第588話 フロント皇女ブチギレて、抵抗する

 シドニー


 フロント皇女は、ついに側近達が

説得されたのを見てしまった。


 側近達が自分を心配して、

考えた末の結論なのは、よくわかった。


 前世の弟のリッパーもそうだと言える。


 だが、いくら貴族と言えども、

嫌なものはイヤ!


 なぜ!結婚をしないといけない!


 結婚相手位、自分で選びたい!


 これは、現代でもそうである。





 だが、フロント皇女の場合は

かなり違う!


 魂を、使うだけ使って、

気に入らないからポイ!


って言うのも、

天界の方々が眉をひそめる理由である。


実は、天界もヨー(用!)に、

フロント皇女の希望も有るのでは?

と、たしなめたが…


ヨー(用!)は、

数億年も、魂から支えてきた奴に、

なんて言ったのだ?

天界は、ギャランべーに、

何も言って無いのだろう?


フロントには、言うくせに!


これまで、数億年も支えてきたのだから、

一回位願いを叶えてやれよ!


無理難題の魂の痛みを、

ギャランべーの奴は、

引き受けて来たのだろう?


なら、一度も叶えられていない

無理難題では無い希望を叶えてやれよ!


ギャランべーだけ駄目で、

フロント皇女は、

無理難題を押し通すのが

許可されるのかよ?



と、言われて、

主に、反発すると思われた天界女性陣が、

(確かに)と、言った事で、


天界の半公認の、結婚式準備が

侵攻(フロント的に進行ではなく、侵攻!)

していた。



フロント皇女が、何か祈祷の準備を

始めた。


ハーノ(元聖カルッティ第1王女)

「何か、喚び出すの?」


フロント皇女

「こうなったら、奴を呼び出す!

奴に責任を取らせて、

なんとかさせる。」



そして、祭壇に火を灯し

踊りだすフロント皇女!


プルト(元聖カルッティ第2王女)

「( ̄~ ̄;)」


プルトの顔でわかるが、

実は、フロント皇女!

ワルツとか、型のハマったダンスは、

なんとかできるけど、


他のダンスとか、踊りは下手である。


いや、下手過ぎるのである。


実は、プルトならぬミカンは、

この踊りを知っていた。


管理者召喚及び、お告げの舞踊である。


だが、

あまりにフロント皇女が下手過ぎて

何か、

モンスターを喚び出す踊りとなっていた。



ハーノ(元聖カルッティ第1王女)

「ゾンビが、出てくるのに

オレンジジュース一杯!」


プルト(元聖カルッティ第2王女)

「地獄の者が出てくるのに、

サイダー一杯!」


タラント

「ヒイーーーーーー!」



ボヨヨーン!


そして、喚び出されたのは!

ネコだった。


実はこのネコ、昔フロントの飼い猫だった!

しかし今は、地獄で拾われて

猫間(ヘル・キャット)の部下である。


見かねた、ヘル・キャットが、

ルットの頼みでも有るので、

用!に、相談したら、

元の飼い猫のピーが、指名された!


フロント皇女

「まさか! ピー?ピーなの?」


ピー

「そうだよ! 

助けてやれって、あるお方が言ったから、

来たんだよ!


どうしたの?」


フロント皇女

「あの、フロントバーレ諸国連合担当の

管理者を喚び出そうと、したけど

あいつの反応とか、匂いが全く無いのよ!」



ピー

「少しならあるよ!

外道軍の分身保存ポットだね!


他に、何か手がかりが無いの?」


フロント皇女

「あるよ!

私の前世の冷凍体に 

奴の一部をクリスタルに封印して、

埋め込んである。


裏切った時の、保険にね。」


ハーノ(元聖カルッティ第1王女)

「マルダス世界か!

行きますか。」


プルト(元聖カルッティ第2王女)が、

どこかに電話をかける。

「ネコちゃんごめん!

マルダス世界に行きたいのだけど、

なんとかならない?」


猫間(ヘル・キャット)(携帯電話)

「主からは、聞いている。

もう、用意出来てるから。


シドニー港にヨーデル号があるから

それに乗って!」






5時間後…


マルダス世界

ブリードル帝国・王城

深淵の間


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!


ジュワーー


液体窒素の液が、溢れる。



タラント

「これが、伝説の棺!」


プルト(元聖カルッティ第2王女)

「なるほど!

近いわね!


かなり近くよ!」


フロント皇女

「わかるのですか?

ってもう、情報を読み取ったのですか?」


ピー

「匂いを、覚えた!

近い!


え?」


ハーノ(元聖カルッティ第1王女)

「あーーーーーーー!


ここまでくれば、私でもわかる!」



王城の王座に、全裸で座っている、

前皇帝 ベガル・ラント・ブリードルが、

いたのだ!!


前皇帝 ベガル

「へへへへへへ!


 フロント!

 オレの、この剣で…」


フロント皇女

「なるほど!

 

 そういう事でしたの!


 相変わらず、下品な剣を振り回して!


 出てきなさい!


 元フロントバーレ諸国連合管理者

 メーバールーダー!」



前皇帝 ベガル

「何を!


 貴様ら、オレの妾にしてやろう!


 ショー!」



変な掛け声と共に、襲いかかるベガル!


しかし、


フロント皇女

「フン!」


フロントの蹴り

のど殺しを、

のどに受けて、

壁に激突して、頭が割れるベガル!



割れた頭から、

別の頭が、出てきた!



元フロントバーレ諸国連合管理者

 メーバールーダー

「ハァハァハァ!

やっと出てこれたぜ。


さてと、フロントじゃねーか!


うん?

うまそうな女達だな!


この身体は、まだ慣れないが


オレの剣で歓ばせてやるから


身体を、任せな!


と、ハーノと、プルトに襲いかかるが



ベギン!

ボキン!

グシャ!

 

元管理者は、強い!


確かに強い!


だが、金縛りにあったフロント皇女や、

タラント達みたいに、

動けない者ばかりではなかった。



ハーノ(元聖カルッティ第1王女)

「あら?久しぶりじゃない!

自警団の若旦那様?ダート様

アレレ?

元管理者のメーバールーダー?


散々、女性に乱暴していた

若旦那様の正体は、管理者だったんだ!


きゃー こわ~い!」


そう言いながら、拳で叩きのめすハーノ。




プルト(元聖カルッティ第2王女)

「ハァ〜

お前だけではないよね?

フロントバーレ諸国連合の

それぞれの担当は、どこに行ったのかな?


吐かないと、ミンチにしてしまうぞ!」


元皇帝の身体中の関節を外して粉々にしていく

プルトさん。


金縛りで動けない

フロント皇女や、側近達は

その惨劇を、見るしかなかった。


ハーノ(元聖カルッティ第1王女)

「ハイ、封印!」


元管理者メーバールーダー

「アーーーーーー!」



プルト(元聖カルッティ第2王女)

「よく似たニオイが、沢山出てきたわね!」



謁見の大広間の扉が開いて、

ボディビルダーの体型に変わった

元皇太子や、


ソンビのように変わった皇子達が、

ふらついた足取りで、やって来た!


「女〜!」


「久しぶりに暴れるぞ〜」


︙ 


やはり、格の違いか

金縛りに、とらわれるフロント皇女達。

それを、結界で健気に守るピー。


そして問答無用で、襲ってくる元管理者達。

だが、結果は

ハーノと、プルトに叩きのめされ、

封印されてしまう。


プルト(元聖カルッティ第2王女)

「では答え合わせを、しましょうか?」


金縛りが解けたフロント皇女が、

悲壮な顔を、していた。


フロント皇女

「なぜ?気づけなかった!


なぜ?」



元皇太子 ブリ・ラント・ブリードル

の正体は、

元管理者 メーバールーヂー



第3皇子 ダイオキシン・ラント・ブリードル

の正体は、

元管理者 メーバールーヅー



第5皇子 バッド・ラント・ブリードル

の正体は、

元管理者 メーバールーデー


第6皇子 ドブラット・ラント・ブリードル

の正体は、

元管理者 メーバールードー


◇第1皇女 ビイチ・ラント・ブリードル

の正体は、いや前世は、

フロント皇女の前世の1番上の姉で、

元ギャランべーと強制的に結婚させた

元フロントバーレ諸国連合の

第一王女 フロンバー



封印された、元管理者達と、フロント皇女の姉が転がる、大広間にやって来た者達がいた。


プリナ女王と、

第3地獄戦隊(ワンダーランド)だ。


プリナ(ブリザード公国女王)

「元フロントバーレ諸国連合管理者は、

全員そろっているわね。


ハァ、主様がおしとやかに拘束してくれ、

なんて言うから、

おとなしくするつもりだけど、

派手に、殴ったわね〜。


フロント?

もう、わかっているでしょうけど

時間があまりないわよ。


質問があるでしょ?


早くコイツラに聞きなさい。」



フロント皇女

「私の魂が、他人の魂を強奪して

改造されたモノだというのは、

本当か?」



元管理者メーバールーヂー

「本当だ! 

生まれる直前に改造手術がされた。


人選は、兄貴メーバールーダーがやった。」


フロント皇女

「なぜ?そんな事をした。」


元管理者メーバールーヅー

「外道国の元管理者共々、我ら兄弟は、

もともと他の世界を管理していたが、

失敗したのだ。」


元管理者メーバールーデー

「あの、精霊・妖精達も、前の世界を

掛け持ちしていたから、

その時の責任を取らせて、

全ての精霊王・妖精王と、契約させた。


絶対的な成功が、昇進の為に必要と

疑わなかった。」


元管理者メーバールードー

「だが、結果は失敗だった。

最後に八つ当たりをしようとなって、

外道滅殺拳当主のヨーを、

乗っ取ろうと、

あの大戦末期の地獄のさなか、

お前の妹のフロンティアを、

励まして、霊星に送り出して

気が緩んだ時に、

ヤツの魂に我らは触れた時だが、


なぜ、我らが失敗したのか、

よくわかった。


愚かだよな。


ヤツは、自分の魂の性欲を分離して、

焼いているつもりだったが、

違った!」




元管理者メーバールーダー

「クソ! ヤツは、真実を悟って

昇華していたのだよ!


格上だったのだ!

そして、俺達は吹っ飛んだ!

ヤツの魂に触れることすら出来ずに

吹っ飛んだ!


だが、そこで外道管理者達との

コラボレーションが、仇になった!


外部演算コアに、

我らの地上関与の補助をさせていたが、

協力関係の天界第4室に裏切られ、


俺達は、無理やり

人の魂にさせられたあげく、

外部演算コア経由の封印を食らって、

フロントの血筋に封印されたのだ。」



プリナ(ブリザード公国女王)

「なるほど…

ハァ、やっとわかった。

その封印は、外道王の誰かが

自ら、あの外部演算コアに、

破壊・自壊命令か、物理的に壊さないと、

解けない様になっていたのね。」


アリス(地獄戦隊ワンダーランド)

「そろそろ、こいつらを連れて行かないと、

コイツラも、自壊するわね。」



フロント皇女

「フロントバーレ諸国連合元管理者様達に、

ききます。


私の魂を元に戻して、制約なく

生きる方法があるはずです。


教えて下さい。」


つづく

















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