第9話 バケの皮が剥がれてしまった奴らは、風邪を引いたみたいです。
ヘックション!
くしゃみをしたのは、
西の辺境伯様であった。
辺境伯は、練兵場に山と積まれた
真聖国の兵士達をみて身震いをし、
ソファーで談笑する正妻と
孫娘とメイドさん達から
睨まれて身震いをし、
えッへっへっへ〜
としか言わなくなった
自分の先祖のブルーゲス達を見て
次は我が身だと身震いをし、
どうしようかと途方に暮れる。
庭では、用!が何かを作っている
みたいだ。
それを見ている、孫娘達(王女の方)
は、なんとか話をしようと
しているが無理だろうな。
西の辺境伯は、やがて用が
なにを作っているのか気がついた。
地球のヨーロッパ地方で
昔からあった道具であり、
つい最近までフランスという国家で
使用されていた道具。
ギロチンという処刑道具だ!
庭に積み上げられた兵士は
真っ青になって命乞いする者と
自分のやった事を棚に上げて
逆ギレする者と
根拠の無い自分偉人説を
振りかざして喚く者とが、
うるさい大合唱を始めた。
用
「お前ら、処刑される思っている
ということは、心当たりが
あるからなのだろうが
ぶっ殺すのなら、お前らに
油を撒いて火をつけるだけで
いいのだが?」
へ?
という顔になる辺境伯と兵士達。
王女達も間抜けな顔になる。
真聖国騎士団長が、
「誰を処刑するのだ?
だ、誰を…」
用
「見せびらかす大衆がいないのに
なぜこんな面倒くさい道具を使って
お前を処刑しないといけない?
大体、殺されたから
罪が赦される考えとかは
大間違いだからな?
さてと出来た。
女性陣も、会議が終わったようだから
そろそろ移動するか…。
え〜と、神聖国だったか?
行く前にギャンブラー王国の城に
立ち寄るから!
まず、そこにお返しする者を
送り届けてからの
あのリーマンブラザー15世を…
あれ?お前たちと同じ鎧を来た
奴らがやって来たな。
ハァ〜。お前たちと違って
話が通じる者だといいがな〜。」
それを聞いた西の辺境伯は
真聖国の最強騎士がやってきたことを
感じていた。
先程から、やつの放つ剣氣の
凄まじい放射を感じていた。
だが…
あの勇者(用の事)の近づくと
全くあの最強騎士の剣氣すら
感じない。
事態が動くことを願ったが…。
10分後…
その最強騎士が、我が辺境伯邸の
石畳に全身の骨を丁寧に
折られて横たわっていた。
初めて、あの傲慢な最強騎士の
声すら出ない泣いている顔を見た。
わしも泣いていた。
ブルーゲス
「あ〜!
最強騎士?西の辺境伯ザンゴー?
ハハハハハ!
君達は初心(うぶ)だったのだよ!
そう!
なにも世間を知っていると
思い込んでいた粋がっている
ガキと同じ!
虚栄心とか、
根拠の無い自分が最強とかの
謎理論で固めた
バケの皮が剥がされたのが
今の状態!
恥じる事はないよ!
私も、この世界で政治を
やってやっと気がついた事だから。
自分の理論の欠点がわかって
直そうと戦うか、
それとも、無視してラリるかは
自分次第!
だけど、いくらラリっても
問題は解決しないのよ!」
用
「旧地球の時代に、そのことを
気がつけよな〜!
ハァ〜。
さてと、このお馬鹿(最強騎士)
が、言っていたが
厄介な軍隊が来るらしいから
まずは移動するか?」
ユイナ
「おばあ様も、
連れてくる行っていい?」
用
「まぁ、いいけど
辺境伯様が、
ギャンブラー王国至上主義だと
トラブルにならないか?
まぁ、その王国すら
今は存続しているか怪しいけどな~。」
西の辺境伯側室 ベンベー
「お兄様(国王の事か?)に
言いつけてやれば
あんた達なんて、終わりよ!」
用!
「その、お兄様?は
そこに転がっている
真聖国の最強騎士殿よりも
強いのか?」
西の辺境伯側室 ベンベー
「お兄様は、ギャンブラー王国の
国王よ!
軍隊に命令すれば、終わりなのよ
キャッハハハハハ!」
用!
「そのギャンブラー王国の軍隊は
そこで、山積みになった
真聖国と西の辺境伯の軍よりも
強いのか?
なら、戦うか!」
キャッハハハハハハハハ!
と、笑っていた女(ベンベー)が
笑うのを止めた。
西の辺境伯側室 ベンベー
「国王で一番強いのは…
西の辺境伯軍…。
最強の戦士は前辺境伯の娘の
マフィン…。
真聖国の騎士団は、王国の
近衛部隊の最強部隊と同格…。
ヒッヒヒッヒヒッヒヒッヒ!」
西の辺境伯の正妻
改め、辺境伯の正当継承者マフィン
「うるさい!ベンベー!
聞いたわよ♫
うちの娘を次元の裂け目に
突き落としたって!
王国も、滅んでいるかもね〜♬
あなたのご自慢のお兄様が
軍隊をよこさずに
真聖国の騎士団が来たという事は
その可能性があるわよね〜♪」
そんな、女性の戦いが
始まろうとしていた時、
用は西の辺境伯の首根っこを
掴んでギロチンにセットしていた。
用!
「この縄を切れば、上の斧が
落ちてきて首が胴体から離れる。
奥さんに…」
ユイナ
「え?辺境伯は処刑ですか?」
用!
「イヤ、奥さんに
決めてもらうしかないだろう?
こいつは、入婿でしかも
ギャンブラー王国の王女と不倫して
その挙げ句に、王権で不倫を
無理矢理合法化するのは
無理だから正妻のいや、
本当の辺境伯の娘を人質にとって
次元の裂け目に突き落とした
って事だろ?
なら、この自称入婿辺境伯の
処分もしないと!
あ〜!
先に言っておくけど
俺達を、真聖国?に引き渡す
なんて決定してたよな?
まぁ、人に言えない恥ずかしい事を
していたからには
隠蔽するためにそんな決定を
したんだろうが、先程から
ギャンブラー王国の為には
仕方がなかったなんて
訳のわからない事しか
言っていないから
俺が決めるなら、
生きたまま地獄送りだな。」
西の辺境伯(代理だった)ザンゴー
「待て!
この国では男しか、爵位は
継げないのだ!
そして、ベンベー達の言葉は
国王の意志なのだ!
仕方がなかったのだ!」
用!
「なら、今の状況なら
お前の孫娘がお前の
処刑を、望めばそれはそれで
仕方がなかったという論理が
成立するぞ?
国王様の後押しが
期待出来ない以上
基本的な暴力が権力となり
その権力が最優先だからな〜。
お前だけ、その道理が通って
いざ立場が逆転したら、
都合よくユイナ達だけは
その道理が通らないとは
ならないから。」
西の辺境伯不倫相手 ベンベー
「貴様ら! 今に…
え!なに?
ぐえ!」
マフィンさんに、腹を蹴られて
気絶するベンベー。
用は、空間拡張した荷台をもつ
トラックを出して、
真聖国の騎士団達と、
ベンベーと王太子を積み込んで
全速で走り出した。
西の辺境伯ザンゴー?
マフィンさんが一応後で
しっかりと時事聴取すると言うので
ギロチン台から下ろしたが
ザンゴーが、喚くので
殴って黙らせて簀巻きにして
荷台に放り込んだ。
全速力で走るトラック!
そして…翌朝…。
西の辺境伯の不倫相手 ベンベー
「嘘よ!ウソでしょ!
なぜこうなったのよ!」
王太子が、言うには
きらびやかな王都だったらしい。
商店も、夜遅くまで開かれており
ケンカや、裁判などの争い事は
皆、競馬や格闘技の賭け事で
勝敗を決める平和な
都市だったと言う。
ハァ?
ケンカの良し悪しとか?
裁判の争い事を
競馬や、格闘技賭け事で決める?
用には、この王国は壊れていると
感じた。
大人しくしていたから
縛らず座席に座って
同行していたブルーゲスが
言うには…
ブルーゲス
「これなのだよ!
こいつら、論理感がないのだよ。
止めろって言っても
全く聞かない!
だから、学校教育に
論理学を組み込んでも
すぐに改変して
人殺しバンザイ!
賭け事バンザイ!
暴高税バンザイ!
なんて事に改変して
その失敗を
全て俺のせいにしようと
しやがる。
なぜ、戦争になって
この世界がこんな状態に
なってしまったのかとかの
反省なんてしないのだよ!」
ギャンブラー王国・王都は、
人どころか、ネズミすら生きていない
状態で道端に倒れて
腐敗すらせずに
崩れていく状態の野ざらし死体が
散乱する崩壊都市であった。
王城の玉座には
死にかけの男が息をなんとかして
していたが、死に掛け状態であった。
ベンベー
「お兄様!」
用は無言で、
[死ぬほど激マズだけど、
死にかけでも治るポーション]を
飲ませて、
国王からなぜこうなったか
事情聴取することにした。
結果から言うと、
国王様は良識の持ち主であった。
平手打ちでしばかれる
元王女と王太子様は
ギャンブラー国王様の
「ギャンブルを辞めさせた。」
「民主主義の選挙を導入させた。」
「だが、自分で政治を考える事に
民衆は反発して王都の人口が
3割に減った。」
「それでもいいかと、国造りをして
退位する段階になって
死の波動がやってきたので
国王最後の命令として、
国の富を持って真聖国に逃した。」
「死の波動により国は干からびた。」
このたどたどしい言葉で
やっと実態を把握されたらしい。
国軍は民の護衛に全軍を投入。
王都では魔力が、鍛錬を積み重ねた
おかげで高かった国王だけが
虫の息だったが
いきながらえていた状態。
すぐに国王として責任をとると
言って自殺しょうとするが
用が
「国王の仕事と言うなら、
生きる事を許可されたなら
子孫を増やして、
死んでいった者達の
次の拠り所を作るのも仕事だぞ。
泣きながらでも、
つらくても、やり遂げた
国王達はいる。」
ブルーゲス
「まぁ、一緒に来ないか?
この世界の最後を見るのも
使命なのだろうな。」
もはや、後ろ盾が無くなった
みたいになって
虚勢すら無くなった
だたの庶民になってしまった
元王女ベンベーと
王太子達も乗せて
真聖国に向けてトラックは
自動運転で移動していく。
[ベンベーと、王太子の
返還は国王同行のために
中止になりました。
辺境伯は、ただ黙って見ていた
だけでした。]
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