した。

少し慣れたので、少しスピードアップを頼むと凄いスピードを出しやがった。

俺のスピードの基準と鳥の基準は違うのだと理解をした。

スピードを落とさせる前に、目的地の10キロ手前まで来ている。

丁度いい所に下りられそうな広場があったので下りろと念じた。


広場に下り立つと、急に気配を感じ咄嗟とっさに気配の方へ【風斬舞】を放った。

魔物の体は細切れになっている。

その下には穴があった。そして又も飛び出した魔物を斬り捨てた。

グレーのウサギで2メートルもあり、頭には角が生えていた。

穴を睨みつけて、33回も斬る破目になった。

どうやら地中3メートル下だと、俺の気配探知も探知できないようであった。


念の為、俺の土魔法で穴を塞ぎ【強化】で固めておく。


このウサギはキラーズより少し強い魔物で名はコサンと表示されていた。

1体だけゴーレムに変え、あとは魔石を回収。


ゴーレム・ウサン


Lv1


HP15

MP5


STR3+5 VIT1+5

DEF1+5 INT1+5

DEX2+5 AGI4+5


一撃(角で突き刺すことで内部破壊が起きる)



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