第564話 どうすれば救われるのか?
パプアニューギニアのビスマルク海を通過ようとしている用!達はオーストラリア・都市ブリスベンを目指していた。
空母ヨーデル内
ヘル・ウォッカ
「主!フロントは、我々に任せて南極に行ったほうがいいと思います!」
用!
「フロント皇女の事か?
だが、奴が反省していないのがわかった以上、野放しにしておくわけにはいかない。
奴の特殊性を解除して、普通の魂に戻さないと、アイツは転生するたびにその世界で大戦争を引き起こす爆弾になる。
もう、終わらせないといけない。」
AI
「特殊性?ですか?
誰かの魂を使って、完璧な魂に改造したという話でしたね。」
用!
「それも、一人の魂の犠牲で造られたものではないんだよ!
実は、一人はわかっているんだ。
フロント皇女の父親が未認知状態にしている、フロントの異母妹であるフロンティアさんだ。(第510話・511話登場 コールドスリープ状態)
なんとか、霊星(今は無い、火星と木星の間の小惑星帯となっている。)に届けたから、なんとか亡命先でも、生きている事を願うしか無いのだけど。
問題はもう一人、犠牲者がいる。
男性だ!
これが、誰か当時わからなかった。
恐らく呪いとか、かかっていなかったら、フロント皇女と結婚話になるはずなのだが…」
ヨッピー
「え?そうなの?結婚話とかになるの?」
AI
「その結婚話って両者の同意で行われるものですか?」
用!
「結論から言うと、運命的に強制になるらしい。
これは、地獄の浄化後に天界の仕事を手伝っていた時に、いろいろと天界のかなり上の存在から聞いた話なのだが、
フロントみたいな魂を呪詛みたいなもので作ったとかのケースだと、ほぼ強制的に結婚するみたいな流れになるらしい。
フロントの場合だと、二人の魂を使って改造された言っていた。
一人目の犠牲者は、フロンティアさん!
彼女は、その代わりにフロントの精霊王・妖精王との契約を、強制的に解除出来る能力を、歪まされた運命の反動で身につけたらしい。
そのせいで、地球魔導怪獣大戦末期にフロントに他国の山中に亡命中に、大陸間魔導爆弾ミサイルで山ごと吹き飛ばされて、暗殺されかかったのを、オレがなんとか助けて霊星に送ったんだよ。
問題は、もうひとりの犠牲者だ。
男らしいのだけど、名前は教えてくれなかったが、どうもフロントに殺されているみたいだ!
フロントは生まれてすぐに、貴族と婚約を親達(皇帝達)が結んだらしい。
だが、成長して自我を確立したフロントは嫌がって、婚約破棄しようとしたがなかなか出来なくて、婚約をそのまま強行しようとする自分の姉達や兄達を片っ端から、精霊王・妖精王達との契約で付いた戦闘力を活かして、戦争に出陣することで、皇帝と交渉して平民に降格させたらしい。
そして、最後に残った正妃の子の兄(皇太子)と第一皇女を残して、全て平民に降格させて、最後に兄は城の前線に強制的に行かされて戦死となる。
そして、その過程でやっと婚約破棄出来そうだったが、婚約破棄を偽装してフロントを騙した事に対する怒りの勢いで、第一皇女とフロントの元?婚約者を、強制的に精霊・妖精契約での婚約をさせて結婚式を戦争中に無理矢理実行!
その後2ヶ月後に、新たに起こった領土争奪戦争の前線に、元婚約者と異母姉(元第一皇女)夫婦を送り込んだのはいいが、この夫妻が皇帝と自分を無視して勝手に講和会議をしたとして、占領した国で試作中だった魔導爆弾をその講和会議場周辺に5発撃ち込んで、相手の小国ごと吹き飛ばしたらしい。
その当時、俺は普通の村の子供から青年をやっていた時だ。」
AI
「壮絶な、内容ですね。
では、そのフロント皇女の元婚約者が、フロント皇女の魂改造の為に魂の一部を引きちぎられてしまった犠牲者なのですか?」
用!
「恐らく、そうだとオレは思っている。
そして今のフロント皇女がその犠牲者の前世の元婚約者と、両者同意の結婚話となるかどうかだけど、同意しなくても強制的に話が成立するようになってしまうという運命になっているんだよ。
えー(・_・;) 女性的には強制的に結婚とか、
不愉快な話になるけどね例えば、
恋をした時にね、「心を盗まれる。」とか表現するけど、
フロント皇女は、相手から「物理的に魂を強奪した。」
状態なの!
そして、その強奪された魂の一部は完全分離されていなくて、別次元の空間を通って細い糸状態だけど繋がっているのだよ!
つまり、「赤い糸で結ばれている。」どころか「魂の糸で繋がっている。」状態なの!
そして、そんな状態を天界は放置するほど、甘くないよ!
解決するように、フロント皇女と魂改造をしたフロント皇女担当の管理者に、警告しているはずだ。
それでも、フロント皇女が強奪状態を強行すると、嫌でも二人は出会う運命になってしまうけどね、またそれを精霊・妖精契約とか、呪いで歪めようとすると、今度は天界が動くだろうね。」
AI
「つまり、フロント皇女と第二被害者は、出逢う運命なのですか!
そして、フロント皇女は結婚をすることで[罪の精算]をする事になると言うことですか?」
ヨッピー
「[罪の精算]の始まりが、結婚なんだろうね。」
用!
「そうだな。
まぁ、強奪状態を強行し続けると、いずれ無理矢理抑え込んでいる拒絶反応が発症して、フロント皇女の自我も魂も崩壊するから、それを阻止しようと二人が助け合う形の結婚と言う解決方法の流れの運命になってしまうのだろうな。」
AI
「そんな形の夫婦になってしまって、救われるのですか?」
用!
「これだけはな〜、フロントが警告を受けた時点でわかっていて、ここまで強行している事から考えると、本人の意思としか判断出来ないよ。
魂を強奪したまま、強奪された犠牲者を放置しておいて、己のやりたい放題を認めるほど天界は甘くないぞ!
この運命の動きの主体はフロントなのだよ。
だから、フロントは分かっていてやっていることだから、なんとも言うつもり無いが、問題は犠牲者の今の意思だよな。
こればっかりは、犠牲者に聞かないといけないから、まず今のフロント皇女をコッソリ見て、(魂のひも)をたどって犠牲者を探し出そうと思う。」
AI
「そうでした。相手の犠牲者さんの気持ちもありますよね。
だから、ブリスベンに直接行くと言うのですね!」
用!
「うん。そうだよ。フロント皇女を恨む者はかなり沢山いる。
俺も腹を立てている一人だ!
このまま奴が解決せずに、どんな形で死んだとしても、すぐに転生してこの世に出てくるだろう。
そして、いずれ大戦争が起こる。
その悪すぎる循環を断ち切らないと…
ハァ…
胃が痛いよ…。」
ヨッピー
「あれ?そういえば、昔聞いたことがあったな…
スラ蔵が仲間のスライムから、その講話会議場ごと魔導爆弾?で爆破されたときの話を聞いたことがあったな…
確か…フロントバーレ諸国連合側の出席者の名前は、
ギャレー?
ギャバレー?
ギャンバー?
そんな名前だったような?」
ヘル・ウォッカ
「ヨッピーさん、そいつの名前はギャランべーではありませんでしたか?」
ヨッピー
「そう! ギャランべー!!」
用!
「えーと(゜o゜;異次元無線を繋げて、おーい!!こちら空母艦ヨーデル!
テンアトミックランド応答願います!」
メイド・トロイ(無線)
「ハイ、聞いておりました。今スラポがスラ蔵に確認しております。
えーと、そのとおりだと言うことです。
あとはウォッカに説明を任せます!」
用!
「エ?」
ヘル・ウォッカ
「実は、主…
その…
今、パイン街に精霊・妖精人認定勇者のギャランべーと言う、バボン地球援軍から抜け出した元大臣が、主に精霊王・妖精王に詫を入れに精霊・妖精界に来い! なんて狂った事を言ってきたから、ヘル・タイガーが特性牢屋に入れたみたいです。
虎尾(ヘル・タイガー)さん、フロントバーレ諸国連合の出身でして、ギャランべーの事を知っていて、バボン国王に引き渡すと処刑は確実なので、牢屋に入れておいたみたいです。
主に対して、フロント皇女が魅了をかけると予想できていたので、その予防策に使えないか考えていたのですが…。」
用!
「勇者? 精霊・妖精認定の?
変だな?
その元婚約者は、精霊・妖精魔導術師では無かったから…
あれ?
そいつに、担当の精霊か妖精が付いてるのか?
それは、わかるか?」
ヘル・ウォッカ
「元バボン王国大臣時代は、魔法の事に関しては不得手を装っていたと、バボン国王の証言があります。
しかし!時々精霊の光が見えていたので、精霊術師ではないかと、思っていたらしいです。
はっきりとしたのは、つい最近南極大陸戦で、精霊・妖精が敵対したときにバボン先王と、ホロン国王が一般兵の精霊・妖精魔導術師達の離脱を許可した時に、バボン貴族軍総大将の地位を捨てて逃亡した形になっています。」
用!
「おかしいな…
精霊・妖精魔導術に関する魂の部分も物理的に強奪されているのに、なぜ精霊・妖精魔導術が使える?
精霊・妖精を側における機能が強奪によって、機能不全になっているはずだ。
おかしいな…
その認定勇者は、前世の婚約者ギャランべーの転生体なのかフロントの魂を確認して確かめないとなんとも言えないな。」
ヨッピー
「フロントが死なないように助けて、こっそりと魂を確認するしかないね。」
ヘル・ウォッカ
「ヨッピーさんの言うとおり、こっそりとしましょう!」
用!
「それに、用意もしないとな。
天使キューピッドに頼んで、さっさと結婚させるか?」
AI
「え?天使?」
用!
「いるらしい。見たことはないけど、いるらしい。
(恋のキューピッド)なんて言われている。」
AI
「へー!」
天界では、
「オイ!今、キューピッドは、どこにいる?」
「入院中ですよ!入院中!」
「政治制度が、結婚を阻んでいる状態が長くなった為に、結婚者増やす為に無理をしてオーバーワークになってしまい、入院中ですよ!」
「えーーーーーー! 2人ぐらいなんとかしてほしい対象者がいるのだけど!」
「だれですか?」………………。
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