ここまでの登場人物紹介


◆アリーシャ 女 18

本作主人公。

聖教国家オルファンで10年もの間聖女を勤めていた少女。

反骨精神逞しく、日々の鬱憤を己の内側に吐き出し続けていた。

毎日お祈りの際に呪いの言葉を吐く程度には性格がひねくれている。いつしか自分をこの立場から救ってくれる王子様が助けにやってくれる事を待ち望んでいたが、待てど暮らせど来てくれないので自分が強くなるしかないと追い込まれた末に覚醒した。

 

「念願の婚約破棄を手に入れたぞ! ひゃっほー」


割とポジティブ思考で考えなしな性格が目立つ。

一人称は場合によって使い分けてる。気性は荒め。10年の聖女生活ですっかり荒んでしまった。


普段:私

冒険者:あたし

聖女:わたくし



◇聖教国家オルファン◇


◆ゼファー・エル・オルファン 男 61

ケインは43の時の子。

高齢出産だったので大層可愛がったが、優先順位を公務の後回しにしてしまった為にあまり父親らしいことができずにいたのを嘆いている。

妻シャザーラとは婚約者候補の一人。

他に二名いた婚約者は早期に亡くなっており、最期に残されたシャザーラと共に暮らした。

本来聖女の務めは5人~10人の交代制であり、役割に応じて格が上がる仕組み。

婚約者に抜擢されるのは聖女結界を担う三名の聖女のうち誰かが最もポピュラーだった。



◆シャザーラ・エル・オルファン 女 享年31

おおよそ30年聖女の勤めを果たし、力が失われた後ゼファーより婚約を言い渡されて結婚。

年老いたおばさん相手に嫌だわと言いながらも満更ではない様子。長年の聖女としてのお勤めの後もあり、母体に栄養が回らず、そして高齢だったこともあり出産によりその命を落としてしまった。

ゼファーによりその身は王族と同じ墓所に葬られた。

歴代聖女は力を失ってすぐにその命を落としてしまう。

時代に子を残すことができる聖女はなかなか現れないとされた。



◆ケイン・エル・オルファン 男 18

歳の離れすぎた親だった為、普通とは違う幼少期を送った。

取り巻き候補の少年たちによって歪んだ貴族観を刷り込まれてしまい、平民は道具だと自分には相応しくない相手だと思うようになる。

幼いピュアな頃はアリーシャに片想いしたものだが、歪められた思想により婚約破棄を決意する。

家臣を道具としか思っておらず、聖女の役割も大したことない物だと思っていた。



◆教主イカロス 男 49

元司祭として教会に勤めていたが、アリーシャの才能を知った時、己の内側に湧き上がる欲望を抑えきれずに悪の道に走った。

以降は歯止めが効かずにアリーシャを食い物にする毎日。

教会を我が物とし、才能のないシスターに肉体関係を迫ったりした。肉を食べ酒を飲み、女を抱く生臭坊主。

派閥『戦乙女』のロンダルキア家の息女によりその身を拘束された後、姿をくらました。

実は……?



◆オフィーリア 女 16

男爵家の令嬢。悪巧みが得意で妹の婚約者を奪った罪により、修道院に預けられた。一定の功績を得たことにより、教会の聖女付きへと身分を変えたが、そこでも学園生活の地続きのような上下関係に悩まされた。

元来の性悪な性格を気に入られ、イカロスからの命令により聖女をいじめてストレスを溜めさせる係に任命された。

理由は教えてもらえなかったが、ちょうどストレスの捌け口を考えていたオフィーリアにとっては渡りに船と快諾。

ちまちまとしたいじめと自分の仕事を丸投げして上手いこと充実した生活を送れていた。

しかし王太子から婚約破棄されたのを切っ掛けに下女としての立場も一転。

仕事を押し付けてたアリーシャがいなくなったことにより、本来の仕事が自分に返ってきてしまった。

普通ならばたったそれだけのことだと思うだろうが、10年サボったツケはオフィーリアの肉体にはさぞ過酷に思えただろう。

実は……?



◆ロザリンヌ 女 18

公爵家令嬢。

祖父が先代国王の王弟であった為、厳密にはケインとは従兄弟の関係。しかしそれを知らずに恋慕を抱き、その邪なる欲望のための玉の輿相手に選ぶ。

魔力の少なさから立身出世の道は選べず、政略のための道具として嫁に出されるのを待つだけだった。

そんな運命は嫌だとケインを誑かし、聖女の座に就任。

しかしアリーシャの後釜だったのが運の尽き。

本来の聖女の10倍のノルマをたった一人で務めていた挙句、イカロスの小遣い稼ぎ、オフィーリアの仕事までやらされて、さらには寝る間も惜しんで祈祷三昧。

もう嫌だと泣き出しても婚約者のケインは助けてくれず、教会の奥で軟禁されて聖女の仕事を延々やらされる羽目になった。



◆教主ナイアル ? ???

イカロスの後任教主で生真面目さが売り。

しかしその生真面目さとイカロスからの引き継ぎがないばかりに、事もあろうかアリーシャの仕事量をロザリンヌ一人にやらせようとした無能。

ロザリンヌを破滅に追い込んだ一人。

良かれと思っての行動が全部裏目に出た人物。

[≠≠検閲済み≠≠]ではないかと推測される。



◆ミリガン・アシアータ 男 32

某国の貴族であったが、その腕を買われて国王付きの護衛に抜擢された。すらりとした肉体からは想像できない膂力で槍を扱い、それらで伝説を打ち立てた正真正銘の伝説の持ち主。

海王ダゴン討伐者。その影響で海水を摂取すると半漁化する呪いを受けていた。アリーシャの祝福によって鎮静化に成功し、以降オルファンに滞在しては護衛業などで稼いでいた。



◇自由国家セヴァール◇

5つの派閥が寄り添って出来た連合国。

国民全員が冒険者と、振り切れた戦闘民族。

傭兵業や護衛業で稼いでおり、特にこれといった名産品はない。

武力を売りにしている。



◆ミリシャ・ロンダルキア 女 13

派閥『戦乙女』のロンダルキア家時期当主

幼少の頃からストレスによる過食症で白豚令嬢などと呼ばれて心に病を負っていた。

しかしイカロスの小遣い稼ぎの時にアリーシャと運命的な出会いを果たし、本来の美しい肉体へとその身を変貌させた。

それからアリーシャを『お姉様』と呼んで慕っている。

反面、高圧的な精神を宿しており、その嗜虐性は苛烈気味。

もし彼女が白豚令嬢としていじめられていなかったら、悪役令嬢としてデビューしていたかもしれない。それくらい悪には容赦しない性格。



◆ファル 女 17

Dランク冒険者パーティのリーダー。

恋人に振られた理由から男は信用できないとして女ばかりのパーティを発足。みんなの頼れる姉として交渉役を務める。

パーティ唯一の前衛で生傷が絶えないところへアリーシャが参戦し、メンバーの誰よりもアリーシャへ感謝している。

しかしパーティリーダーとして公平な態度は崩さない苦労人。



◆リーシャ/イーシャ 女 19

金髪ロングヘアの弓使い

女性的なスタイルをしており「その胸で弓使いは無理でしょ」と周囲から揶揄われている。

普段は中立を買って出ているが、こと甘味の事になると冷静さを失いやすくなる。

酒豪。



◆ミーニャ 女 ???

ちびっ子魔法使い。

猫人族は知能に長けており、魔法の扱いが巧み。

見た目が似ていることから、アリーシャとは喧嘩仲間。

実は……?



◆ギデロン 男 25

外街出身のAランク冒険者。

ミリシャの派閥戦乙女に在籍しており、頼れる兄貴分としてこき使われてる苦労人。乙女心に気づかない鈍感さを持つ。

剣技が多彩でそれのみでAランクに上がった実力者。

普段は飄々としているが、戦闘の時になると気性が荒くなる。



◆アイシャ 女 23

ギデロンのパーティメンバー。

女性ながらに逞しい肉体を誇るタンク。

パワー自慢で腕力を生かした格闘技も得意。

日に日に女性らしさを失いつつあるものの、可愛い物好き。

実はとある持病持ち。



◆ルディ 男 27

ギデロンのパーティメンバー。

根暗だが誰よりも他人想いな不器用な男。

器用さを生かしたトラップ設置や解体を得意とする。

後衛向きの職に対して本人の実力は前衛も任せられるほど多彩。実家に年の離れた妹がいるので女性の扱いは慣れてる。

しかし元来のぶっきらぼうさが全面に出ているので誤解を招きがち。



◇軍事国家ゼフィール◇

軍事事業に特化した王国。

それぞれの貴族が戦いの超エリート集団で、主に武器を扱わせたら天下一品。武器と鎧の製造でシェアを取っている。

竜を使役化して竜に乗る竜騎士を輩出してる国。

飛龍での移動がポピュラーだ。



◆ベルウッド・フォン・セイバー 男 41

セイバー公爵家当主

ゼフィール国の王弟でありながらその剣の腕前はセヴァールのSランク冒険者にも匹敵する。

15年もの間人狼化の呪いに悩まされていたが聖女アリーシャによってその呪いを鎮めることができた。

今では聖女同盟の立役者兼ファンクラブ会員兼会長。

彼女の前に立ちはだかる壁は黒剣によって斬り伏せられるとかなんとか。黒龍アルヴァトロス討伐者。

40代にしては童顔。どう見ても二十代前半にしか見えない。

実は……?

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