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 最後まで決して諦めちゃいけない。奇跡が起きることを信じて抵抗するんだ。


 僕は顔を上げ、ジフテルたちを睨み付けた。そして腰から短剣を抜いて握りしめ、切っ先を彼らに向けて威嚇する。



 くそ……短剣なのに重い……。



 構えているだけで腕がすぐに疲れてくる。果たしてこんな状態で振り上げることが出来るんだろうか?


「生意気にも抵抗する気ですか。やれやれ、ここまでバカだとは呆れますね。分かりました、私が引導を渡してあげます」


 ミリーはネネとジフテルを手振りで後ろに退かせ、剣を抜いて僕と一対一で対峙した。


 張り詰める空気。彼女は微動だにせず、真っ直ぐにこちらを見据えている。その静かな中に威圧感と炎のような闘志を感じる。


「どうしました、勇者様? いつでもかかってきてくれて構いませんよ? 最期の一撃くらい繰り出してみてはいかがです?」


「……っ……」


「ただし、その直後に勇者様の命は尽きているでしょうけどね」


 吐き捨てるかのような素っ気ない言葉。それが僕の心を切り裂いていく。恐怖で全身が震える。言葉にこんな重さと鋭さがあるなんて……。


「う……うぁあああああぁーっ!」


 僕は覚悟を決め、玉砕覚悟で突進した。剣を握りしめたまま、突き刺すつもりでミリーに向かっていく。



 でも――


「……興ざめです」


 目の前から不意にミリーの姿が消えた。気が付くと彼女はこちらの間合いに入っていて、僕の握っていた剣を一撃で軽々と弾く。


 ――空を高く舞う僕の剣。そしてそれが地面に落ちる前に、ミリーの剣は僕の胴体を深々と貫いていたのだった。



 BAD END 3

 

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