第6話 「魔王城に居たのは……」
ジークを追放してから数か月が経過した。
魔王城を守る最後の砦を守る、最後の配下を倒した私たちの戦力は半数。
勇者パーティの皆は無事で誰一人死なずに済んだのだが、各国から集まった他の仲間たちが半分戦死してしまった。
残り戦力は二十人。
勝てる戦いなのかと皆が半信半疑になってしまっている。
仲間の死に嘆く者、戦意喪失する者、帰る者が多発した。
結果、戦力は十五人になってしまった。
それでも魔王の根城は目前だ。
これを逃がしたら二度目はない。
勇者として皆を率いらなければならい立場だろう。
ここで諦めてどうする、私の人生はとうに変わったはずだ。
もう孤独ではない、か弱い女の子でもない。
それは他の者たちも一緒だ、ここまで付いてきてくれたからこそ最後の試練に挑むことが出来るのだ。
相手は配下が居なければ、まともに戦うことのできない臆病者だ。
なにが魔王か。
皆、準備万端だ。
最後に全員に言葉をかけ、奮い立たせる。
誰も欠けることなく勝てる。
たとえ強大な壁が立ち塞がろうと、勇気があれば乗り越えれるはずだ。
自信に満ちた顔で皆に告げてみせた。
すると、先ほどまで曇っていたのが嘘だったかのように仲間たちの戦意が高まったのだった。
魔王城へと侵入した私たちは、邪魔をしてくる魔族や魔物を休む暇もなく次々と倒しながら『魔王の間』を目指す。
しかし城の中部である広間に私たちは尋常じゃないほどの気配を感じとり、立ち止まることを余儀なくされた。
広間の真ん中に黒い鎧に包まれた男がいた。
私含め、パーティメンバーみんなが彼を目にした瞬間に驚愕をした。
そこに居たのは、
ジークだった。
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