第6話   アキラ警備会社に就職

 警備員と供に感謝状が贈られた。だが今のアキラには感謝状より仕事が欲しかったのだがそれから数時間後、警備会社の車で送ってもらった。

 何故か、この間からヒョンな事が良い方に傾いているような予感がしてきた。

 その良い方の吉報が届いたのは翌日の事だった。

 警備会社から是非お礼がしたいからと、わざわざ迎えの車を差し向けてくれるビップ待遇だ。その警備会社の本社、なんとなんと社長室ときたもんだ。

 大きな自社ビルを待つ大企業、社名は西部警備株式会社だ。警備会社でも大手、テレビのCMで知られる一流企業だった。社長は社員の警備員から報告を受け一度会ってみたいと自ら呼んだ。社長直々の挨拶となった。 


 「どうもどうも、ご足労戴きましてこの度は協力ありがとう御座いました」

 社員だけでも六千人も居る大会社の社長だ。そんな貫禄のある社長の挨拶である。 

 しかし社長には魂胆が? あったのだ。

 あの二人の警備員から風体を聞いて惚れ込んだらしい。その風体そのものが犯罪に近い男なのに?  だから使えるのである。うってつけのガードマン向きである。

 社長はその厳めしい顔と体格はガードマン役としては銀行警備なら、まさに顧客も喜んでくれるだろうと社長自ら頼んだのだ。

 これなら顧客も安心して任せられるガードマンになれるだろう。

 話はトントン拍子に進み、アキラにも有難い話で断る理由はどこにもない。

 それからアキラは研修期間一ヶ月後、池袋周辺の銀行警備員として勤務する事になった。


つづく


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