13-5

 お盆休みは、私、もっと忙しかった。お母さんが、ドレスの打ち合わせに来るって言ったけど、断った。おばさんから、相談があったけど、私は、頑張りますと、10室満杯になっていた。急遽、近くのおばあさん2人が応援に来ていた。それでも、追われているので、モトシが掃除の応援に入ってくれた。


 夕食の時も、私は、戦争状態で、配膳が終わると、飲み物の注文を受けて、ご飯の足らないところに持ってったり、今までで一番動きまわったのかも知れない。だけど、おばさんが、適格に用意をしてくれて、私は、運ぶだけだった。


 夕食の片づけ終わって、私達3人で晩御飯食べてた時、おばさんが


「絢ちゃんありがとうね 水島君も助かったわ 今年も、2.3組しか、受けれないと思ってたから。こんなにお客さんに来てもらえたのは、あの人が生きていた時以来よ」


「ご主人は、漁師だったんですってね」


「そうなのよ このあたりの漁師仲間をまとめていてね、組合長とも幼馴染だったから、それで、おいしい魚を食べて×××って、民宿「力丸」始めてね、だから、今でも、うちには、変な魚持って×××・・だから、あの人の想いもあるから、何とか、×××・・」


「おばさん ウチ、頑張るから、ずーと、続けてくださいね お客さんも、喜んでくださってますし」


「絢ちゃんのお陰で、明るくなったしね この前まで、そんなことなかったよ」


「そんなー おばさんのお料理がおいしいからですよ みんな、喜んでくれて」


「あの組合長が、珍しく、良い人を連れてきてくれたよ 絢ちゃん、ずーと居てね その気なら、ここを継いでくれても良いから 私も×××・・だ」


「私、おばさんが暖かい人で良かった。最初、不安だったもの これからも、頑張りましょ お手伝いさせてくださいね」


 モトシが、もう、帰ると言った時も 


「絢ちゃんは一緒に行かないで良いのかい?」と、おばさんが言ったけど


「私等、まだ、結婚前だし・・」


「そうなんかい 割と固いんだね」


 モトシが帰った後も


「絢ちゃんは、先生になるつもりだったんだろう?」


「ええ でも、自分で学校選べないし、モトシと離れたくないし、私は、絵の教室なんかで教えれればいいから」


「この辺りじゃぁ お金だして、××× 絵なんか習う子居ないよ」


「良いんです お金なんか要りません。普通の勉強が嫌いな子も居たら、絵を通じてなにか、感じ取ってもらえれれば」


「あんたは、立派だよね 周りに聞いといてあげるよ そういった子居るかもね」


 私、もうすぐ、モトシのものになる。この島の住人になるんだ。いい人達ばっかりで、胸が膨らんでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る