シーン 16

その日、外は寒い。みんなは天ぷらとそばを食べている。食事が終わって、お父さんがすずりチャンをソファーのある部屋に話があると誘った。すずりチャンは俺を膝に抱いて、お父さんの向かいに座った。お母さんも横に座った。かけるは何かを察したのか来ない。


 お父さんは、「今年ももうすぐ終わりだなぁー。すずりは〇ん高しか受けないそうだが、それで、いいのか。人生には予期せぬことが起こる。信用していないわけではないが、まんがいちってことがあるだろうー。〇〇学園も受けておいたらどうかな」


 すずりチャンは一瞬、俺を抱いている手にギュッと力入れた。少し間を置いて、「私は絶対に〇ん高に行きます」と はっきり答えた。「なずなチャンとも二人揃って行くって約束したし・・・。絶対頑張って行く」真っ直ぐ、お父さんとお母さんの顔を見ていた。

 お父さんは、「そうかー君を信じるよ」と・・・。すずりチャンは「じゃー」と言って、俺を抱いたまま階段を上った。


 そのまま二階のベランダに出て、星空を見ていた。寒いだろう・・・。暗い空に一筋の光が上の方に昇っていったかと思うと上の方で大きく広がって消えて行った。そして大きな音がしたが、突然、すずりチャンは俺を抱いたまま右手を上に真っ直ぐに突き上げて、「ゆくぞ、〇ん高ぉぉー」と叫んだ。俺はびっくりして腕から飛び降りて、すずりチヤンの方を見ていた。


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