俺と彼女の甘い時間〜愛のない○ッチは禁止です!〜
天野甘味
取り敢えず、抱かせてくれ その1
「ん、もうちょっと優しくしてって言ってるじゃない」
「悪い、でもこっちも余裕ないんだよ」
俺は彼女を抱き締めながら頭を撫でる。
帰宅早々彼女を寝室に引っ張り込んでしまったことに多少の罪悪感はあるが、仕掛けてきたのはそっちの方だ。
「あなた、おかえりなさい」
「あぁ、ただい……ま……!?」
週末だってのに残業で遅くまで会社に残って仕事を終えた俺は、ストレスも疲れもピークに達していた。
だから帰宅した際出迎えた妻の格好の違和感に気付くのが若干遅れた。
「お、お前、なんつー格好してるんだ……」
妻は布地の少ない黒のレースの下着に極端に薄い生地の白いワンピース―――当然うっすらと透けている―――というなかなか過激な格好をしていた。
「あなたを元気にしたくて、ちょっと頑張ってみたんだけど……」
自分でそんな格好をした癖にもじもじと照れくさそうにしている彼女を見ていると、こちらの理性も吹っ飛びそうだった。
「残業の疲れ、私が癒やしてあげようか?、なんて」
彼女は腕に自分の身体を擦り寄せてきた。
細身の割にしっかりとある胸の感触が伝わってくる。
「お前、止めろ、まだ玄関……」
「私も寂しかったのよ?一週間すれ違いだったから……」
確かに今週は互いに忙しく、夕食を一緒に取ることも難しかったのだが。
「ふふっ、ね、私この格好でずっと待ってたから寒かったの」
彼女は上目遣いにこちらを見てくる。
「だから、あなたに温めて欲しいわ」
ワンピースのボタンを数個外して、彼女は悩ましげな熱い息を吐いた。
俺のなけなしの理性は、そこでプチンと切れてしまう。
「……上等だ」
「きゃあ!」
俺は鞄を放り出し、彼女を抱き上げる。
「今日は朝まで寝かせねぇぞ」
俺は彼女を横抱きにして寝室に向かった。
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