26「下種野郎の末路」
※グロ注意です。
💭 🔁 ❤×?969
今日は午前中が工場見学、午後が自由時間のはずだったんだけど、急遽、午後一から生田神社への参拝という予定が入った。
古井戸先生の説明は要領を得なかったけれど、きっと
警視庁支給の塩とお札も効果の無かった『呪い』が、果たして神社での参拝でお祓い出来るのかは分からないけれど……頼々子さんの事だ。きっと何とかしてくれる。
――長々くんの事は、朝食の前に、古井戸先生の口から至極あっさりと伝えられた。
『長々くんは昨晩、急死しました』
と、それだけだった。
先生も慣れてしまったのか、もしくは頼々子さんから何かしらの話を聞いているのか。
そして2年4組の面々もまた、その言葉を表情一つ変えずに受け止めた。いや、自分たちのいいねが減っている事に対する焦りの声はそこかしこで囁かれているんだけど、長々くんの死を悼む声は皆無だった。
他に変わった事と言えば、【下種野郎】種田と【エロ垢】江口さんが朝食に出て来なかった事くらいか。
【紅一点】州都「げっ、種田のヤツ――」隣の蹴鞠くんにスマホを見せる。
【陽キャリーダー】蹴鞠「え? ――あっ! み、みんな、種田のTwittooは見ちゃダメだ!!」本気で慌てた様子。
見るなと言われたら見たくなるのが人というもの。2年4組の面々が一斉にスマホを覗き込む。
――幸い、1分間動画は上がっていなかった。が、
『あんっ、あっ、あっ、あっ……』
朝食が並べられた座敷のそこかしこから、何やら聞き覚えのある女性の――江口さんの喘ぎ声! 種田のヤツ、江口さんとの行為を撮影してUPしてやがる!!
『ねぇウソでしょ? 顔丸見ぇじゃん! UPるのやめてょ!』
別の動画では江口さんが抗議していて、
『うるせぇ』
種田が、そんな江口さんを殴る蹴る。
『ぎゃっ! やめっ、あうっ……』
背景に映る部屋の様子からして、場所はこの旅館ではなさそうだ。
今日の夜中、『いいね❤ × 1分 = 余命』になってから、種田が江口さんを外に連れ出していたから、きっと何処か別の宿泊施設だろう……三宮には、大通りをちょっとでも外れれば、そういうホテルがいくらでもある。
【担任】古井戸「ち、チミたち! 一体何をしているのかね!?」
部屋中に種田と江口さんの声が響き渡るという惨状に際して、さしもの古井戸先生も慌て始める。
【紅一点】州都「センセー、これこれ」得意げに、先生に動画を見せる。
【担任】古井戸「な、な、な、何かねコレは!? この二人が何処に居るのか、分かる者は居るのかね!?」
【セミプロダンサー】舞姫「江口さんのTwittoo見れば、何か分かるんじゃ――ひっ!?」強張った表情で、スマホを放り出す。
僕はすかさず、江口さんのTwittooを確認する。
果たしてUPされていたのはYouTobeの動画と、
「1分間の――――……動画」
動画がUPされたのは、今朝未明だ。
1分間動画を見るのが怖くて、まずは先に、YouTobeの方を開く。
『うぇ~公開処刑実況~Foo⤴⤴』
江口さんの声。
江口さんのスマホで撮影された動画かな? 種田の動画と同じと思しきホテルのベッドに、全裸でぐったりとした様子の種田が縛り付けられている。
部屋は薄暗いけど、ベッドにべっとりと血が付いているのが見て取れる。状況からするに、種田が江口さんに鈍器か何かで殴られたって事だろうか?
【エロ垢】江口『はぁ~……顔も何もかも丸出しのハメ撮り晒し上げるとか、ウチの人生終わりじゃんね。ぴえん超えてマジぱおん』
ジョキン、ジョキン、ジョキン。
大振りのハサミが動画に映る。
【エロ垢】江口『せめてうちのいいねになってから死ねよな。って事で見ているみんなぁ~告知ツイートへのいいねとリツイートょろしくょろしくぅ。じゃぁさっそく』
種田のペ○スが大写しになる。江口さんはその根元にハサミを当てて、
――――ジョキン
【下種野郎】種田『ふごぉぉぉおおおおおおおッ!?』布か何かを口に詰め込まれていて、ぐももった声しか出せない。
【エロ垢】江口『はぁ~ぃ、どんどん行くよぉ~』
ジョキン、ジョキン。
右耳が、左耳が切り落とされる。
【エロ垢】江口『あれ、かったぃなぁ……ふんッ!!』
ジョキン!
左の人差し指。
【エロ垢】江口『ぇぃっ!』左中指。
【エロ垢】江口『かった。ぁー手ぇ痛ぃマジ』左薬指。
【エロ垢】江口『ぅぉりゃ!』左小指。
【エロ垢】江口『親指は……無理かなぁ。諦めよぅ。じゃあ次は右ぃ~』
同じ要領で右手指を切断していく。それから種田の口をふさいでいた布を引きずり出し、
【下種野郎】種田『ァあぁアアッァァアアああぁあああああッ!! 殺す!! てめぇマジ殺すッ!!』
【エロ垢】江口『はいこれ咥えてぇ~』喚く種田の口に、ペニスをつっ込む。ハサミでぐいぐい押し込みながら、『ぉら、早くしろよ。いつもウチの口にしてるみたいにさぁ!』続いて、指、耳を次々と種田の口に放り込み、これまた押し込んでいく。
【下種野郎】種田『おがッ、ふごッ、がッ……』次々と押し込まれていく異物に、やがて息が続かなくなり、びくんと大きく体を痙攣させて、それきり動かなくなる。
【エロ垢】江口『ぁ~ぁ、終わっちゃった。マジぴえん』
血塗れの江口さんがスマホを操作する様子が映り、
【エロ垢】江口『あ、面白かったら、面白くなくても高評価と、予告ツイートへのいいねとリツイート、お願いしまぁす! ……ふふ、「面白くなくても」なんて、あの基地外欲しがりっ子じゃないんだから』
――動画が終了した。
種田のアカウントには、1分間動画は無かった……なるほど、馬子の時と同じだ。いいねが尽きる前に江口さんに殺されたから、1分間動画はUPされていないってわけだ。妙なところで律儀と言うか、システマチックな『呪い』だよ。いや、一応、種田が実は生きている可能性もゼロでは無いのか?
そうして僕は、恐怖と怖いもの見たさがせめぎ合う心境の中、続いて江口さんの1分間動画を再生する。
ちょうど、YouTobeへの動画配信を終えてすぐのところのようだった。
例によって監視カメラのような、部屋を見下ろすアングルの画像の真ん中にベッドがあり、江口さんが居て、種田の死体――恐らくは死体――がある。
【エロ垢】江口『はぁ~これからどぅしょ。逃げてもどうせ捕まるし、自首ぅ~? でもスマホ取り上げられたらいいね稼げないじゃんね』
――その時。
黒い
スマホを弄る江口さんの背後に、ソレが立つ。
【エロ垢】江口『――ヒッ!?』気配を感じたのか、振り向いた。『下太郎!? 何で!? アンタそこで死んで――もがっ』
黒い
【エロ垢】江口『おがっ、ふごっ、がっ……』
まるで数分前の種田と同じような声を上げてもがき苦しむ事、数十秒。
やがて江口さんは動かなくなり、その数秒後に動画が終了した。
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