素で性格の悪い桃太郎
はい、皆さん桃太郎の最初は言わずとも分かると思いますので程よく割愛させて頂きます。桃が流れて、割って、出てきて、育てて、鬼退治に行くと決断して家を出るところからスタートです。あ、この桃太郎性格が悪いです。
おじいさんとおばあさんに育てられた桃太郎は鬼退治に行くためにきびだんごを受け取りました。
「桃太郎やこれを持っていきなさい」
「何に使えんだよこれ」
口が悪い桃太郎ですがしょうがないのです。反抗期真っ最中であり、ちょっと性格がひねくれているだけなのでまだご愛嬌…ともいきませんね。成長が早いということは反抗期も早く来るということなのでしょう。
「まぁそんなこといいなさんな。腹が減ったら食べなさい」
「ふん」
反抗期の子供を育てる親御さん心中お察しします。大変ですね。そんなこんなで一応無事に鬼退治へ向かうことになった桃太郎ですが、もちろん1人で退治するのは大変です。道中仲間でも見つけて一緒に旅を共にしようと考えています。
「あぁ強いやついねえかな。早く終わらしたいんだけどな。ペッ!」
なんと教養に悪い昔話の主役でしょうか。子供に悪影響が出かねません。
ここで仲間にする動物達が事前通りあの3匹であればいいんですが、なんせひねくれてます。駄々こねて拒否しなければいいのですけども。
「あぁ強いやつ〜強いやつ〜」
怖いですねぇ。道でこんなこと言ってる子いたら
流石に引きます。
おっと、目の前に犬が現れました。
「お、犬だ。仲間にしとくか」
素直すぎてつまらないですね。このままでは読者が離れます。
おっと?桃太郎はきびだんごを取り出しましたが、それと…きな粉?
「おい、ワンコ。口開けろ」
桃太郎はきな粉をまぶしたきびだんご…を犬に。ん?めっちゃきな粉かかってますね。
「ゲボっゲホッ」
きな粉を大量にまぶしているので、むせているようです。可哀想に。
「おい、ワンコ。水欲しいだろ。ここに水あるんだけどよ。仲間になってくれるんなら水あげるけどどうする」
うわ、最低。
「ワン…」
「ようし、これで仲間ゲットだ。へへ、楽勝楽勝」
ナレーターですが、殴りたいこの桃太郎。
「おい、ワンコ。他に仲間になりそうな動物どっかにいねえか」
「ワオン(あっち)」
「そうか、そうか、行くぞ行くぞ」
教育に悪いどころか倫理的にやばいやつが誕生していて困惑ですね。誰ですかこんなの作ったの…桃から生まれてるから生みの親が分からない…おばあさん達に責任を取らせるのは酷です。一応見守りましょう。悪い鬼はちゃんと退治しに行くんですから。
「さてと、次はこっちにいるらしいけど何がいるのかな」
流れ的に多分キジでしょうか。悪徳業者みたいな勧誘方法で犬を仲間にした訳ですから次もろくな事が無さそうだと感じるのは私だけでしょうか。いや、皆さんも思ってるはず。
「おい、ワンコ本当にこっちにいるんだよな」
「ワン」
よくコミュニケーション取れますね本当に。桃太郎獣医かなんかの素質あるのでは。法外な値段取る獣医でしょうけど。
さてと、なんだかんだでキジと対面しそうですね。
「お、あそこに鳥が。キジか!」
キジもちゃんと出てきましたが、絶対酷です。
「おい、キジ。きびだんごやr
<省略>
「おっしゃ!キジもゲットだ!」
まさかの全く同じ手口でキジを仲間にしました。作品殺しです。同じ手口を踏むのですから省略せざるを得ません。
きなこ大量にまぶしたきびだんご…使い回すとは本当にやめて欲しい。
桃太郎の後ろに並ぶ犬とキジの顔が中々悲惨で見てられません。死刑宣告受けたのかと思うくらい暗い顔してます。
「ワ、ワ…ン」
「ケ、ケーン…」
え、人見知り。
嘘でしょ。2匹揃って人見知りなようでめっちゃ気まずそう。鬼退治までにどうにかしてください。雰囲気最悪なまま鬼ヶ島とか行かないでくださいお願いなので。
「おし、2匹ゲットしたことだし。ぼちぼち鬼ヶ島向かいますか。おい行くぞ」
なんやかんやで鬼ヶ島のすぐ側にある村まで歩いて向かう事を決めた一行ですが、あら、1匹足らない。ご安心ください。あと1匹は村の近くで出会うことになる手筈なのでそこまでスキップしましょう。
スキップ!
「お、そろそろ鬼ヶ島近いが…なんかいるな」
お、猿を見つけたようです。きな粉使ったらまた省略しないとなのでやめて欲しい。
「おい、そこの猿。きびだんご…」
「ん、なんだお前誰だ」
「うわ、え、猿が喋っ、えっ!?」
え、なんですかこの猿喋るんですか。ここに来てキャラの濃いやつが来ましたね。でも、なんかどこかにいたような。
「なんだ喋ったらまずいのか」
「いや、まずいとかじゃなくて驚きというかなんというか」
「貴様、刀を所持しているな。傭兵か」
「あ、いや、そういうのでは」
「じゃあなんで持っている」
「まぁ一応依頼と言いますか」
「じゃあ傭兵だろ」
「違うわ!状況整理させろアホ!」
流石の桃太郎もこれにはタジタジ。ついていけないようです。人見知りの動物2人は後ろで隠れてます。
ややこしいので鬼退治をすることなど事細かく猿に説明した桃太郎。
ということなんですよ」
「なるほど。貴様らが鬼を倒すほど強いのか私が試してやろう」
え、急だなぁ。こんなシーン原作に無いから。やめてください勝手なことするの。
「え、試すって戦うって、え!?」
この桃太郎完全に相手にペースを握られています。
「いざ!(→↓➘+A)昇〜龍〜拳」
あ、この猿どこか見覚えあると思ったら「サルカニ合戦」の猿ですね。知らない方は「自己解釈昔話 こんなサルカニ合戦は嫌だ」を見てみてください。
「え、ちょっと待っ」
間一髪桃太郎はこの攻撃を避けました。本当に間一髪。
「何、避けただと!」
「ま、ま、ま、まあな」
動揺が隠せてません。さぁどうするのでしょうここから。
「ならば次の攻撃っあ…」
「お、」
あらあら、猿が攻撃してから着地の際つま先から地上に接地。そして、まさかの着地先が大きめの石の上です。どういうことかわかりますね。捻ります。
「グキッ!」
「いったぁぁぁ!クソ、なんで石の上に着地したんだよ!」
「ど、どうだ。俺が置いたんだよ」
嘘つきました。
「ふ、なるほど油断させといて足元をすくったわけか。やるな」
なんでその嘘通じるんでしょう。
「認めてやるよお前らの鬼退治」
「お前、仲間になれよ」
「いいのか、じゃあ仲間にさせてもらうか」
「よろしくな!」
違う違う。なんか終わりそうな雰囲気出さないでください。簡単なハッピーエンドで終わらせないで。てか、猿騙されてるから。いい話みたいにしないでください。
「きびだんごあげr」
<省略>
結局きな粉まみれのきびだんごですか。
「なんなんだこの桃太郎。脅ししやがって」
やりやがったなこの桃太郎。全員きな粉まみれのきびだんごで最終的に仲間にしました。
「犬達、お前らもこんな感じで奴隷に」
「ワン…」
「ケーン…」
「お互い運ないな」
哀愁漂う最悪な雰囲気のまま鬼ヶ島近くの村へ到着。
「おぉ!あれが鬼ヶ島か!いやぁよく見えるな」
観光地ではないのではしゃがないでください。後であそこに乗り込むんですから。
「なぁ桃太郎。俺らだけで行けるのか鬼ヶ島」
猿がごもっともな事言ってますが確かに難しいですよね。
「まぁ村人に聞いてみるか」
てことで、情報収集を開始。
手当り次第村人に話を聞きまくり集まった情報は
「鬼ヶ島への物資を届けているということ。ここは鬼ヶ島の支配下みたいな所。鬼が来ることは滅多にない」
完全に植民地ですね。物資は定期的に欲しいものリストが送られてくるらしく、それに従って物資を用意しないと村が壊されるらしいです。
「鬼め…かなりの外道と見た。桃太郎、これは倒した方がいいのでは」
「ん〜めんどいね。嫌だ怖い」
イヤイヤ期ですか今度は。
「はい、風邪薬ね」
「いつもありがとうね」
どうやら薬屋の会話が聞こえてきます。
「桃太郎、薬屋がどうした」
「あーーいいこと思いついたかもぉぉ」
性格の悪さが滲み出ていますが何か思いついたのでしょう。
「おい、薬屋。下剤あるか」
「いらっしゃい。下剤?あるよ。若いのに大変だね」
「全種類だしてくれ」
「え、はい」
嫌な予感しますね。薬屋は下剤を全部出しました。
「おい、ワンコ。匂いを嗅んで1番やばいやつを当てろ」
「ワン」
クンクンクン…クンクン
「ワン(これ)」
「これか、薬屋これあるだけくれ」
「あるだけ!?」
「鬼退治に使うんだよ。お金は後で払うからとりあえずくれ」
「え、鬼退治に…本当に後で払ってよ」
「宝払いするから」
海賊ですよそれ。察しのいい方なら分かったかもしれません。海に囲まれた鬼ヶ島。飲み水ももちろんこの村からの支給。ならばそれ全部に下剤を入れるという外道。
「村長。飲み水これ?」
「そうじゃが、大丈夫なのか、成功するのか」
作戦を全て村長に伝えていて協力はしてくれるとのこと。桃太郎はノリノリで下剤を入れてます。
「大丈夫大丈夫」
後ろの動物3匹は相変わらずドン引きしてます。
下剤入りの飲み水は無事鬼ヶ島まで運ばれました。
「よし、あとは待つぞ」
「ワン、ケーン、おう」
1週間後
「桃太郎さんよ、欲しいものリストが来たぞよ」
下剤水を送り込んで1週間。桃太郎達は何もせずただ休みを満喫してるだけでした。本当に何もしてません。
「お、どれどれ、あぁ成功してるね。ほら猿」
「ん、どれどれ、あぁそうだな成功してる」
そこには大きな文字で
「大量の整腸薬」
と書かれていました。お腹下してるんですね。
「おい、キジ。鬼ヶ島まで飛んで様子見てこい」
「ケーン(ラジャー)」
キジはすぐに飛び立って鬼ヶ島へ向かいました。
「キジ戻ってきたな。どうだった」
「ケーン、ケ、ケーン」
「猿なんて言ってるんだこいつ」
「みんな腹抑えてきつそうだったって」
地獄ですね。
「よし、追加で下剤水送れ」
鬼に同情します。
また1週間後
「桃太郎さんや。鬼から手紙じゃ」
「どれどれ」
「タスケテ」
結構やられてますね。
「おし、整腸薬持って鬼ヶ島行くぞ」
なんかまた同じようなことする気が…
鬼ヶ島にて
「おい、桃太郎。俺らやりすぎたのでは」
「ん、こんなもんだろ」
目の前はのたうち回っている鬼達。
「は、腹が腹が」
「おい、長はどこだ」
「あっち…」
「あいつか!」
鬼の長へ一直線。そして、
「おい、鬼の長整腸薬あげr
<省略>
こうして桃太郎は鬼ヶ島にあった宝物をすべて取り返して村に帰ってきました。
こうして桃太郎は英雄として語られることに…
どちらが悪者だったのか…
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