第343話 やって来た自称婚約者4

  その頃パイン街では…


「ムームー!」 


なんと!用の口を、ゆみさんが


塞いでいた!


メイド・ゆみ

「おねがいします! 腹は立つけど、


戦争が起これば、他の人達が


生きていけなくなる。


王国は、滅んでも仕方ありません。


散々私達をダシにして、


魔王討伐とか言っては、


虐殺して来たのですから!


命を、遊びの駒にして来たのですから!


だけど、それ以外の者達は、


戦争が起きれば確実に巻き添え死です!


どこかに亡命する時間を与えて


下さい!」



「ハァ… 確かにな…」


第2王子?ミルト・ラ・バボン

「(マズい…これまでの苦労が…


全て…ダメになった!もういいか!


やーめた! もっと自由にやろう!)


ハイ。そのとおりです。


腐った王国は焼くか廃棄するしか、


ありません。



聖カルッティ王国も、


終わりにしないといけません。


そして、こんな事を強行する


バボン王国も終わりでしょう!


用様、あの元女王を取り調べて、


私達も取り調べて、


国の終わりの、総括をおねがいします。」



「ハァ…オレが言っているのは……


うん?待てよ? 


命令は、対話? 恐らく成立しない。


取り調べでは、対話とはみなされない


だろうな。



よし、あの国王が自称・冒険者メルトと


対話ができたなら、


やってみよう!では、ルルト殿。


国王にそう伝えて下さい。


トロイさん!あの詐欺師とルルト殿を、


転送して欲しい。」



メイド・トロイ

「主〜メインのゲスがきたよ〜!」



元マルダス世界管理者・マイネ

「誰がゲスじゃ! 天界からの命令だ!


素直に言うこと聞けば、いいんだよ!」



「大俵さん、皆さんパイン街を頼みます。


トロイさんとトロイアルさんは、


この王国が滅んだらクラスの女子組を、


地球に返して、大俵さん達と


地球で暮らしてくれ。


ヤツは、ここでケリをつける!


そうしないと、ずっと不幸の連鎖だ!」




元マルダス世界管理者・マイネ

「人を悪霊みたいに言うな!


てめぇが言うことを聞いたら、


それで、全て解決なんだよ!」



「フン! ゲスのセリフのテンプレでも、


あるのかねぇ?


お・こ・と・わ・り!


お断りなんだよ!


今回の事を画策したのは、


情報統制第2局辺りだろ?」



元マルダス世界管理者・マイネ

「ざんね〜ん! もっと上の方から…


オイ、なんだよその笑い…


本当にそうなんだよ!


ムカつく! だったら、貴様が…」



用?

「フン! あのクズゲス四人組が、


勝手にこのマルダスに逃亡したときにな、


オレが、地獄の後始末したあと、


反省して、競争こそあれど、


殺し合いの無い素晴らしい国家を


作ったなら、話を聞いてやる


が、もし出来ていなかったら、


関係者含め、皆殺しの許可が出る!


そして、これが許可書!


ざ〜んね〜んでした!


と言うわけで、今回の騒ぎを起こした、


落とし前をつけてもらう。」



元マルダス世界管理者・マイネ

「ヒッ! そんな!クソ!死ね!」


マイネが、右手から光線を出す!


しかし…


パスッ…


用?に当たったけど…消えた…


用?

「ハァ…クズレベルを上げすぎて、


笑いすら取れなくなったか…


仕方ない、


今世のオレの方で相手するか…


レベル上げにもいいからな〜!」



元マルダス世界管理者・マイネ

「クソーーーーーー!


喰らえ! ヘルゲートクラッシャー!」



「ハァ〜!


クリア・ダーク10倍!


透貫光浄化砲!」



ドン!


用の左手の貫手からドリルのクリアダークが、


発せられる!



そして黒き玉と、白きドリルがぶつかる!



元マルダス世界管理者・マイネ

「クソ!押されるなんて!


アイツ、今世とか言っていたな!


なんてやつだ! 出力10倍!」



黒き玉が大きくなって、


白いドリルを押し出す!



だが…両手をマイネは使っているが、


用は、右手が空いていた!



「出来た! いくぞ!


クリア・ダーク30倍!



クリア・スクロールラビリンス!」


用の右手の指先から、肘まで縦状の


白い雲が出て来る。


それは、ゆっくりと遠巻きに螺旋を描いて、


マイネを包囲していく。


上も下も逃げられない空間が形成される!



そして、ヘルゲートクラッシャーが…


バリン!


という音を立てて砕かれ、


透貫光浄化砲がマイネに突き刺さる!



元マルダス世界管理者・マイネ

「ぐえぇぇぇぇぇ!」


ドン!


透貫光浄化砲のドリルが、 


マイネを胸から背中に貫通する!


そして、ラビリンスの白い雲に当たり、


同化する!


マイネが串刺しになった状態である。



用が、左手の指先から肘のラインから、


今度は、少し硬そうな白い縦状の雲が、


放出されて、前の白い雲をなぞるように、


螺旋状に展開する!




「喰らえ! クリア・スクロールウインド!」



用の手のひらから、クリア・ダークの


光が放出されて、それが中央で、


串刺しになった、マイネにじんわりと


まとわりつくように当たっていく。



結界を貼るマイネ!


だが…



今度は、2つの螺旋状の白い雲が、


おのおの回転運動をし始めた!



何が起こっているのか?



用は、エアコンの室外機の、


スクロールファンをスキルで、


再現したのである。



つまり!どうなるか?



用から供給される、クリア・ダークは、


螺旋中央のマイネに風のようにゆっくりと、


激しさはなくなるが、攻撃することになる。



そして、例え結界で弾かれても、


また、マイネに風が集中するように、


クリア・ダークが、またマイネに向かう。



そして上にも下にも、


閉鎖された空間なので、


用が攻撃すればするほど、


マイネに対する攻撃圧力は


高く濃くなっていく!



元マルダス世界管理者・マイネ

「ぐじょ〜! じんでだまるが〜」


マイネが、両手から光線を出して、


串刺しにしているクリアの串を


破壊しようとするが、


串がいつの間にか、


綿状の形態になっており、


光線を絡みとってしまった!


まるで、某お掃除モップの


ゴミを絡め取る図みたいに…



「クリア・ダーク30倍


超高圧縮形態!


喰らえ!クリア・ダーククラッシャー!」



ゆっくりと中心に向かう、


白い玉!



引きつるマイネ!



逃げようにも、未だ用の左手から供給される、


クリア・ダークが、ずっと襲ってくる!



結界がきしみ出した!


「ゴハッ!」


マイネが、吐血する!



バリバリ!


少しづつ破壊される結界…



元マルダス世界管理者・マイネ

「ゴラー!だずげろ! めいれい通り、


やっでるだろ! だずげろ! ゲハッ!」


白い玉がゆっくりと横に


スピンがかかっていき、


回転が始まる。



元マルダス世界管理者・マイネ

「いぎゃだー!じにだくない!


だめろー!いぎゃだー!」



用は、警戒していた!


そろそろ、邪魔が入る頃だ!


しかし、不自然に静かだ!


つづく………    

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る