クラフト系世界で好き勝手スローライフします!

猫野 伽羅

第1話 クラフト系世界に転生しちゃった!?

 私はいつの間にか、有名なクラフト系ゲームみたいな世界に転生させられたみたいだ。気が付いたらジャングルの中で、木を叩いてみたらぽろっと四角い木がドロップされてとても驚いた。


 しかも、外見も変わっているみたいなんだよね。ドロップされたアイテムが消えたので、色々探したり考えていたら目の前に半透明のアイテム画面が表示された。

 そこには私とは違う顔と服を着た女の子が表示されていた。赤い髪に黒い猫耳、服もオレンジのハーフパンツに紺色のシャツを着ている。隠れているけれど、黒い猫しっぽもあった。

 頭の上の猫耳もぴょこぴょこと動いている。なんだか新鮮な感覚だ。

 もう少し木が取れたら、少しジャングルの中を歩いてみよう。


「うーん、このツタでちょっと歩きにくいね」


 上を見てみると、ツタをするすると登って驚いた。試しに上ってみると、するするーっと簡単に木の上にたどり着くことが出来た。


「まさかこんなツタで登れるとは思わなかったね。本当にゲームの中みたいで不思議!」


 上から見てみると、少し先に平原が広がっている。ただ、どこを見ても建物が見当たらない。やっぱり自分でお家を作るしかないのかもしれない。


「よしっ、まずは平原に向かってみよう。こんなジャングルの中で夜になったら大変だもんね」


 何とか木から降りて平原に向かって歩いていく。平原に出ると、牛や豚や羊がたくさんいた。


「うーん、クラフト系ってことはベッドが作れるかもしれないね。でも、羊さんを倒すのかぁ。出来るかな」


 とりあえず1匹の羊さんをぽこぽこっと攻撃してみる。何回か攻撃するとぽふんと消えてお肉と羊毛がドロップされた。


「おぉ、ちゃんと羊毛がドロップされたよ。本格的にゲームみたいになってきたね」


 とりあえず、私がやってきたクラフト系ゲームを思い出して羊毛をあと2つ手に入れた。これでベッドが出来ると良いのだけど。


 アイテム画面を開いてさっき取った木を木材に変えることが出来た。その木材から作業台を作る。作業台を近くに置いてポンと手を置くと、クラフト画面が表示された。


「えーっと……あった。やっぱりベッドが作れるね! あとは木のツルハシが作れるから作ろうかな」


 ツルハシが作れたということは、石が掘れるってことだよね。どうやって掘れるのか、とっても興味がある。

 さっきのジャングルの近くに石がある所があったから、ちょっと行ってみよう。


 てくてくと歩いていくと、さっきのジャングルの近くについた。そこでツルハシを使って石にコツンと当ててみる。何回かコツコツ当てていると石がぽんっとブロック化して取れた。


「おぉ。これもちゃんとブロックで取れるんだね。本当に面白い世界だね」


 石を掘っていると、石と少し違う場所を見つけた。ツルハシで頑張って掘ってみてもドロップされなかった。


「もしかして、木のツルハシじゃダメなのかな?」


 作業台を出してクラフト画面を開いてみると、石のツルハシが作れるようになっていた。


「よし、これで掘ってみよう」


 コツコツと石のツルハシで叩いてみると、ぽんっと鉱石がドロップされた。アイテム画面で確認してみると、鉄原石だった。

 まだ鉄があるみたいだから、掘っていこう。その他にも石炭も掘ることが出来た。


「沢山取れて楽しかった~。よし、さっきの平原に戻ろうかな」


 平原に戻っていると、夕方になってしまった。拠点を作れなかったけれど、どうしよう。


「野宿? ちょっと怖いけど、試してみようか」


 ベッドをそこらへんに置いて、ベッドに横になってみる。すぐに眠くなって、次の瞬間には朝になっていた。


「えぇぇっ、もう朝だよ!? ベッドすごいね」


 野宿でも問題なく眠れて、かなりホッとした。ここはクラフト系ゲームの世界みたいだから、お家を作ることも簡単だろう。

 試しにジャンプして自分の下に土のブロックを置いてみると、綺麗に置くことが出来た。これでお家も簡単に作れそうな気がしてきた。


「よしっ、今日は色々材料を集めようかな」


 ベッドはそのまま置いておいて、素材を集めてこよう。少し歩くと、地面の裂け目が見つかった。そっと見てみると、鉄鉱石とか石炭が見える。鉱石はきっといくらでも必要だから取っていこう。


 慎重に下に降りると、そんなに高さがないから安心して鉄とか石炭を掘ることが出来た。しかも銅鉱石まで手に入った。

 上に戻ったら、今度は木を採りに行こう。木も沢山あると便利だもんね。


 木を切ったりしていると、辺りが薄暗くなって夕方になってしまった。早くベッドを置いたところに戻って寝ないとだね。


「よし、帰ろう~。っきゃぁぁぁっ!!」


 ちょうど歩き始めたところに穴があって下に落ちてしまった。


「うぅ、びっくりしたよぅ」


 とりあえず、石を積み上げて上に戻る。辺りはすっかり暗くなってしまった。ベッドを置いたところに戻ろうとすると、敵っぽいのが沢山見えた。


「えぇぇっ、どうしよう……」


 ベッドを回収しておけばよかったと後悔しながらベッドの方にそっと向かう。すぐにゾンビに気づかれて襲われた。

 なんとか倒したり走り回ってベッドで寝ることが出来た。こんなに周りに敵だらけなのに眠れるってすごくない!?


「本当に怖かった……。よしっ、今日はお家を作る場所を決めよう!」


 やっぱりお家は必要だよね。あとは敵が出ないうちにきちんと休もう。


 歩いていくと、ジャングルの近くに竹林を発見した。ものすごく立派な竹林なので、見に行ってみよう。歩いていくと、竹林の手前に水場があって平原になっている。


「お家からあの竹林を見られたら良いかもしれない。それにクラフト系ゲームってことは、釣りもできるかもしれないよね!」


 一応お魚もいるみたいだし、釣りも出来そうな気がする。これはぜひここにお家を作って、お家のバルコニーから釣りを楽しみたい。


「よし、ここを拠点にしよう!」


 まずはお家を建てる場所を整地しないとね。作業台を出してシャベルを作った。シャベルを使うと、簡単に土もブロックで採ることが出来るんだよ、楽しすぎるよね。

 なんだか楽しくて、整地作業がどんどん捗った。近くには羊さん達もたくさん見える。


 そのうち牧場も作ろう。にぎやかなお家になりそうでとっても楽しみだ。

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