第495話 今思えば、かなり重要な事を聞いていた。

  ヘルムーンの墜落予想時間まで、


     あと80時間!


 用達は、まだ山の麓の隠れ家で休んでいた。


 まだ、用が仕込んだ餌に敵が食らいついてないのだ。


 その間、恵みと多可士に、いろいろと用も質問をしていた。

 

「多可士の、ファイアーボールって自身の魔力を練っているけど、それ以外の魔力も練り込んでるよね?」


多可士

「え?そうか?うーん?」


恵み

「私の魔法は、妖精さんが魔法発動を補助してくれるから、少ない魔力で放てるのよ。」


「多可士は、精霊の補助というか、加護みたいだね。加護の時に口止めされたのかな?」


多可士

「用君…ごめん…言えないんだ。言ってはいけない。そこまでしか言えないんだ。ごめん。」



恵み

「用君は、無いの?補助とか?」


「精霊とか、妖精の補助とか加護とか有ったら、ファイアーボールとか撃ちまくっているよ。


 これは、昨日も見せたけど、オーラとか気を纏って、音速を越えて正拳を撃ち出して、その時の空気摩擦での発火で火を起こしているから。


 まぁ、その代わりに凄い有能な補助してくれる人がいたから、ここまでこれたのだけどね。


 そうか……


二人には精霊と妖精の補助がついたのか。


 なるほどね。」


多可士

「(精霊達が、だまりこんだ?どういう事だ?

え?震えている?)


 用君、人にはそれぞれの適性が有ると思うんだ。


 だから、あまり気にしなくてもいいと思うのだけど。」



大盾 恵み

「(妖精が、余計な事を喋るなって怒ってる。


どうして?え?冷や汗かいてる?震えているの?


用君が怖いの?


ねぇ何故そんなに震えているのよ?)


まさか…用君…スキル無しで、


ここまで来たの?」


「まぁ、この世界とマルダス世界でのスキルって意味だと、俺にはそんなスキルは無い!


呼吸スキルって、いう根本的な生存に必要なスキルも、どうも自分で編み出したらしい。


その証拠にホラ!ステータスボードには、


(自作、及び元々持っていて覚醒したスキル)


なんて欄に(有ると予想されるスキル)と、表示されているけど、マルダス世界獲得スキルって欄には何も無いだろ?」


多可士

「(精霊達が、黙って…え?こんな事…初めてだ…何かとんでもない事に触れた?)


呼吸スキルを…自分で編み出したって…」



大盾 恵み

「(うわぁ…妖精達が、沈黙した…これは何か隠し事があるの? 妖精達が何か重要な事を隠してるというの?)


呼吸から、自作…え?ということは…この国の言葉も?」


多可士

「そうか!マジか!」


「言葉は、うん…なんとか覚えた様な…日本語と文法が同じだから、思い出した様な感じで使えるようになったよ。


(ウソは言ってねーよな! 

どうも、旧地球時代の言葉を思い出したみたいだと今は解釈しているけど…)」




 そんな事を、喋っているのを聞いてヨッピーは、用がいったい何を聞いていたのか?何を調べているのか?がわかり、


「(なるほどね…これは…まぁ本人達の意志だからオレは手出しはできないよな。)」


と、やはり地球魔導怪獣大戦を知る猛者はこの会話の意味を理解した。




AI

「(用様!メールが来ました。サブがそろそろ介入したいと言ってきました。


 それと、ユグドラシル姉さまから、作戦は滞りなく進んでいるとメールです。


 それと、パイン街から二人の受入れの用意が出来たとメールが、ヘル・タイガー様から来ました。)」


用!

「(わかった。ありがとう。パイン街にすぐに送ると、連絡して!)」



「そろそろ、時間が来たな。この大地もいつ崩れるかわからないから、先にマルダス世界に送るよ! 向こうで宇宙船が地球から帰って来たら、そのまま地球に帰る事も出来るから!」



用がそう言った時に、AIが夜空の星からの何かの光が降りてきた様な演出をした。


そして、用が携帯端末の魔法陣ライトを照らし二人をマルダス世界のパイン街に、素早く送る。



「フー!上手くいった。」


ヨッピー

「相変わらず送り方が強引って感じたけど、これ以上この世界のゴダコダに巻き込まれての被害を最小限にするには仕方ないかなぁ?」


AI

「ですね! あのフヨフヨ浮いていた奴らもついて行ったみたいですね。


 まぁ…私の方が有能ですし!」


「ハイ!そのとおりです!ほんとにお世話になっております!」



ケラケラ笑っていたが、それを見ていた天界のある方々は、深刻な顔をしていた。





そして、外道3国の王達は…


デスムーンにも、なんにも無いという報告に、真っ青になっていた。


すぐに、外道(仮)管理者1号に連絡を入れる!  


「大変じゃ!デスムーンも空っぽじゃ!修理というレベルでは無い!こうなったら、自身であの当時のムーンシリーズの要塞を召喚しないと無理じゃ!」



外道(仮)管理者1号

「なに本末転倒な事を言ってるのよ!


エネルギーが無いからムリ!


だったら南極基地を早く、無理矢理修理しろ!


あと、根性でマルダスにデスムーンの墜落を阻止しろ!


管理システムが、敵とみなして攻撃の段階に入った!


計画を言うぞ!


南極の修理を呪いを使っても早くさせる!


軍隊を使っても、60億kwをあと3時間以内に実現しろ!


そして、デスムーンの撃墜阻止の為になんとか、デストピア側に落下を変更させろ!


力さえ戻れば、人工要塞の外殻さえ有れば復旧出来る!1時間以内に実行と実現!



それが出来なければ、お前らも終わり!


わかったな!」


王達

「「「はい…」」」



そして、急遽!緊急に呼び出された、予備役を含む250万の軍が第二陣として転移して行った。



しかし、本当に上手くいくのか?


つづく…











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