ネギ

 私は好き嫌いに厳しい家で育ったので、割と何でも食べることができるし、嫌いな食べ物も少ない方だと思う。外でご飯を食べるときにも、友人から好き嫌いないねと言われることも多いし、自分でも好き嫌いがない方だと思っていた。


 しかし、いざ一人暮らしを始めて自分で料理をしてみて気づくことがあった。買う野菜が限定的なのだ。私が買う野菜は、ネギ、きのこ類、玉ねぎ、たまにじゃがいもくらいなもので、実家にいた頃に食べていた茄子やら人参やら大根やらは買うことが極端に少なかった。たしかに私は、出されたものは何でも食べるのだが、その中で自分が買ってでも食べたいと思うものは、ネギ、きのこ類、玉ねぎのみだということに気づいた。特に、ネギに関しては、常に私の冷蔵庫の中に入っていた。


 ネギはクセがあるので、嫌いな人も多い。しかし私は、野菜の中でおそらくネギが最も好きだ。白ネギ、青ネギ問わず好んで食べる。ネギがメインであるのも好きだし、薬味になっていても美味しい。青ネギを小口切りにしたものにマヨネーズをかけて和えると絶品だ。1束全て食べてしまうほど、美味しい。

玉ねぎは、特に生のスライスが大好きで、スライサーで薄くして水にさらし、ドレッシングやマヨネーズをかけて食べるのが好きだ。私はネギのえぐみが好きだが、昔、一玉を一度に食べた時は、さすがに玉ねぎのえぐみで胸焼けがした。好きなものとなると、際限なく食べてしまうのは悪い癖だ。


 好き嫌いがないということは、良いことだと思われがちだが、そうとも言えない。私は好き嫌いは少ないが、食材を偏愛するので、結局偏りがちになる。結局何事も、バランスが大事なのだと思う。

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